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東京都の国際金融都市構想にLGBT施策明記へ
7月11日、東京都の「国際金融都市・東京のあり方懇談会」が開かれ、都が6月に発表した国際金融都市構想の骨子が報告されました。この中で、小池百合子知事は、6月に行った外資系金融機関CEOらとの意見交換会で、外国の人材が活躍できる生活環境の整備に向け、LGBT(性的マイノリティ)への取組みを充実させるべきだとの意見が出されたことを念頭に、「(LGBTを)都が受け入れる概念を入れるべきだ」と述べ、今秋にまとめる最終的な構想に加える考えを示しました。
懇談会の冒頭、小池知事が「この秋に策定する最終的な構想が『東京の金融ビッグバン』にふさわしい中身となるよう、積極的な意見をいただきたい」と述べ、出席者からは「実現に向けては優秀な人材の確保が欠かせない。雇用の制度設計を特区で提起してはどうか」「都民が変化を感じる金融サービスが、スピーディに出される仕組みが重要だ」などの意見が出されました。小池知事は「LGBT=性的マイノリティの人たちに対する施策の充実を求める声もあり、最終的な構想に項目を掲げてもいいと思う」などと述べました。
今回の骨子は、昨年11月に設置された懇談会の中間とりまとめを受けて作成されたものですが、今年1月に行われた第2回の懇談会では、投資家の谷家衛氏が「これはちゃんと確かめたわけではなくて聞いた話なのですが、テルアビブは LGBTの人たちを結構呼んで、それも結果すごくクリエイティブな街になった原因の一つと聞いたことがありまして、すごく面白いな、と思いました。マイノリティフレンドリー、LGBT の人たちはクリエイティブだと言われているので、そういう人たちを積極的に呼んでくるような街にするというのも面白いのではないかと思いました。ちなみに(サンフランシスコの)ベイエリアも LGBTの人の割合がかなり多いと言われています」と発言しており、こうした意見も汲み取って、最終構想にLGBTのことも明記すべきという知事の見解につながったものと見られます。
このニュースを受けてSNS上では、LGBTから「東京もこれから動いてくるぞー!!」「渋谷区のパートナーシップ条例を東京都全体の条例にするとか言うんじゃないの」「うーん。実際の記述を見ないと評価不可。海のものとも山のものとも…」「ドバイだってれっきとした金融都市だけど、ゲイの友人は行きたがらないもんな」などのコメントが上がっていました。
先日の都議選では、LGBTの活動家や団体などから「性的指向及び性自認に関する差別を禁止する条例の制定」「教育現場などでのLGBTに関する啓発」「同性パートナーシップ証明制度の東京都全体での導入」「(現状、東京都だけが禁止している)同性カップルが里親になることの承認」「同性カップルが都営住宅へ入居できるようにする」「HIV予防啓発の取組みを拡充していく」といった項目が挙げられ、主要政党や候補者に対してアンケート調査が行われていました(詳しくはこちら)
国際金融都市構想にLGBTのことが明記されるのは素晴らしいことですが、最終的にどのような文言になるのか、今後、こうしたLGBT都民が要望しているような諸課題にどこまで取り組んでいくのか、という点に注目が集まりそうです。
参考記事:
国際金融都市構想骨子で意見交換(NHK)
国際金融都市構想にLGBT対応明記へ(産経新聞)