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タイでトランス女性のビューティ・ページェント「ミス・インターナショナル・クイーン」が開催されました

 国際女性デーにあたる3月8日、タイのリゾート地パタヤで3月8日、トランス女性のビューティ・ページェント「ミス・インターナショナル・クイーン」が開催され、アメリカ代表のジャゼル・バービー・ロイヤルさんが黒人として初めて優勝しました。
 
 「ミス・インターナショナル・クイーン」は2004年に始まり、2009年にはタレントのはるな愛さんが出場し、見事に優勝を果たしたことで全国的に知られています。はるな愛さんは今大会のアンバサダーおよび審査員を務めることが決まっていました。
 今年1月には、日本代表を選出する大会が初開催され、タレントのゆしんさんや、大学院生の畑島楓さんらの出場がフィーチャーされていましたが、LGBTフレンドリーなブランドのPRや六本木のショーパブでのお仕事に携わっているVanさんが優勝し、タイ行きの切符を手にしました。
 
 パタヤ随一のショーパブである「Tiffany's Show」が主催する「ミス・インターナショナル・クイーン」には、アジア諸国、ブラジル、ペルー、カナダなど世界各国の代表20人が参加して美を競いました。エア・アジアや旅行会社、性別適合手術のクリニック、女性ホルモンの会社などがスポンサーになっています。
 大会公式Facebookによると、コンテスタントは、2月末からパタヤ入りし、2週間近くにわたって、象とふれあったり、海辺で水着姿でのフォトセッションを行なったり、様々なことを体験します。そこでの適応能力や内面性も審査の対象になるようです。3月2日には(ミスユニバースでもやっているような)お国の文化にちなんだコスチュームで美を競う(最もドラァグクイーンっぽい)「NATIONAL COSTUME」のステージがありました。そして6日に予選が、8日にファイナルとなる本選が開催されました。
 各賞がいろいろあり、ベスト・ナショナル・コスチュームはニカラグア代表が、Miss Congeniality(適応力)は中国代表が、ミス・フォトジェニックはタイ代表が、ベスト・イブニング・ガウンはブラジル代表が、ベスト・イントロダクション・ビデオはベトナム代表が受賞しました。
 そして、優勝は、アメリカ代表のジャゼル・バービー・ロイヤルさんに贈られました。2位がタイ、3位が中国の代表の方でした。
 
 優勝したジャゼルさんは、大会始まって以来の黒人の優勝者となりました。
 フロリダ州出身でHIV予防啓発活動家でもあるジャゼルさんは、自身の優勝が世界中の有色人種の人々を勇気づけるものになればうれしい、と語りました。
「HIVと共に生きていながら治療を受けていない人も大勢いる」と彼女は語り、自らが新設したプラットフォームを通じてHIV検査の重要性や安全な性行為、医療についての情報を伝えていきたいと語りました。
 また、アメリカではトランプ政権がトランスジェンダーの従軍禁止措置や性別変更を禁止する方針などを発表し、大きな問題になっていますが、彼女は「トランプ大統領にメッセージを送るとしたら?」との質問に、「再選を目指して立候補しないでいただきたいと言いたい」と語りました。

 残念ながら日本代表のVanさんは入賞ならず、6位にとどまる結果となりましたが、「(LGBTへの差別や偏見をなくしていくために)先頭に立って様々なことを発信していきたい。コンテストへの参加はそのスタートだ」と語りました。
 
 今年の国際女性デーは、一部のフェミニストから排除・差別の言葉を投げつけられているトランス女性を支援するキャンペーンが展開されましたが、同時にタイでこのような晴れがましい催しが行われていたということにも、意義を感じます(両輪のようなものですね)
 トランス女性を含むすべての女性、そして、あらゆるセクシュアルマイノリティの人たちを、OUT JAPANはこれからも応援します。
 


参考記事:
タイでトランスジェンダーの美人コンテスト、優勝は米国代表(AFP)
タイのパタヤでニューハーフ世界大会 米代表が優勝(テレ朝)
タイでニューハーフ大会 日本のVANさん入賞逃す(共同通信)
タイでニューハーフ大会 日本のVANさん入賞逃す(神戸新聞)

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