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岐阜県関市が印鑑登録証明書をはじめとする78の公文書の性別記載を削除することを発表
岐阜県関市は昨年、LGBT支援宣言を発していましたが、このたび、トランスジェンダーの方への配慮として印鑑登録証明書の性別欄を削除する条例改正を行い、14日から施行されています。岐阜県内では初めて、性別欄を削除した印鑑登録証明書の発行が始まりました。
印鑑登録証明書の性別欄削除対応は、当面、希望に応じて職員が男女別の記載を消して交付するかたちとなりますが、来年5月頃にはシステム対応が完了し、コンビニでの発行も可能になるそうです。県内では坂祝町でも、来月1日から性別欄のない印鑑登録証明書の発行を始めるほか、八百津町も印鑑に関する条例の改正と情報システムの変更を行う予定です。
条例改正に合わせて関市では、公文書を調査し、就学援助費や療養費などさまざまな申請書、各種アンケートなど210の文書に性別欄の記載があり、うち77の文書の性別が不要で、削除できることがわかったそうです。すでに職員採用試験の申込書や受験票など14の文書の性別欄は削除を決め、規則や要綱改正が必要な63文書についても来年度中に見直す方針です。
同市では今年3月、通称「モネの池」の名で人気の観光スポット「名もなき池」の近くにトランスジェンダーの方でも使いやすいような配慮がなされた多目的トイレを設置したほか、27の公共施設の61ヶ所の多目的トイレを「みんなのトイレ」の呼称で統一する対応を実施しています。
また、6月には、市職員互助会の規約を改正し、同性カップルが事実婚をした場合、結婚と同額の祝い金を給付することとしました。パートナーのどちらかが亡くなった場合の弔慰金も、祝い金の給付を受けたカップルであれば支給されるようになります。
さらに、「イチから学ぼう」と題したLGBTへの理解を求める小冊子を製作し、市内の全中学と高校に配布しました。今後も市民に理解を呼びかけていく方針です。
尾関健治市長は「まずは知ること。そこから思いやりは生まれてくる。できることから取り組んでいきたい」と語っています。
参考記事:
性別欄ない印鑑証明…関市が発行開始(読売新聞)
岐阜)関市が78公文書の性別記載を削除へ(朝日新聞)