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レポート:岸和田レインボーパレード2024
3月3日、大阪府岸和田市で、第2回岸和田レインボーパレードが開催されました。天気にも恵まれ、参加者のみなさんは晴れやかに岸和田駅前や岸和田城の周辺をパレードしました。今年もVENさんによるレポートをお届けします
2024年は日本でプライドパレードが初めて開催されてから30年のメモリアルイヤーです。1994年、東京から始まったパレードは、今では全国各地で開催されるようになりました。そんなメモリアルイヤーである2024年のパレードは、大阪府岸和田市からスタートしました。
昨年のレポートでもお伝えしたように、このパレードは、岸和田の津田育久子さんをはじめとする助産師さんや医療従事者のアライの方たちの団体「レインボーカフェin岸和田」が主催しています。当事者の居場所づくりの役割も果たすような集まりを定期的に設けたり、各地のプライドに参加したりという活動をしてきたなかで、地元の岸和田でもパレードをやろうということになったものです。
2024年3月3日(日)、快晴の中、全国から集まった方々がパレードしました。
前日の予報では気温も低く、「寒さ対策を」と公式Xではアナウンスされていましたが、日差しが暖かい日となりました。
パレードのコースは昨年より長く、岸和田市社会福祉センター→岸和田駅→天神宮前→沼町→岸和田市役所→岸和田城→城見橋→岸和田駅→岸和田市社会福祉センターとなりました。
パレードの前に、代表の津田さんがパーソナリティを務めるラヂオきしわだの「あなたのそばにいつも助産師がいます」(毎週日曜13:00〜13:30)という番組のパレード直前生放送がオンエアされました。ゲストは作家のりゅうこころさん(著書「きみのとなり」など)、京都レインボープライド代表でミュージシャン(映画「風が通り抜ける道」挿入歌「ニライカナイ」歌唱など)のLOYさん、京都レインボープライド実行委員でミュージシャン/ラジオパーソナリティのSHIKIさん。リスナーさんへ向けた熱いトークでした。
パレード集合会場の岸和田市社会福祉センターでは、その放送を聴きながらパレードについて説明がなされていました。
パレード出発の時間が近づき、社会福祉センターの前で参加者のみなさんが整列を始めました。岸和田レインボーパレードのスタッフは、ほとんどが助産師さんや看護師さんなど医療従事者の方たちなのですが、みなさんの連携が素晴らしく、見とれてしまいました。お子さんや、車椅子でご参加の方々にも配慮されていました。
14時になり、いよいよパレードがスタート! 今回もカメラマンの秋山理央さんが取材にいらしてました。
約70名の方たちが社会福祉福祉センターからラヂオきしわだ前を通り、岸和田駅に向かいます。岸和田駅辺りには人がたくさんいて、パレードを見ていました。今年もマイクなし、音楽なしで、代表の津田さんが「HAPPY PRIDE」「同性婚ができるようにしてください」「LGBTQ+に理解を!」などと声を張り上げて訴えました。今年は強い味方もいて、大阪のレインボーフェスタ!のゆいにゃんサルヴァドーレ・忍者さんがメガホンを持って熱くスピーチしていました。
パレードは岸和田駅から天神宮前を通り、岸和田市役所前へ。岸和田市はパートナーシップ制度は導入していないため、大阪府だけでなく市でも導入を、と訴えました。岸和田城に差しかかり、岸和田城の周りをぐるっと歩く感じでパレードします。観光客も多く、なかにはお城の上から手を振ってくれる人もいました。日差しが強く、汗ばむほどの陽気でした。
再び岸和田駅に向かいます。途中、すれ違った方が突然うずくまり、スタッフの方が駆け寄って声をかける場面もありました(さすがは医療従事者。頼もしいです)。パレード参加者のみなさんは岸和田駅を抜けて、社会福祉センターへとゴール。約1時間のパレードでした。
パレード後は社会福祉センターで懇親会が開催されました。参加者のために三色団子、イチゴ大福、手作りおにぎりなどが用意されていました。
私が司会を務めさせていただき、今年も東京から駆けつけてくださった参議院議員の石川大我さん、TransgenderJapanのみなさん、京都レインボープライドのみなさん、チーム紀伊水道のみなさんのほか、地元・岸和田の方々などがスピーチしました。
以前津田さんのラジオ番組に出演してくれて、その際、岸和田の道は排水のために真ん中が高くて両端が低くなっているため車椅子ユーザーの方がバランスを崩したりする懸念など、レインボーパレードのバリアフリーについて提案し、そのおかげで車椅子を押すサポーターの手配につながったシャンシャンさんという留学生の方も参加してくれました。
また、同様に津田さんのラジオ番組に以前、トランス男性向けアンダーウェア「エスパン」を手がけるソルーナエスペランサの友空さん&翔也さんも出演してくれたのですが、昨年のパレードでトランス男性の方がたくさん参加していたこともあり、今回、お願いして見本やチラシを送っていただいたのですが、お二人がパレード参加者のために特典をつけてくれたりということもありました(お二人は来られなかったのですが、私が紹介させていただきました)
こうして30周年メモリアルイヤーのトップバッターとなる岸和田レインボーパレードが無事に終わり、「虹のバトン」は次のパレードへと渡されました。果たして今年は何回パレードが行なわれるのでしょう。楽しみです。
最後に、ちょっと素敵なお話をお伝えしたいと思います。パレードの日の夜、代表の津田さんが赤ちゃんを取り上げました(出産を介助しました)。津田さんは、いつも赤ちゃんを取り上げると「自分の性別は自分で決めるんやで」と語りかけるんだそうです。
プライドパレード30周年メモリアルイヤーの最初のパレードの夜に生まれた新しい命。幸多き人生になることを祈ります。
今年はきっと熱い一年になるに違いないと思いました。
(取材・文:VEN)
VEN
岐阜県在住のゲイ(50代)で、1994年の日本初のプライドパレードから現在に至るまで、全国で開催されるプライドパレードのほとんどに参加し、自身のPRIDEを示しながら地方のパレードも応援してきた方で、その参加回数は100を超えています(おそらく日本一)。2006年の第10回レインボーマーチ札幌のステージでは、全10回に参加したとして「皆勤賞」を授与されています。「愛知・岐阜にパートナーシップ制度を求める会」や「性別や性的指向・性自認に基づく差別を根絶する愛知アクション」にも参加しています。2023年6月21日の朝日新聞「ひと」にも登場しました。
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