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米国でLGBTをサポートする企業を選んで投資するETF(上場投資信託)が登場
2018年1月11日、LGBTをサポートする企業に的を絞って投資するETF※の「InsightShares LGBT Employment Equality ETF」がニューヨーク証券取引所ARCAに上場しました。
※ETFは「Exchange Traded Funds」の略で、取引所で取引される指数連動型の投資信託のこと。上場投資信託。特定の指数(例えば日経平均株価など)の動きに連動する運用成果をめざします。
このETFの連動の対象となる指数は「UBS LGBT Employment Equality Index」です。
「UBS LGBT Employment Equity Index」は、米国を本拠地とする世界的な人権団体であるヒューマン・ライツ・キャンペーンが毎年発表している、企業のLGBT施策を評価する指標「Corporate Equality Index(CEI)」で85点以上を獲得した米国企業のうち、時価総額が10億ドル以上で過去12ヵ月の営業利益が黒字であるなどの要件を満たした企業を指数の構成銘柄とするものです。2018年1月3日現在、269銘柄で構成されています。一言で言うと、LGBTを公正に扱う米国の大型並びに中型企業のパフォーマンスを示す株価指数です。
CEI の指標の内容は、社会情勢とともにアップデートされてきていますが、現在は、職場においてLGBTを差別しない、就業規則等においてLGBT差別を禁止している、LGBTにも平等に仕事の機会が与えられている、LGBTにも平等に福利厚生が提供されている、広告やサプライヤーの決定においてLGBTの課題への配慮が行われている、管理職にLGBTへの理解に関するトレーニングを実施している、トランスジェンダーへの配慮が行われている(性別適合手術のサポートを含む)などとなっています。
「InsightShares LGBT Employment Equality ETF」は、運用資産の少なくとも80%を、この「UBS LGBT Employment Equality Index」に合致する銘柄に投資します。
なお、「InsightShares LGBT Employment Equality ETF」のティッカーコード(銘柄コード)はPRIDだそうです。LGBTの「PRIDE」をリスペクトするような、イキな計らいと言えます。
「Corporate Equality Index(CEI)」のように全企業に対して一斉に(LGBT施策を行なっていないところも含めて)調査を実施しているわけではありませんが、日本でも2016年から「PRIDE指標」という企業のLGBT施策の評価指標が運用されており、昨年は110社から応募があり、80社超が満点(ゴールド)を獲得しています。日本でも「InsightShares LGBT Employment Equality ETF」のようなLGBTフレンドリー(アライ)企業を選んで投資する(指数とする)タイプのETFを開発することが可能なのではないでしょうか。近い将来、そうした金融商品が登場し、話題を呼ぶかもしれないですね。
参考記事:
LGBTをサポートする企業に投資するETF(投信資料館)