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岐阜県飛騨市も同性パートナーシップ証明制度を導入
岐阜県飛騨市が、新年度から同性パートナーシップ証明制度を導入することを決めました。
岐阜県では初めてで、中部地方でも、検討中と発表されたもののまだ導入時期が明らかになっていない名古屋市を抜いて、初めての施行となります。
飛騨市は今年4月から、二人が独身で市内在住であることなどの条件を満たしている同性カップルや事実婚の夫婦が市の窓口で必要な書類を提出すれば結婚に相当する関係であると認める(証明書を発行する)制度を導入することを決めました。
制度の利用者には、「夫婦」や「家族」とみなす専用の証明書が発行され、現在は新婚の夫婦などに支給されている家賃補助の申請も行うことができます。また、市は、今後、規則を改正するなどして、家族のみが入れる市営住宅の入居手続きや、不妊治療費の助成の申請にも使えるようにするとしています。
飛騨市市民保健課の三井大輔課長は「性的マイノリティを含めた多様性についての議論が盛んになるなか、人々が平等に市民サービスを受けられるよう制度を導入した」と語っています。
なお、都竹淳也飛騨市長が自身のFacebookで制度導入についての思いを語っています。
「この話をしたのが、昨年秋の政策協議のとき。LGBTや事実婚のカップルも入籍している夫婦と同じように扱うようにできないかと言いました。
幸せの形は人によって異なります。役所は自分の決めたルールに当てはめるようとするのではなく、オーダーメードで、それぞれの幸せの形を実現するように取り組むのが本来の姿だと思っていたからです。
私の親しい友人にも、LGBTの人もいれば、事実婚の人もいます。私の大学時代の研究テーマは「幸福追求権」でしたが、幸せを追求できる権利は憲法が保障しています。それを実現するのは自治体として当然だと、そう思っていました。
最初、戸籍や住民票を扱っている担当者にその旨を言ったところ、「ここは戸籍を扱っているので…」と消極的でした。
でも、一般の戸籍、住民票を扱っている窓口で同じようにやることに意味がある、別の窓口を設けるのでは意味がない、とちょっと厳しいことを言いました。
そこからです。うちの職員のすごかったのは。係長の川上聡子を中心に、実現できる方法を真剣に考え、色々な事例を検討し、工夫を重ね、まさしく自家薬籠中の物として、この制度を立ち上げるところまで持ってきてくれました。
さらに、このニュースの動画を見て、市民保健課長の三井大輔が自分の言葉で目的を語っているのを見て、うれしくなりました。大したものです」
ここからは余談になりますが、実は飛騨市の中心は映画『君の名は。』の舞台(モデル)となった飛騨古川の街であり、ファンにとっては聖地となっていたりします(巡礼に訪れる方、多数)。同性パートナーシップ証明が実現した暁には、『君の名は。』にちなんだ同性結婚式が行われたり、飛騨古川へハネムーンに行く同性カップルなども現れるかもしれません。
参考記事:
飛騨市「パートナー制度」導入へ(NHK)
飛騨市がパートナーシップ証明制度 LGBTや事実婚対象(岐阜新聞)