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都教委「性教育の手引き」改訂、性の多様性にも配慮 

都教委「性教育の手引き」改訂、性の多様性にも配慮 

 東京都教育委員会は3月28日、都内の公立学校での性教育の指針となる「性教育の手引き」の改訂を報告しました。性の多様性に言及する文言が新たに盛り込まれることになりました。
 
 およそ15年ぶりに改訂された「性教育の手引き」では、都内の公立小中学校と高校で学習指導要領を超える内容の授業を行う際、事前に保護者全員に説明し、了解を得られた生徒を対象にするなどの方針が示されたほか、「性情報の氾濫や性感染症への対応、性同一性障害等に関する正しい理解等、性をめぐる現代的な課題に対応」しています(詳しくはプレスリリースをご覧ください)
 性的マイノリティの児童・生徒もいるという前提で「自己の性を肯定的に受容できるようにする」「性には多様性があり、互いに尊重し合うことが大切であること」という文言が盛り込まれ、「性同一性障害等に関する正しい理解」が謳われ、そのための手がかりとして、巻末資料として2015年文科省発出の「性同一性障害等に係る児童・生徒に対するきめ細かな対応について」が掲載されています。
 近年、10代でのHIV感染が報告されていることも踏まえ、HIVをはじめとする性感染症に関する事柄も盛り込まれました。
 
 先日の人権啓発資料法務大臣表彰で最優秀賞を受賞した「人権教育実践資料3 性の多様性を認め合う児童生徒の育成Ⅱ」にも関わっているLGBT教育の分野のエキスパートである渡辺大輔・埼玉大准教授は「手引の指導にあたっての留意点に『性的指向・性自認に配慮』という文言が入ったのは前進だが、授業にどう反映するかが今後の課題だ」と語っています。
 海外の性教育に詳しい橋本紀子・女子栄養大名誉教授は「日本の性教育も子どもたちの実態や意見をベースにして、医学的、生理学的な知識とともに多様な人間の存在を学び、認め合う教育へと改善すべきだ」と語っています。


 

参考記事:
都教委「性教育の手引き」改訂、「行き過ぎ」指導受け(TBS News i)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3633913.html
都教委が15年ぶり「性教育の手引」改訂 学習指導要領外の授業「容認」(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20190328/k00/00m/040/251000c

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