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千葉市が教職員向けにLGBT支援に向けたガイドラインを作成しました
千葉市は4月12日、性的マイノリティ(LGBT)への配慮や対応に関する職員向けの指針「LGBTを知りサポートするためのガイドライン~誰もが自分らしく生きることを認め合う社会へ~」を県内で初めて作成しました。市職員の窓口対応で気をつけるべき点や、学校で子どもに配慮するポイントなども紹介。「民間企業や医療機関などでも活用してほしい」としています。
千葉市の公式サイトに設けられた「LGBTを知りサポートするためのガイドライン」のページによると、こういう趣旨です。
「平成26年にオリンピック憲章が改正され、「性的指向による差別の禁止」が加えられました。
平成32年には、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、国籍、人種、年齢、性的指向、障害の有無等多種多様な属性を持つ選手や家族、観戦者などの来訪が見込まれることから、千葉市も会場都市として、更なるLGBTへの配慮意識の醸成が必要となっています。
こうしたことを踏まえ、市職員や関係者が正しい理解のもと、状況に応じた適切な対応や考え方を身につける必要があると考え、本ガイドラインを作成しました」
一般社団法人社会的包摂サポートセンターが発行し、LGBT法連合会が監修する「性自認及び性的指向の困難解決に向けたガイドライン」や、文京区が2017年4月に策定した「性自認および性的指向に関する対応指針〜文京区職員・教職員のために〜」を元に作成され、LGBTの基礎知識のほか、場面ごとの適切な対応や考え方を掲載し、併せて、判例や事前に実施した職員の意識アンケートから実際の対応事例等を紹介しています。
具体的には、市役所の窓口対応としては、窓口を訪れる人の外見と書類上の性別が一致しない場合、本人確認は性別にこだわらず、生年月日などで確認するよう求めています。公的証明書は、性別欄が必要かどうか精査し、法的に義務付けられたものを除き、廃止する方針を説明しています。
学校では、子どもが、自分が認識する性別や、恋愛感情を抱く相手の性が周囲と違うことで悩む場合があるとしています。トランスジェンダーの子どもが更衣室やトイレを利用しやすいよう、教職員が配慮し、学習会や校内研修で理解を深める大切さも挙げています。
また、市営住宅への入居など、親族であることを同居の条件としているものは同性パートナーも同じ扱いにするよう検討を求めています。
4月5日のNHKのニュースでは、「千葉市はLGBTの人たちへの差別をなくそうと、性別を決めつけるような言動を避けることなどを盛り込んだ、職員や教職員向けの対応指針を策定しました」「この中では、性別などを決めつける言動を避けるため、「夫」や「妻」ではなく「配偶者」や「パートナー」、「お父さん」や「お母さん」ではなく「保護者の方」「ご家族の方」という表現を使うよう求めています」と報じられましたが、これに対して一部の方たちが「夫や妻という言葉が差別語になるから市民に対して使わないよう求めている」と誤解していたようです。そうではなく、教職員に向けて、LGBへの配慮として、(相手が自ら「夫が」「妻が」などと言うまでは)恋人やパートナーが異性であるという前提で話すこと(思い込みや決めつけ)をやめるように求めている、ということです。
参考記事:
千葉市が職員向けにLGBT指針(NHK)
LGBT配慮の指針作成…千葉市が職員向けに(読売新聞)
LGBTの理解深めて 千葉市がガイドライン作成(東京新聞)