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全米オープン最年少出場記録を持つ日系アメリカ人のゴルフ選手がカミングアウト、男子プロゴルフでは史上初

 世界自殺予防デーにあたる9月10日(現地時間)、2006年のゴルフ全米オープンに大会史上最年少(当時)の15歳5ヵ月で出場したタッド・フジカワ選手が、自身のインスタグラムでゲイであることをカムアウトしました。

「気づいている人は多いと思いますが、僕はゲイです。みんなに理解してほしい、受け入れてほしいとは思っていません。本当の自分を隠しすぎていて本当にいやでした。いつも周りが何と言うか恐れていて、メンタルもずっと崩れていました。自分のセクシュアリティを明かすかどうか悩んでいましたが、他の人のカミングアウトに私は救われました」
「最近は受け入れられるようになってきましたが、バカにされたり、差別されたりして命を絶つ人もいます。そういうことが起き続ける限り、これからも精いっぱい努力して、この問題にさらなる喚起を促し、平等のために闘っていきます。どんな方法であろうとも、僕たちは自らを解き放ち、自分たちの最善のために励まし合っていく必要があります」
「未来の世代のために、この世界をより良くするにはこうするしかない。この世界を良い場所にするために、僕らは自分たちの役割を果たそう」

 現在27歳のフジカワ選手は、ハワイ州ホノルル出身の日系アメリカ人。2006年の全米オープンに大会史上最年少の15歳5ヵ月で出場すると、プロ転向した2007年のソニー・オープンでは16歳4日と史上2番目の若さで予選を通過しました。米ツアーで通算15大会に出場しているフジカワ選手は、予選通過者としてプレーした2017年のソニーオープンが現時点では最後の大会となっています。昨年はカナダでプロツアー5大会に出場しているほか、ハワイステート・オープンでは7年ぶりの優勝を果たしました。

 ジム・キャリーとユアン・マクレガーがゲイカップルを演じた映画『フィリップ、きみを愛してる!』のなかで、主人公のスティーブンが接待ゴルフに行こうとしてフィリップが「どうしてよりによってゴルフなんだい?」と顔をしかめるシーンがありましたが、数あるスポーツの中でもゴルフは最もゲイから遠い(男社会で、ホモフォビアが強そうな)イメージが強い種目の一つです。そのゴルフ界にあってゲイであるとカムアウトすることは、多大な勇気を要することだったのではないかと想像されます。

 カミングアウト後、フジカワ選手のもとには、感謝や勇気を称えたり、応援したりする投稿が相次いでいます。全米ゴルフ協会は「あなたの勇気は感動に値するものだ」とコメント。全米プロゴルフ協会も「勇気ある行動と力強いメッセージをありがとう」とコメントし、大きな反響を呼んでいます。
 

 
参考記事:
全米OP最年少出場選手 LGBTであることを告白(GOLF NETWORK)
タッド・フジカワが同性愛公表、男子プロゴルフでは史上初(AFP)
男子ゴルフのタッド・フジカワ 同性愛公表に大きな反響(ゴルフダイジェスト)

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