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電通がLGBT人口を8.9%だとする最新の調査結果を公表、同性婚賛成派が8割近くに
大手広告代理店の電通が10日、全国の20~59歳の男女6万人を対象に、2018年10月に実施したアンケート調査の結果を公表し、LGBTQ(セクシュアルマイノリティ)の人口が全体の8.9%という結果になりました。2015年の同社の調査では7.6%でしたので、1.3%ポイント上昇しています。これまでは13人に1人という言い方をしていましたが、今後は11人に1人と言ってよいのではないでしょうか(左利きの方やAB型の方の割合とほぼ同じですね)
前回よりもLGBT人口が増えた主な要因は、LGBTに関する一般の理解が進んだことや、アンケート回答者の若年層の構成比率が増加したことにあると見られています。電通ダイバーシティ・ラボのリサーチャー吉本紗子さんは「ここ数年でLGBTに関する情報がすごく増加している。それによって一般の認知、理解が広まったため、自分の性について考える機会、ならびに正しく向き合う機会が増えたのが一つの要因と考えている」と語っています。
今回の調査では、LGBTではない方たちにも、LGBTという言葉の意味を知っているか、理解したいか、などの質問をしています。
LGBTを性的マイノリティの総称であると「知っている」「何となく知っている」と回答した人は68.5%で、15年の調査から30.9ポイントも上昇し、言葉が浸透している様子がわかりました。
「不快な思いをさせないために、LGBTについて正しく理解したい」と考える人は全体の76%を占めました。
多くの先進国で認められている同性婚については、78.4%の人が賛成しています。賛成する人は男性(69.2%)よりも女性(87.9%)の方が多く、また若年層ほど高い傾向にあります(20代:87.3%、50代:72.5%)
東京都のLGBT差別を禁止する条例については、82.7%の人が賛成しており、さらに72.1%の人は日本全体で「もっと法整備をすべき」と考えています。
また、LGBTの方たちに対しても独自の質問項目があります。
「当事者であることをカミングアウトしていますか」と質問したところ、65.1%が「誰にもカミングアウトしていない」と回答しています。カミングアウトしている相手の多くは家族や友人で、職場の同僚・仕事仲間は4.5%、職場の上司にいたってはわずか2.6%でした。
「以前に比べてカミングアウトしやすい環境になっていると感じますか」という質問にも、当事者の69.5%が「なっていない」と答えています。
勤める企業に性の多様性に関する支援制度があるか、という質問については、「十分な支援制度がある」との回答は5.5%、「支援制度がある」は17.3%、「支援制度がない」が54.5%に上りました。同性カップルにも配偶者手当を支給する福利厚生や、相談窓口の設置を求める声が多かったといいます。
<事前スクリーニング調査概要>
調査対象:20~59歳の個人 60,000名
調査対象エリア:全国
調査時期:2018年10月26日(金)~29 日(月)
調査方法:インターネット調査
<電通 LGBT 調査 2018 概要>
調査対象:20~59歳の個人 6,229名 (LGBT589名/ストレート5,640名)
調査対象エリア:全国
調査時期:2018年10月26日(金)~29 日(月)
調査方法:インターネット調査
参考記事:
「自分はLGBT」8.9% 同性婚賛成8割近く 電通調査(テレ朝)
「自分はLGBT」8.9%=同性婚賛成は8割近く—電通調査(時事通信)
「LGBTを正しく理解したい」76%、電通調査(日経新聞)
電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2018」を実施(産経新聞)
電通が発表! 日本のLGBTの割合は「左利き」とほぼ同じ(Yahoo!)
LGBTは全体の8.9%、前回より増えた理由は? 同性婚は78.4%が「賛成」(ハフィントンポスト)