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東京都府中市が来年4月から同性パートナーシップ証明制度を導入することになりました
東京都府中市の高野律雄市長は11月28日、記者会見を開き、来年4月に同性パートナーシップ証明制度を導入することを発表しました。高野市長は「性的少数者が社会に背を向けずに生活できる保障をし、人権尊重を市民に強く認識してらえることを期待している」と語りました。
継続的に共同で生活し、成年(20歳以上)で市内に住所があることなどの条件を満たし、パートナーシップ宣誓書を出した「2人の性的少数者」に、市長が受領証を交付するものだそうで、いわゆる世田谷方式と言えそうです(「継続的」が何年以上と定義されるのか、気になるところですね…。それから、「2人の性的少数者」ですと、一方が戸籍上の性別変更を行なっていないトランスジェンダーで一方がシスジェンダー・ストレートであるカップルなどは、利用できないことになります)
パートナーどうしであると認める条件としては、「成年であることなどのほか、配偶者や2人以外にパートナー関係にある者がいないこと、近親・姻族関係にないことを挙げている」そうです(これらは2人がカップルだと認定するための条件というよりも、男女の結婚で言う「婚姻障害」=結婚できないケースの規定ですね…)
ちなみに、市営住宅への入居を認めるといった他の行政サービスへの適用は当面行わないそうです。府中市は、パブリックコメント(意見公募)を経て18年度内に制度の要綱をまとめる方針です。
府中市といえば、日本の同性愛者の権利が初めて公に認められるきっかけとなった「府中青年の家事件」裁判を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。28年の時を経て、あの同性愛差別的な事件が起こった府中市でも、このように同性パートナーシップ証明制度を導入することになったのです。感慨を禁じえません(なお、府中青年の家は2005年に取り壊され、現在はありません)
東京都での同性パートナーシップ証明制度の導入は、渋谷区、世田谷区、中野区、豊島区(来年2月に条例制定予定)に次いで5例目となる見込みです。
参考記事:
府中市、LGBTパートナー認定 来年4月に(日経新聞)