GLOSSARY
LGBTQ用語解説
ピンク(ピンクトライアングル)
ピンク(ラベンダー・ピンク)は、レインボーカラーと並び、世界的に広く用いられているLGBTQのシンボルカラーです。
ナチスのホロコースト政策で強制収容所に入れられた人たちは、胸に三角形や星型の識別胸章を着けさせられましたが、ゲイ(バイセクシュアル男性やトランス女性を含む)はラベンダー・ピンクの逆三角形、レズビアン(を含む「反社会的な女性」)は黒の逆三角形を着けさせられました。1万人とも60万人とも言われるLGBTQが収容所で組織的に虐殺されました。収容所の生き残りの人たちの多くがそうであったように、生き残ったLGBTQも戦後、口をつぐんでいました。また、収容所を出て家に戻っても、当時の欧州の国々はどこも同性愛を違法と見なしており、彼らは戦後補償も受けられず、周囲に真実を語ることもできずにいました。しかし1972年、ハインツ・ヘーガーというゲイの生き残りの方が『ピンク・トライアングルの男たち―ナチ強制収容所を生き残ったあるゲイの記録 1939-1945』という本を発表し、大きな反響を呼び、これがきっかけで、亡くなったLGBTQへの追悼として、ホモフォビアへの抵抗として、ピンク・トライアングルを(当時の言葉で言う)ゲイ解放運動のシンボルとしようという運動が高まり、世界中に広がりを見せました。アムステルダムには、迫害を受けた同性愛者を追悼するためのピンク・トライアングルの記念碑が建立されています。
1978年にレインボーフラッグがデザインされ、PRIDEのシンボルとしてはレインボーカラーのほうがメインになりましたが、ピンクもまた、LGBTQのシンボルカラーであり続けています。シンガポールがパレードの代わりに開催している「ピンクドット」もそういう意味です。
LGBTQの購買力・消費規模を表す「ピンクマネー」や、など、LGBT関連で「ピンク」という言葉が使われることが多いのも、ピンクがLGBTQのシンボルカラーだからです(アダルト的な意味ではありませんので、誤解されませんよう)