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アメリカ全土での結婚の平等を勝ち取った弁護士のエヴァン・ウォルフソン氏が来日します
アメリカ全土で結婚の平等(同性婚)が認められるようにと32年もの長きにわたって尽力してきたゲイの弁護士、エヴァン・ウォルフソン氏が来日します。
3月13日から16日まで、東京、京都、大分で、講演会や映画『The Freedom to Marry』上映会などが開催されますので、ご案内いたします。
エヴァン・ウォルフソン氏は日本ではあまり知られていませんが、LGBTに関して世界的に有名な弁護士です。1983年、ハーバード・ロースクールの卒論で、結婚の自由が異性愛者にしか認められないのは憲法違反であると書き(当時は周囲から全く理解が得られなかったといいます)、そこから同性婚実現に向けて様々な活動を続けてきました。1991年、ハワイ州で、同性カップルが結婚できないのは憲法違反だと訴える訴訟が起こされ、エヴァン・ウォルフソン氏も弁護士として参加し、見事、勝訴を勝ち取りました(しかし、政府があせって「結婚防衛法(結婚は男女間に限ると定義する連邦法)」を制定したり、同性婚を禁じる州法が次々に成立したりという反動が起こりました…)。その後もあきらめず、どうしたらアメリカで同性婚が認められていくのか、試行錯誤を繰り返し、あきらめず、世論を変えていこうと活動を続けました。そうして苦節32年、2015年6月に連邦最高裁で、晴れてアメリカ全土で結婚の平等を保障する判決が下されたのです。その後もエヴァン・ウォルフソン氏は、オーストラリア、イギリス、台湾など世界中で支援活動を行っており、『婚姻の自由のゴッドファーザー』とも呼ばれています。
『The Freedom to Marry』という映画をご覧になった方もいらっしゃると思います。昨年9月、「ソニー・ダイバーシティ・シアター 2017」で特別上映されたほか、弊社でもこの1月にLLANさんとの共催でダイバーシティ&インクルージョンを考える「Freedom to marry」上映会を開催しております。
エヴァン・ウォルフソン氏と彼が設立した団体「Freedom to Marry」、そして同志のメアリー・ボノート氏(米LGBT団体で公民権プロジェクト・ディレクターを務めていたレズビアンの弁護士)などが協力しあい、連邦最高裁での勝訴、アメリカ全土での結婚の平等の実現を目指す様を描いた、感動的なドキュメンタリーです。同性婚が認められていないがゆえに、もしパートナーに何かあったとき、一緒に育てている子どもたちの親権が保証されない、子どもたちが奪われてしまうという悲しい現実に直面するレズビアンカップルの姿も描かれ、身につまされるものがあります。残念ながら日本では一般公開されず、DVD等にもなっておりませんので、こうした上映会でしか観る機会がありません。
そんな、歴史的偉業を成し遂げたエヴァン・ウォルフソン氏が登壇するイベントをご紹介します。
映画をまだご覧になっていないという方はもちろん、結婚の平等ということ(同性愛者が結婚を認められない二級市民の地位に置かれることの不条理)について知りたい、あるいは、決してあきらめず、自由と平等を求めて信念を貫き通したエヴァン・ウォルフソン氏の偉大さに触れてみたいという方もぜひ、ご参加ください。きっと実りある時間になることと思います。
LGBTと婚姻の自由〜同性婚容認の米最高裁判決に至るまでの道のり〜
日時:3月13日(火) 13:00-15:00
会場:日本弁護士会館10階1003号室
内容:映画上映、ウォルフソン氏講演「世界から見た日本における同性婚の現状」
無料
詳細・申し込みはこちら
「The Freedom to Marry」映画上映会〜エヴァン・ウォルフソン氏をお招きして〜
日時:3月13日(火) 18:30-20:30(開場18:00)
会場:日本橋一丁目三井ビルディング、バンクオブアメリカ・メリルリンチ6階セミナールーム
内容:映画上映、ウォルフソン氏講演「世界から見た日本における同性婚の現状」
無料
詳細・申し込みはこちら
「The Freedom to Marry」上映・交流会
日時:3月15日(木) 18:00-20:00
会場:キャンパスプラザ京都
内容:映画上映、パネルディスカッション「同性婚がなぜ必要か〜今後の日本での展望〜」
無料
詳細・申し込みはこちら
地方都市におけるLGBTの課題と展望~多様性と調和~
日時:3月16日(金) 17:30-19:30
会場:野村証券株式会社大分支店
内容:映画上映、パネルディスカッション「地方都市におけるLGBTの課題と展望」
無料
詳細・申し込みはこちら
参考記事:
「同性カップルの婚姻の自由」米国で勝ち取った「ゴッドファーザー」弁護士の軌跡…3月13日講演(弁護士ドットコム)