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衆院選に関してLGBT法連合会が政党・候補者へのアンケートを実施しました
今般の衆院選に関して、LGBT法連合会が賛同団体の協力を得て政党・候補者へのアンケートを実施してくださり、調査結果が下記に掲載されました(これからも投票前日まで、政党・候補者の回答は順次追加されていくそうです)。1000人近い候補者に調査依頼…本当に大変だったと思います。尽力に頭が下がります。
◎政党調査結果
http://lgbtetc.jp/news/773/
<質問>
問1 LGBTに関する課題全般に人権問題として政府が取り組んでいくことをどう思うか
問2 SOGIにかんする人権を保障する法制度の制定について
問3 LGBTの権利確保に関する各政策について A教育、B就労、C医療、D行政、E民間、F政府
問4 同性カップルのパートナーシップ制度、同性婚について
問5 性同一性障害特例法の見直しについて
各党(回答が来ている政党)の回答がインフォグラフィックで表されていて、見やすいです。
◎候補者調査結果
http://lgbtetc.jp/news/753/
<質問>
問1 個人の選挙公約に、何らかのLGBT支援・権利確保政策は含まれているか
問2 個人としての、LGBT当事者への接し方について。ご家族や友人からカミングアウトされたら、どうなさいますか?
問3 LGBT支援政策の下記の①-⑦の課題各々に関して、法制度や行政がどのように対応すべきか
① 性的指向・性自認と、LGBT当事者の直面する困難について、広く社会に教育・啓発を行う
② 学校教育において、多様な性を学習する事を通じて、LGBTへのいじめ・差別を防止する
③ 国・自治体の各レベルで、LGBT(性的指向・性自認に係る)の困難解消に向けた、基本計画を策定し実施する
④ 学校・職場における、LGBTへのいじめ・ハラスメントの防止体制を確立する
⑤ 困難を抱くLGBTに対する、相談・支援の仕組みを、学校・職場等に整備する
⑥ LGBTに対する(性的指向・性自認に係る)、差別や不利益取扱いを防止・禁止する法律やルールを制定する
⑦ 施設・職場・学校等にて、LGBTに配慮した、サービスや施設面の対応を推進する
問4 同性カップルのパートナーシップ制度、同性婚について
問5 貴殿が当選した暁には、様々な困難に直面するLGBT当事者を支援する為、ひとりの国会議員としてどのような事が出来るとお考えでしょうか? ご自由にお書き下さい。
各候補者の回答がPDF化され、そのまま見ることができます。
このほか、一般の選挙サイトでも、LGBT関連の質問を設けているところが若干ありましたので、ご紹介します。
1つめは、「朝日新聞×ANN 2017 衆院選」。朝日新聞社と東京大学谷口研究室の共同調査で、選挙区ごとに、各政党・候補者のスタンスがわかります。政党の比較のところは特にLGBT関連の政策は含まれていなかったのですが、各候補者の考え方の政策項目の中に、同性婚(「男性同士、女性同士の結婚を法律で認めるべきだ」)が含まれていました。
2つめは、「JAPAN CHOICE」というサイトで、政党ごとに政策を比較するところに「LGBT政策」という項目がありました。
政党の選挙公約(マニフェスト)はどうでしょうか?
昨今、ほとんどの党が、選挙公約(マニフェスト)や政策パンフレットの中でLGBTについて触れています(感慨深いものがあります)
自由民主党は、「3 安全安心」の中で、「性的指向・性自認に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の制定を目指す」としています。
立憲民主党は、「3 個人の権利を尊重し、ともに支え合う社会を実現します」の5項目のトップに「LGBT差別解消」を掲げています。
希望の党は、「公約6 ダイバーシティー社会の実現」の中で「LGBTに対する差別を禁止する法律を制定する」と述べています。
日本共産党は、「9 女性への差別、格差をなくし、人権をまもり、自由と民主主義を発展させます」の中で、「LGBTをはじめ誰もが個人として尊重される社会に ――LGBT(性的マイノリティー)に対する差別と偏見をなくし、権利をまもります」と謳っています。
社民党は、「6 人権の花開く社会へ」の中で、「性的マイノリティへの偏見解消に取り組み「LGBT差別禁止法」を制定します。同性婚についても実現を目指します」と謳っています。
候補者の中に今回、オープンリーLGBTの方はいらっしゃるでしょうか?
元参議院議員の尾辻かな子さんが立憲民主党公認で大阪2区から出馬します。
また、今回の選挙に関連するトピック(ニュース)がいくつかあります。
愛知県のLGBT団体「レインボーなごや」が、投票所での本人確認時に性別やフルネームを読み上げることで戸籍上の性別と見た目が異なる方が苦痛を覚えることもあるので、配慮をお願いします、と愛知県や岐阜県の選管に申し入れを行ったそうです。愛知県の選管では投票所では性別欄の確認はしない方針になった模様です。
それから、読売新聞の選挙関連連載の一記事「多様性 LGBT実態調査を」で、LGBTと人権、LGBTに関連する法制度という分野の第一人者とも言うべき谷口洋幸教授(高岡法科大学)が「差別や偏見から守られ、人権を保障してくれる法制度が必要だ」「選挙の争点は政党ではなく、国民それぞれが判断するものだ。関心のある問題に、政党や候補者がどう考えているのか、これまでの言動から冷静に見極める必要がある」と語っています。
すでに投票をお済ませの方もいらっしゃると思いますが、また、釈迦に説法かとは存じますが、10月22日(日)は必ず、投票所へお越しください。当日は、地域によっては台風の影響もあるかもしれませんので、期日前投票もご利用ください。毎日20時まで受け付けています。