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ゲイカップルの日常を描く『きのう何食べた?』が実写ドラマ化、主演は西島秀俊さんと内野聖陽さん
ゲイカップルの日常をリアルに描く傑作として名高いよしながふみ先生の『きのう何食べた?』が実写ドラマ化されることになりました。2019年4月、テレビ東京系・金曜深夜ドラマ「ドラマ24」で放映予定です。主演は西島秀俊さんと内野聖陽さんだそうです。(なお、先日、イメージビジュアルが公開されましたが、「再現度高すぎ」と話題になっているそうです)
『きのう何食べた?』は、2007年から『モーニング』という主に男性読者を想定しているコミック雑誌に連載されている作品で(もう10年以上も連載が続いているというのは、ものすごく人気がある証拠ですね)、弁護士の筧史朗(シロさん)&美容師の矢吹賢二(ケンちゃん)というゲイカップルの毎日の晩ご飯をからめながら、二人のリアルなゲイライフやパートナーシップ、日々の生活を描いたゲイコミックです。世の中にLGBTブームというものが訪れるずっと以前から、当事者が見ても少しもいやなところが感じられない、ゲイが見てもストレートが見ても楽しめるような作品として描き続けられてきたのは、素晴らしいことです。
レシピや作り方の詳細が丁寧に解説され、実生活に役立つというのも人気の秘密で、TBS系バラエティ『マツコの知らない世界』2017年1月24日放送回の「マンガ飯の世界」というコーナーで「レシピ本として使えるおすすめマンガ第1位」として紹介されました。
作者のよしながふみ先生は、『西洋骨董洋菓子店』や『大奥』など、ゲイが登場したりBL的だったり男女が逆転していたりする作品を多数ヒットさせている方で、『西洋骨董洋菓子店』は滝沢秀明さん主演でドラマ化され、『大奥』は二宮和也さんや堺雅人さんの主演でドラマや映画になっています。
今回の『きのう何食べた?』は、筧史朗(シロさん)役が西島秀俊さん、矢吹賢二(ケンちゃん)役が内野聖陽さんという豪華キャストです。ちなみに西島秀俊さんは、1993年にドラマ『あすなろ白書』でゲイの松岡の役を演じており(当時、こんなイケメン俳優がゲイの役を!と話題になりました)、ゲイ役自体は初めてではありません(というか、レジェンドが帰ってきた!感があります)
2018年は『弟の夫』や『おっさんずラブ』が大きな反響を呼び、ゲイドラマ史上に燦然と輝く記念すべき年になりましたが、今回の『きのう何食べた?』ドラマ化は、そんなゲイドラマ・ブームに便乗して、映画化なども視野に入れ、鳴り物入りで組まれた企画なのでしょうが、原作が本当に名作なので、ぜひ(ノンケ向けに歪ませたりせず)原作に忠実な、いいドラマになってほしい、そしてヒットしてほしいと願うものです。
そして、もはやドラマでも、ゲイ=オネエというステレオタイプではない時代が到来したということも(当たり前なのですが)意義深いことです。これまでの世間の「男を愛するためには自分が女性にならなければいけない(だからオネエや女装になる)」という偏見(異性愛規範)を覆し、リアルなゲイが描かれるようになりました。恋愛は異性間でするもの、世の中には男性と女性しかいないというアンコンシャスバイアスとしての異性愛規範が、ドラマを通じて変わっていき、新しい常識が作られていくことで、たとえば女性活躍推進など、ジェンダーの問題も好転していくのではないでしょうか。