GLOSSARY
LGBTQ用語解説
結婚の平等
同性カップルの権利を認めようとする動きは、1970年代からカリフォルニア州で始まりました(「ドメスティック・パートナー」の権利を求める運動です)。国としては、1989年にデンマークが世界で初めて登録パートナーシップ法が制定され、シビルユニオンなど結婚に準じるような様々な法制度が欧米を中心に認められるようになり、2000年にオランダが世界で初めて同性の結婚を認めました。
現在では28ヵ国が同性どうしの結婚を承認しています。
(国や州が同性婚を承認したとしても、教会で結婚式を挙げる権利や養子縁組は認めなかったりするケースもあります)
欧米を中心に同性婚を認めようという運動が盛り上がるなかで、次第に「同性婚(same-sex marriage、gay marriage)」というよりもむしろ「結婚の平等(marriage equality)」である、という考え方が広まってきました。男女の結婚と区別された何か特殊な結婚の形があるのではなく、異性だろうと同性だろうと誰でも、憲法の精神(平等権など)に照らしてすべての人に結婚の権利を平等に認めるべきであるという考え方です。「たとえシビルユニオンで実質的な権利がすべて認められたとしても、結婚できない以上、同性愛者は二級市民に貶められているのだ」という声が強くなり、現在では、「結婚の平等」を掲げる運動が主流になってきています(台湾の「婚姻平権」という言葉のように)
国が結婚の平等を認める道筋としては、・国会で承認される(民法の「男女」と限定する記述が改正されるなど)、・憲法で承認される(国民投票で改正されるなど)、・最高裁や憲法裁判所が同性婚を認めないのは憲法違反であると判断する、という3つのいずれかになります(大統領や政府が主導することもありますが、国会や国民投票での承認を経ずに強行するということはまずありませんので、結局は上記のいずれかに当てはまります)。アメリカ、ブラジル、台湾、エクアドルなどは、最高裁や憲法裁判所の判断で認められたケースです。日本でも2019年2月、「結婚の自由をすべての人に」訴訟が始まりました。