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『AERA』がLGBTを大特集、弊社代表取締役の小泉もコメントを寄稿

 現在発売中の『AERA』2017年6月12日号で、メイン特集としてLGBTがフィーチャーされています。『AERA』は2015年9月14日号でも「LGBT あなたに会えて未来が開けた」という小特集を組んでおり、表紙の『AERA』のロゴのAがレインボーに彩られたほか、ティファニーがゲイカップルをフィーチャーした広告も掲載され、インパクトを与えました。今回は満を持しての大特集となっています。
 
 これまでのLGBT特集とは趣が異なり、少なからず「闇」感のある表紙に「LGBTブームの嘘」という刺激的なコピーが大きく載っていて(レインボーカラーもなく)、実際にページをめくってみると、特集のタイトルは「LGBTブームという幻想 虹のふもとにある現実」で、そこに「企業はこぞって多様性の重視を喧伝、制度整備が進む自治体も増えつつある。だが、虹色の輝きに、見落としているものはないか。LGBTフレンドリーの正体を探る」というリードがつけられていました。
 これまでありがちだった、きらびやかで、マーケット的に有望そうなLGBT像とは一線を画し、LGBTが未だに直面しているシリアスな現実や、これまで語られてこなかった「不都合な真実」を明らかにするような内容です。 
 
 上川あや世田谷区議をはじめ、複数の当事者の方が「興味深い」「有意義」と評しているのが、「「フレンドリー」は虹の彼方に 本誌独自調査で見えた自治体対応の実態」という記事でした。『AERA』編集部が東京都(島嶼部除く)と全国の政令指定都市および道府県庁所在地の計104の自治体にアンケートを実施し、全国の自治体の多くが、LGBT支援に対して消極的で受け身であること、「とてもフレンドリーとは言えないお寒い状況」を浮き彫りにしました。積極的にLGBT支援に乗り出さないのは「当事者からの要望がないから」という回答も多かったのですが、弊社社外取締役でNPO法人虹色ダイバーシティ代表の村木真紀は「当事者にはカミングアウトの壁があり、自治体からポジティブなメッセージを出さないと、なかなか声を上げられない」と指摘しています。実際、大阪市淀川区ではLGBT支援宣言の前はほぼゼロだった電話相談が年間1000件になったそうです。
 同記事の後半では、ホテルの差別的な対応に焦点が当てられています。東京五輪を控え、海外から東京を訪れるLGBTを受け入れる態勢づくりが求められるなか、石川大我豊島区議が2015年に区内のホテルに調査をしたところ、約半数の75施設がゲイカップルのダブルルーム利用を断ると回答し、旅館業法違反に当たるとして区から指導を行うことになりましたが、今年5月に『AERA』が再度調査したところ、それでも28施設がゲイカップルの宿泊を拒否すると回答した、なかには2倍の宿泊費を請求するという施設もあったそうです。弊社代表取締役の小泉伸太郎は「LGBTは決して特別扱いされたいわけではないですが、ストレスなく利用できる施設や安心できる場所を求めています。今は「何が失礼にあたるのか」ということさえ理解されていないことが問題で、宿泊施設や観光地の方々は、少なくともLGBTについて研修で学ぶことが大切と言えるでしょう」とコメントしています。
 同記事内のコラムで、熊本で啓発活動に携わる今坂洋志さんという方が、「地方で(LGBTについて)講演会をすると、最初は嫌悪感まるだしだった聴衆が、最後には「これからは接し方を変える」と言ってくれる。正しい情報を伝えていくことで、地方は確実に変わる」と語っていたのも印象的でした。

 ブームとして煽られるような表面的できらびやかな「フレンドリー」ではなく、実態はこんなにシビアですよ、問題山積みですよ、と提示しながら、ここからやっていかなきゃいけないよね、という、ある意味での前向きさ、骨太な知性を感じさせる特集でした。
 19ページにわたる読み応えある記事ですので、ぜひお買い求めのうえ、じっくり読んでいただければと存じます。
 

『AERA』2017年6月12日号
朝日新聞出版/390円

大特集「LGBTブームという幻想」
<目次>
トランスジェンダーとゲイの異色カップル対談 能町みね子(漫画家)×サムソン高橋(ライター) 
「おネエ」しかいらない LGBTはメディアでどう扱われてきたか
ひとつではない政治意識 LGBTだからリベラルというわけではない
「フレンドリー」は虹の彼方に 本誌独自調査で見えた自治体対応の実態
「いない」のではなく「見えない」だけ 小中学校教員の半数以上がLGBTを知らない
それでも愛して育てたい 同性カップルが我が子と育む家族
誇りは持てた どう老いるのか ロールモデルなきLGBTの老後

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