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レポート:レインボーフェスタ!2024(1)

10月26日(土)27日(日)、レインボーフェスタ!2024が扇町公園で開催されました。天候にも恵まれ、過去最多となる64,000人が豪華ゲストのステージパフォーマンスや広場に並んだたくさんの出展ブースを楽しみました。前後のイベントも併せ、1日目のレポートをお届けします

 2024年10月26日(土)27日(日)、10回目を記念するレインボーフェスタ!2024が「十人十色~これからも+(プラス)の虹をつなげよう」をテーマに扇町公園で開催されました(関西レインボーパレードは2006年から始まりましたが、扇町公園でレインボーフェスタ!として開催されるようになってから10回目を迎えました)。昨年、一昨年とパレードの日に雨が降るという残念な天気が続いていましたが、今年は10回記念を祝うかのように、天候にも恵まれました(両日とも雨が降らなかったのは実に8年ぶりだそうです)。こちらのニュースでもお伝えしたように本当にたくさんの豪華ゲストがステージに登場し、参加者のみなさんを楽しませてくれました。また、広場には旅行関係のパビリオンをはじめたくさんの出展ブースが並び、パレードも晴れやかに開催されました。こうして2日間にわたって開催されたレインボーフェスタ!2024は、過去最高となる64,000人が参加し、パレードも過去最多となる3,700人が歩き、大成功のうちに幕を閉じました。コンテンツ盛りだくさんなので1日目、2日目と2回に分けてレポートをお届けします。なお、1日目はレインボーフェスタ!前後に行ったイベントも併せてレポートさせていただきます。
(取材・文:後藤純一)


日本初のLGBTQ+センターパネル展
 
 11時からスタートするレインボーフェスタ!の前に、中之島図書館で開催されていた日本初のLGBTQ+センターパネル展「LGBTQ+センターってなんやろ?」を見てきました。

 中之島は2006年〜2012年に開催された関西レインボーパレードの出発地点でした。土佐堀川側の公園に立つ女神像の辺りが集合場所で、そこに行くとレインボーカラーの風船を持った参加者のみなさんが集まっていて、パレード前のワクワク感が辺りにきらめいていたのを懐かしく思い出しました。
 今回の展示会場である中之島図書館は、ちょうどその女神像の北側に隣接している、歴史や風格を感じさせる建物です(ネオ・ルネサンス式の建物で、図書館としての開館は1904年だそう。国の重要文化財です)。プライドセンター大阪のレインボーカラーののぼりが立っている1階から入り、階段を昇って2階に行くと、パネル展の会場がありました。
 奥側はプライドセンター大阪の展示で、性的マイノリティの様々なフラッグの解説などもありました。それから、大阪のdista、東京のakta、プライドハウス東京レガシー、ダイバーシティキャリアセンター、前橋のまちのほけんしつ、名古屋のrise、松山のカラフルドットルーム、福岡のコミュニティセンターhacoなどのパネルが展示されていました。大阪のTsunagary Cafe、カラフルブランケッツ、あべのLGBT食堂(天王寺・あべので月1回開催されているごはんイベントだそう)なども紹介されていて、大阪にはこんなにいろいろな居場所(セーフスペース)がつくられているのだなぁと、初めてわかり、学びになりました。パネル以外にも各センターのチラシや資料なども置かれていました。
 朝早かったので特に混雑はしていなかったのですが、その分、ゆっくり見ることができました。







レインボーフェスタ!:広場を埋め尽くすたくさんの出展ブース

 北浜駅から地下鉄に乗って、扇町駅に到着。関テレを通って地上に出ると、扇町公園がたくさんのブースで埋め尽くされ、すでに来場者でにぎわっている様子が見えました。


 まずは、広場にたくさん並んでいた出展ブース(の一部)をご紹介します。今年はIGLTA総会があった関係で、広場の真ん中に観光関連のブースが多数集まるパビリオンが出現していました。

































レインボーフェスタ!:ステージイベント
 
 11時、ステージでシンガーソングライターのボンバー☆チャマタソさんのライブが始まりました。大人気の「ごはんがおいしいナァ!」をはじめ、「Sentimental Boy」「あ、アレは宇宙人!地球にやってきた!」「Oh パンプキン☆」「バナナは腐りかけが一番うまい!」と5曲も歌ってくれるという大サービスっぷりでした。


 司会の方たちが登場し、開幕のご挨拶をしました。いつもの桜井秀人さん&ゆいにゃん・S・忍者さんに加え、今年はななせさん、こつみさんも司会に加わり、4人になったとアナウンスされました。


 続いて作詞・作曲・ボーカル・ダンスまでこなすオールマイティアーティスト、KeNyo!さんのパフォーマンス。「男は男らしく 女は女らしくそんな時代に終わりを告げよう」と歌う「Be myself」などのオリジナルソングのほか、ガガのテレフォンなどカバー曲のメドレーも披露。素晴らしくクィアでよかったです。




 続いて関西出身のメンバーでJ-POPのカバーを中心にVocal&Danceグループとして活動している「ReSTA*」のみなさんが登場。昨年は法被&鉢巻というお祭り風の衣装でしたが、今年はオーバーオールでかわいく見せてました。いつものようにみんな大好きなあの曲やあの曲をさわやかに元気よく歌い、踊りつつ、今回はバラードも披露し、オーディエンスを魅了していました。



