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レポート:高知にじいろパレード

11月30日、高知県で初となる「高知にじいろパレード」が高知市で開催されました。天候にも恵まれ、全国から集まった約140名の方たちが高知の街を笑顔で行進しました。VENさんによるレポートをお届けします

 こちらのニュースでもお伝えしたように、2024年11月30日(日)、高知県で初となる「高知にじいろパレード」が開催されました。NPO法人レインボー高知が主催し、今年6月にパレード開催が発表されていました。高知県内にもLGBTQ+の人がいること、高知の同性パートナーシップ証明制度について知ってもらいたいということでパレード開催に至ったそうです。

 当日は青空が広がる小春日和。絶好のパレード日和でした。
 集合場所は高知城下の丸の内緑地です。集合時間より少し早めに行くと、スタッフの方々が受付の準備やブースの準備をされていました。日陰は肌寒いものの、ひなたは陽射しが強く、暑いくらいでした。
 だんだん参加者が集まってきます。県内だけでなく、関西や関東からもいらしていました。
 東屋に受付ブースがあったほか、レインボーカラーの天使の羽のフォトスポットも設けられていました。





 オープニングのスピーチは特になく、12時50分にひろめ市場前に集合してください、と受付でアナウンスされました。受付では、注意事項の他に、レインボーフラッグやグッズが配られていました。
 12時50分、参加者の皆さんがひろめ市場前に集まりました。整列がはじまり、13時にパレードがスタートしました。
 観光名所のひろめ市場前→帯屋町の商店街・はりまや通り→高知駅→帯屋町→ひろめ市場前というコースを歩きました。
 先頭には横断幕を持った実行委員の方々。その後ろに、高知出身の暁プロジェクトの大久保さん、この春、FTMマガジン「LapH」の表紙を飾った東郷潤さん&東郷結香さん。結香さんも高知の出身とのことで、マイクアピールを急遽任され、「Happy Pride」「高知にもLGBTQ+はいます」など、持ち前の明るさでアピールしていました。その他、大阪の井上ひとみさん&瓜本淳子さんカップルやTransgender Japanの方、広島のここいろの方々、北海道北見市の方々、石川大我さんなども歩いていました。
 商店街では、両サイドから手を振ってくれたり、声援を送ってくれたりする方々がいて、温かい雰囲気でした。
 パレードは帯屋町の商店街を抜け、はりやま通りを高知駅方面へ進んでいきます。路面電車も走り、車道は土曜日の午後ということで、交通量もありました。パレードは歩道を歩いて行き、すれ違う自転車や歩いている方々の反応も良く、「頑張ってください」とか「(訴えることは)大事なことですよね」と声をかけてくれました。
 高知駅前に到着。三志士像前を通り、ロータリーを一周して折り返し、帯屋町商店街へと進んで行きます。マイクアピールも続いています。結香さんの明るいアピールが明るい雰囲気となり、笑顔がいっぱいの明るいパレードになっていました。路面電車や車、バス、ビルやお店の中からも手を振ってくれます。
 高知橋の上ではレインボーフラッグを持った方々が待っていて、応援してくれました。
 パレードは再び、帯屋町商店街へ入っていきます。ゴールまであと少し。アピールにも力が入ります。商店街のみなさんの反応も良く、1時間以上歩いた疲れも吹き飛んでいきます。
 そして、ひろめ市場前にゴール。丸の内緑地まで戻り、暫しの休憩。暑いくらいでしたので、喉も乾きました。
 広場には高知県内の同性パートナーシップ証明制度導入自治体の紹介やLGBTQ+の基礎知識などのパネル展示もされていました。



















 14時40分、ステージイベントがスタートしました。
 最初に浜田省司高知県知事のスピーチがありました。「LGBTQ+の方々を含め、高知県から出て行った人や、高知県に移住してくれる人が増えるような、誰もが住みやすい高知県にしていきたい」とおっしゃっていました。

 続いて、高知市立愛宕中学吹奏楽部のみなさんの演奏。「世界に一つだけの花」「テキーラ」など4曲を披露。「テキーラ」では会場からかけ声も。素晴らしい演奏でした。

 続いて、室戸の土佐勇魚太鼓のみなさん。迫力ある演奏を聴かせてくれました。また、腹筋太鼓には惚れ惚れしてしまいました。


 続いて、レインボー高知代表の宮田さん、副代表の門田さん、アイルランド出身の方、カナダ出身の方(先程まで太鼓の演舞もしていました)、実行委員の方によるトークショーが開かれました。アイルランドご出身の方は、レインボー高知のおかげで生活がしやすいとおっしゃっていました。カナダ出身の方は、ご家族にカミングアウトした時のお話や、当時住んでいたカナダの小さな街でパレードを開催し、1000人が集まったこと、家族の支えに感謝しているといったお話をしてくれました。そして、たとえ家族に理解してもらえなくても、コミュニティに助けられることもあるとおっしゃっていました。レインボー高知の宮田さんは、車椅子ユーザーになった時に友人に支えられた、ある時友人の同性カップルが家族として認められない現実を知り、パートナーシップ制度導入の必要性を訴えるために署名活動を始めたと語りました。今回のパレード開催は怖かったが、いろいろな人との出会いがあり、開催に向けて準備を始めたそうです。副代表の門田さんは、いろいろなことをやってきて、いろいろなことが叶い、パレードも開催できたと感慨深く語っていました。そして、宮田さんが「ムチャブリします」と言って客席にいた高知出身の大久保暁さんを呼び、学校で講演をして感じることを話してもらいました。「同性婚はなぜできないのか?と生徒に聞かれる。子どもたちの方が理解している。反面、LGBTQ+に偏見がある生徒がいるのも現実。講演を通して理解を進めていきたい」と語っていました。続けてカラフルブランケッツの井上ひとみさん&瓜本淳子さんも「ムチャブリ」され、「全国で「わたしたちだって"いいふうふ"になりたい展」を開催している、四国でも開催している、開催を通して同性婚実現を目指したい」と語りました。熱いトークショーでした。みなさんのトークの言葉のひとことひとことに重みを感じました。
 来年もパレードを開催したいと宮田さんがおっしゃっていました。


 今回のパレード、実行委員の方々のチームワークが素晴らしくて、感動しました。きっと来年も素敵なパレードが開催されると思います。
 パレードの後は、アフターパーティも開催され、盛り上がったそうです。



 なお、同じ四国の愛媛では来年3月8日(土)に「えひめプライド」が初開催されます。クラウドファンディングも行なわれています。よろしければご協力ください。

(取材・文:VEN)

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