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日系大手企業を含む全134社が婚姻平等への賛同を表明しました
11月18日、「Marriage For All Japan ー結婚の自由をすべての人に」「LGBTとアライのための法律家ネットワーク(LLAN)」「虹色ダイバーシティ」の3団体が共同で、同性婚(婚姻の平等)の実現に向けて賛同企業を可視化するキャンペーン「Business for Marriage Equality」を立ち上げました。11月18日時点で46社の企業が賛同を表明、在日米国商工会議所の婚姻平等の提言への賛同企業も含めると、全部で134社が婚姻平等に賛成であると公に表明したことになります。歴史的な出来事と言えます。
11月18日13時、「Business for Marriage Equality」立ち上げについて記者会見が行われました。
「Marriage For All Japan ー結婚の自由をすべての人に」の共同代表を務める弁護士の寺原真希子さんは、「同性婚(婚姻の平等)が認められないのは個人の尊厳を傷つけている人権問題です」と述べ、先日の「Open for Business」による経済効果レポートのことも引き合いに出しながら、企業が共同で取り組み、社会を変えていくことの必要性を訴えました。
虹色ダイバーシティ代表の村木真紀さんは、「企業でLGBTQ研修が広く行われるようになり、パートナーが同性である従業員への福利厚生の拡充など制度的な整備も進み、また、同性パートナーも生命保険の受取人になれる、共同で住宅ローンが組めるなどのサービス提供も実現し、夢のようです。感謝しています」と述べ、一方で、「これでは、同性カップルの結婚ができなくても大丈夫なように補強しているのではないか」との思いも生まれてきたと語り、より公正な社会を目指し、キャンペーンへの賛同をお願いするようになったら、熟考の末に思い切って賛同してくれる企業が現れてくれたと、感激していると語りました。すでに日本でも子育てをしている同性カップルが増えてきていますが、法制度的に家族として認められず、社会保険が適用されないという現状で、カナダなどの海外に移住する方もいるといいます。村木氏は、「全ての子どもが安心して暮らせる社会へ」と訴えました。
続いて、LGBTとアライのための法律家ネットワーク(LLAN)共同代表の藤田直介さんは、「正直、5年前に部下の稲場がカムアウトしてくれるまでは、同性婚について無知でした。結婚が認められないのは差別・偏見の象徴であると、世界の動きをみても、競争力に大きな影響があると確信しました」と語りました。「2015年、米最高裁が米全土での同性婚を認めましたが、その際は379社が裁判所に同性婚を認めるよう上申書を提出しています。オーストラリアで同性婚の是非を問う国民投票が行われた際も、851社が賛同を表明しました」「2018年9月には、在日米国商工会議所が婚姻の平等を求める提言を行い、翌年には賛同企業が56社、今は109社に達しています」「高度外国人材の誘致なども叫ばれているが、制度的に不利であることで、むしろ日本からの流出も起こっている。他の経済圏から立ち遅れている状況です」
パナソニック株式会社執行役員・CHROの三島茂樹さんは、「パナソニックは2016年、従業員規定の配偶者の解釈を変え、同性婚も含めるようにしたほか、性的指向や性自認で差別しないことを明文化し、制度面でそもそも同性婚について賛同しています。社員にもお客様にも当事者の方がいます。自分らしく働けるような環境整備を行うのは基本的なことです」と語りました。「企業にとって競争力は大事ですが、その源泉は人材です。良い人材は法整備が整う国に集まります。グローバル企業の一つとして、また未来志向の取組みとして、この活動に寄与したい」
最後に、コカ・コーラの人事本部 デピュティ シニアバイスプレジデントを務めるパトリック・ジョーダンさんが、「コカ・コーラの使命は世界を潤すこと。多様性と受容、平等はコカ・コーラのコア・バリューです」と語り始め、LGBTQを優先事項の一つと見なし、グローバルでもローカルでもLGBTQ施策を一貫して支援してきたと述べました。米国ではイクオリティ・アクトに真っ先に賛同したそうです。そしてジョーダンさんは、自身がゲイであり、家族に恥ずかしい思いをさせてはいけないと16歳の時に自殺を考えたという経験を明かし、「そのような思いは、誰一人味わうべきではない」と語りました。当事者のウェルビーイングやメンタルヘルス、安心して過ごせる環境づくりのためにも、日本における婚姻平等が実現し、法制度で守られることが必要だし、そのために企業も応援してほしいと述べました(胸が熱くなるようなお話でした)
藤田さんも説明してくださっているように、米国では、同性婚をめぐる住民投票や裁判、LGBTQ差別禁止法の実現、宗教の名の下にLGBTQ差別を容認するような州法への反対、といったイシューに関して、企業が連名で声明を発表したり、裁判所に要望書を提出したり、あるいは推進団体に寄付したりということを行なってきました(ウォルマートのような保守派の代表格と見なされていた企業ですら、LGBTQの権利の支持を表明してきました)。日本でもようやく、そういう時代が訪れたのです。歴史的な出来事です。
この記者会見とともに公開された「Business for Marriage Equality」の公式サイトによると、11月18日時点で婚姻平等(同性婚の法制化)に賛同する企業・団体は134社に上っています(詳細はこちら)
賛同を表明したい企業のご担当者様は、こちらをご覧ください。