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同性婚訴訟1周年を記念するイベントが開催、チャリティグッズも販売中
2019年2月14日、札幌・東京・名古屋・大阪で一斉に(9月5日には福岡でも)法律上の性別が同じ人どうしが結婚できないことは憲法違反であるとして日本初の同性婚訴訟がスタートしましたが、その1周年を記念して2月15日(土)にイベントが開催され、裁判についていろいろ話し合ったり、人気ドラァグクイーンユニット「八方不美人」によるライブも行われたりするそうです。
同性婚一斉訴訟(MARRIAGE FOR ALL JAPAN=結婚の自由をすべての人に。略称:マリフォー)は昨年2月14日のバレンタイン・デーにスタートしました。
4月には東京で初弁論が行われ、原告の同性カップルや弁護士は、「同性婚が認められることは、自分自身に対する否定的な気持ちをこれからの世代の人たちが感じなくてよい社会にすることです」「国は、同性婚を認めないためのどんな『理由』を持ち出すとしても、その矛盾に立ち往生するはずです」などと述べました。
7月には福岡在住のゲイカップルも同性婚訴訟に加わることを発表しました。
10月には東京で第3回口頭弁論が行われ、原告のゲイの方が「彼はかけがえのないパートナー」「私たちがお互いを思う気持ちは、男⼥の夫婦と何か違いがあるのでしょうか?」「他の⼈よりも劣った⼈間のように扱われる時代はもう、私たちの世代で終わりにしたい」と述べました。
11月には衆議院第二議員会館多目的ホールで院内集会が開催され、国会議員の方たちにも多数参加をいただき、涙なしには見られない熱い会になりました。
2020年2月3日に開かれた東京訴訟の口頭弁論では、原告の一人である小野春さんが田中寛明裁判長に対して、原告それぞれの事情を直接聞いてほしいと訴えかける一幕がありました。パートナーの西川さんも立ち上がり「私たちの生活実態は想像がつかないかもしれないけれど、お願いします」と語りました(詳しくはこちら)
同性婚訴訟1周年記念イベントは、「訴訟を応援していただいている方々へ感謝をお伝えし、また、応援の輪をさらに広げるため」という趣旨で、「各地の裁判の経過とマリフォーの1年間の活動を皆さんと一緒に振り返り、今後のマリフォーの活動予定についてもご説明します」とのことです。「ぶっちゃけ勝てるの?」「あの裁判長って実際どうなの?」…など、ご参加の皆さま限定かつオフレコでご質問にお答えするコーナーも設けられるそう。そして、先日のLIVE PRIDEでユーミンやMISIAさんと同じステージに立った新宿二丁目発本格DIVAユニット「八方不美人」のライブも予定されています。
【一周年イベント詳細】
日時:2020年2月15日(土)15:00~17:00
会場:アルモニーソルーナ表参道(渋谷区神宮前6丁目28−6 キュープラザ原宿)
※会場提供:株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ
参加費:無料(ドリンクと軽食をご用意する予定です)
お申し込みはこちら
なお、こちらに「マリフォー」代表理事の三輪晃義さんとスタッフの森あいさんへのインタビューが掲載されています。
裁判は各地で別々に進むため、札幌の裁判では裁判所が国に対して『結婚が男女間にだけ認められている目的や手段の合理性を裏付ける資料を出せ』とか『同性婚を認めることによってどのような影響が生じるのか』といった質問を投げている一方、大阪の裁判所は今のところそこまでの積極的な働きかけはないなど、違いがあるということ、この先、裁判所ごとに争点や判決が異なってくることもありえるということなど、貴重な情報を知ることができます。
また、「同性婚については、20代、30代では、7割を超える人たち、なかには、約9割が賛成しているという調査もあります。これから若い世代になればなるほど、どんどん同性婚法制化への可能性自体は増えていきますが、一方で今の若い世代は、『権利主張すること』に嫌悪感を抱いていたり、諦めを持っていたりすることも多いように思います」「日本の風土として、『寄り添っていきましょう』はあるけれど、実際に権利を訴えることになったら、途端に動きが鈍くなってしまう。『権利』とか『主張』となった途端に、抵抗感が出てしまうのです」「『法律で決まっているからしょうがない』『わざわざ言うのは迷惑』という諦めの意識が先行する社会は、何も同性婚だけに限ったことではなく、未来がないと思います」といった、とても大切なことも語られていました。
このインタビューを掲載している「JAMMIN」は、京都のチャリティ専門ファッションブランドで、今回、マリフォーと1週間限定でキャンペーンを実施し、オリジナルのチャリティ・アイテムを販売します。Tシャツやトートバッグなどのコラボアイテムを買うごとに700円がマリフォーの活動資金に寄付されます。
デザインは、「一歩ずつ、前に進む」象徴としてスニーカーをモチーフにしていて、その靴紐が「Stand up for Equality」というメッセージになっています。「ペアで一足となる靴は、仲睦まじいカップルを表現したものでもある」とのことです。
2月9日(日)の24時まで展開されています。
参考記事:
「同性婚を認めない法律が差別を生み出している」同性婚訴訟、原告が個人の尊厳と平等を訴える(ハフィントンポスト)
https://www.huffingtonpost.jp/entry/same-sex-marriage-lawsuit-tokyo-4_jp_5e38b2cdc5b687dacc71b122
若者の9割以上が賛成も、同性婚実現に立ちはだかる壁(オルタナ)
http://alternas.jp/work/challengers/79391