 JPN(全国プライドネットワーク)のみなさんが壇上に上り、一言ずつコメントしました。 






 そして新虹関西支部のみなさんによるエイサー演舞が披露されました。ステージ上で三線を弾きながら歌う方、大小の太鼓を持って踊る方、太鼓を持たずに踊る方、ちょんだらーという場を盛り上げる道化的な方のほか、大きな旗を持つ方もいて、旗の周りをぐるりと囲むような感じで踊ったりという演出が新しいなぁと思ったりしました。人数も多く、広場を広々と使った勇壮な演舞で、迫力がありました。





 それから、LGBTQとアライが共に創るダイバーシティなファッションショー「関西アライモ」のレインボーフェスタ!コレクションが展開されました。どれもオシャレで素敵だったのですが、後半の、多様なジェンダーのみなさんが生き生きとランウェイを歩くパートや、同性結婚式をイメージしたパートが特に素敵でした。




 オープンリー・ゲイのタレントである小原ブラスさん、先月戸籍性の変更が認められた若林佑真さん、YouTube「かなたいむ。」で人気のトランス男性・奏太さんが登壇し、トークを繰り広げました。小原さんが去年関テレに向かって仕事くださいとしゃべったら本当に仕事が来たと言って拍手を送られていたり、関西らしい、元気で明るいトークでした。(ここで、お昼&トイレ休憩に入らせていただいたので、後半のトークの内容は割愛させていただきます…そして、続く長崎アンナさんのパフォーマンスに間に合いませんでした。すみません)


 大阪が生んだソウル・ディーバ、大西ユカリさん。昭和歌謡とR&Bを融合させた音楽で人気を博したと思いますが、そのライブは、実にソウルフルでブルージーで素敵でした。懐かしの「釜山港へ帰れ」とかも歌ってくれました。熱いファンのみなさんも駆けつけ、盛り上がっていました。



 「GOLD」という歌が今年の公式テーマソングにもなっている和-IZUMI-さん(1992年、橘いずみとしてデビューし、「失格」「永遠のパズル」などがヒット)。うまくやっていけないダメな自分のことを歌いながら時代や社会の不条理を浮き彫りにするような、弱者の方たちにエールを送るような歌の数々からは「闘う女性」の姿が感じられました。そして、そんなIZUMIさんと共鳴するかのようにヒューマンビートボックス=ボイスパーカッションを響かせていたlynさんという方のパフォーマンスもちょっと衝撃的でした(人間がこんな音を作れるなんて…という驚きと、その表情と)。シビれました。魂のステージだったと思います。ハッピーとは真逆かもしれませんが、(例えばTRPに中村中さんが出演しているように)レインボーフェスタ!にIZUMIさんが出演してくれたことは素晴らしいと感じました。



 いよいよステージイベントも佳境に入ってきました。もはやレギュラーのように出演してくれている自称平均年齢70.5歳「絡んでくるアイドル」オバチャーンは、相変わらずの人気で、会場のみなさんもかぶりつきで楽しんでいらっしゃいました。東京から来られて初めてオバチャーンを見た方などもすごくウケてました。




 はるな愛さんはこの週、IGLTA総会の関連イベントに連日のように出演してくれていましたが、このレインボーフェスタ!では、みんなが待ち望んだあややショー(愛さんが有名になるきっかけとなった松浦亜弥さんのモノマネ的なリップシンクショー)をやってくれて感激!でした。もちろん「I・U・YO・NE~」や「えぇねんで」も歌ってくれました。パラリンピックに参加したときのお話も素敵でした。




 そして大トリは、今回のメインゲスト、愛内里菜さん。スターのオーラがスゴかったですし、声のハリといい、ライブパフォーマンスといい、MCといい、プロフェッショナルでさすがだと思いました。愛内さんはご存じ「恋はスリル、ショック、サスペンス」をはじめ『名探偵コナン』のオープニング曲を歌ってらっしゃるので、ダンサーさんがコナンくんと蘭さんのコスプレで、そんな格好でキレッキレで踊るのが素敵でした。本日のトリにふさわしい大盛り上がりのライブでした。




 愛内さんのライブが終わる頃には結構空も暗くなってきていて、締めのMCではやっぱりスポーツの日の三連休にやるのとは日の長さが違うよね、という話もしながら、また明日お会いしましょう!という感じで1日目が閉幕となりました。



堂山の夜

 パレードもその周囲を通る堂山町には100軒くらいのゲイやレズビアンのバー、「EXPLOSION」のようなゲイクラブ、(堂山の隣の兎我野町ですが)ドラァグクイーンのショーが楽しめる「do with cafe」のようなお店、そしてコミュニティセンターdistaなどがあり、西日本最大のLGBTQコミュニティを誇ります。
 この日の夜は、海外から来られたLGBTQのみなさんが大挙して「EAGLE OSAKA」に繰り出したようです(ドラァグイベント『OPULENCE』の前夜祭的なパーティだったそうです)
 私は堂山の老舗ゲイクラブ「EXPLOSION」での「EXPLOSION Happy & Crazy Halloween Party 2024」におじゃましました。SEXYなGOGO BOYSのショー、魅惑のドラァグクイーン・ショーに続き(やっぱり関西のクイーンさんは素晴らしいと再認識させられました)、恒例の仮装コンテストが行なわれました。参加者はハリポタだったりマライア・キャリーだったり小学生だったり(他の方たちは元ネタがよくわからず…すみません)実に多様な仮装で、一人ずつステージに上がり、MCのクイーンさんに褒められたりいじられたり(何度も笑わせていただきました)。とてもアットホームで楽しいイベントでした。
 アライのみなさんも行けるお店もありますので(今回のハロウィンパーティなどは絶好の機会だったかも)、いつか行ってみてください。

ジョブレインボー
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