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NHKのドラマで次にトランスジェンダーを演じるのは千葉雄大さん
NHKは昨年、『弟の夫』(把瑠都さんがゲイの役)や『女子的生活』(志尊淳さんがMtFレズビアンの役)といった名作クィアドラマを放送して話題を呼びましたが、今度は『尽くす女』という短編ドラマで、千葉雄大さんがトランスジェンダー役を演じることになりました。
『尽くす女』は「○○な女」をテーマに10分の短編ドラマを届ける「ちょいドラ」の第2弾作品で、千葉さんはトランスジェンダーの主人公・木山一己を演じています。
ドラマの概要はこんな感じです。
「木山一己は、ある心理カウンセラーの元を訪れる。「人に尽くしすぎてしまう自分が嫌なんです。病気だと思います」。木山は、体は男性だが心は女性、つまり、MtFトランスジェンダーだ。妻との関係、自分の未来…自分はこれからどう生きていけばよいのか。多くの人が身に覚えのある「自己肯定感」をめぐる悩み」(公式サイトより)
NHK放送センターで行われた完成試写会で千葉さんは、「僕はレストランで働いている役だったので、調理するシーンもあったんですけど、その監修は僕がやっている役の実際のモデルとなった方が現場にいらっしゃって、結構厳しくて(笑)、何回かNGを出してしまったんですけど、そういうやり取りの中で、自分がやった、男性で生まれたけど女性の気持ちを持つ方の、なんとなくの雰囲気だったかもしれないですけど、お話しできたからこそ表現できたものもあると思うので、そこは助かりました」と語りました。
ちょいドラ 2019
NHK総合 2019年1月12日(土)23:30~23:59
作品2『尽くす女』
主演:千葉雄大 作:野田慈伸
その他出演:優香、長野里美、望月綾乃
演出:宮下玲
助監督:桑島憲司
制作統括:熊田佳代子
昨年『女子的生活』でMtFレズビアンという難しい(かつて映画やドラマで登場したことがない)役を志尊淳さんが演じて、志尊淳さんは「LGBTという性的マイノリティからテレビメディアというマジョリティへの発信である。女性として現代社会を闊歩する男子は、それだけで旧来のテレビドラマを覆す。ヌーベルバーグ、ニューシネマと、いつの時代でも新しいドラマにはそれを体現する新しい俳優が生まれる。志尊淳はまさにその役割を見事にこなしたといえるだろう」として、文化庁芸術祭・放送個人賞を受賞しています。
千葉さんはどのような演技を見せてくれるでしょうか。
なお、明確にゲイだと明言されてはいないようですが、9日に放送されたドラマ『家売るオンナの逆襲』(日本テレビ系/毎週水曜22時)で、千葉雄大さん演じる足立が自分を超える超イケメンの留守堂(松田翔太さん)に惹かれていく…というストーリーになっていたそうです。イケメンどうしのBLな展開に視聴者からは「ツーショットめっちゃ素晴らしい」「松田翔太と並ぶと千葉雄大が一気に女子になる不思議」「変な空気醸し出しすぎて、これは見守らなければいけない予感(笑)」などの声が殺到しているそうです。
また、千葉雄大さんといえば、今度は日テレ…司会者がゲイを侮辱する仕草でゲストに対して「コッチだよね?」でもご紹介しましたが、昨年1月21日放送『おしゃれイズム』(日本テレビ系)に出演した際、以下のようなやりとりがありました。
お酒がすごく好きで、後輩とよく飲みに行くことが多いという千葉さんに対し、司会の上田晋也さんが「お酒を飲むとどんな感じになるの?」と質問。
千葉「(肉体的な)距離が近くなる。後ろから抱きつく」
上田「千葉くん、前から疑いはあったんだけど(手の甲を反対側の頬に当てる、ゲイを侮辱するジェスチャーで)コッチだよね?」
千葉「うーん、でもいいかなって」
上田「否定はしないのかよ!」千葉「まだ持ち帰られたことはない」
上田「当たり前だよ!」
上田さんのゲイを侮辱する態度とは対照的に、千葉さんの軽やかでさわやかな「ゲイでもいいかな」発言は、素晴らしかったです。お茶の間の好感度も上がったはずです。
堂々とクィアなキャラクターを演じるようになってきた千葉雄大さん、素敵です。応援します。
参考記事:
千葉雄大、トランスジェンダー役に挑戦「背中を押してもらった」<ちょいドラ2019>(modelpress)
千葉雄大「尽くす女」に「背中を押してもらった」、伊藤沙莉は撮影で丸1日真っ黒に(ナタリー)