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連合が「性的指向及び性自認に関する差別禁止に向けた取り組みガイドライン」を発表しました

 11月16日、連合が「性的指向及び性自認に関する差別禁止に向けた取り組みガイドライン」を発表しました。
 
  「はじめに:なぜ労働組合が取り組むか」では、こう述べられています。
「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、雇用の場面などにおいて、具体的な性的指向や性自認に関する差別禁止を打ち出した「持続可能性に配慮した調達コード」を発表」したり、自治体として同性パートナーシップや性的指向・性自認に関する差別禁止を盛り込んだ条例を制定するところもあり、「そうした社会全体の動きを受け、職場における新たな制度の導入や、研修、あるいは企業・団体としてキャンペーンなどに参加する動きも見られますが、一方で、差別事例や訴訟なども頻発しており、系統的に課題が認識され、対策が取られているとは必ずしも言い難い状況にあります」
「連合は、2016年3月の中央執行委員会において「性的指向及び性自認に関する差別禁止に向けた連合の当面の対応について」を確認しました。この方針では、あえて特定のマイノリティ(少数派)を表す言葉である「LGBT」を打ち出さず、多数派も含めたすべての人が持つ属性としての「SOGI」を前面に押し出しています。日本ではやや馴染みの薄い言葉ながら、2006年のジョグジャカルタ宣言以降、国際社会で新たに使われ始めた「SOGI」をあえて使用した背景には、この問題を特定の人びとにのみ配慮が必要な課題としてとらえるのではなく、すべての人の対等・平等、人権の尊重に根ざした課題としてとらえるべきであるという、国際的潮流に則った大きな考え方があります。連合は、この方針にもとづき性的指向や性自認に関する差別を禁止する法整備を進めるとともに、就業環境改善等に関する取り組みを進めることとしています」
「2016年8月に実施した職場の状況に関する実態調査では、職場における差別を8割以上の人が「なくすべき」であると考えていることが浮き彫りになりました。また、「ハラスメント防止対策」や「差別禁止の方針を明らかにする」こと、あるいは「いわゆる『トランスジェンダー』に対する配慮」等、関連する施策の職場におけるニーズがあることも明らかになりました」
「そこでこの度、これまでの方針や調査結果を踏まえ、具体的な職場における取り組みを促進すべく、労働組合の立場から押さえておくべきポイントをまとめた「ガイドライン」を策定することとしました。職場において、すべての人が性的指向・性自認に関して差別されることなく、安心安全な環境で、平等に働くことができるよう、このガイドラインをご活用ください」

 このガイドラインは、性的指向および性自認(SOGI)の観点から、性的指向・性自認をめぐる職場における課題と背景(LGBTだけがハラスメントを受けているわけではない、性的指向・性自認に関する差別やハラスメントの実態など)、性的指向及び性自認に関する労働組合の取組み(差別禁止の方針の策定と周知、ハラスメント対策、相談体制の整備、雇用管理のステージごとの取組み、安全衛生関係)、具体的な環境整備と当事者支援のあり方(支援グループ等の体制整備、福利厚生や休暇に関する課題、男女別取り扱いにより生じる困難など)についてまとめたものになっています。アウティングの問題などにも触れられているほか、法律で定められているところ(男女雇用機会均等法、人事院規則のセクハラ防止規定)や、これまで厚労省が示してきた判断(保険証の通称名使用について)などもコラムで紹介されていて、SOGIについての考え方、現状の問題点、重要なポイント、最新情報などが的確に盛り込まれています。

 ぜひ一度、目を通していただければ幸いです。

性的指向及び性自認に関する差別禁止に向けた取り組みガイドライン」(PDF)

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