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レポート:ぐんまレインボープライドパレード

10月6日、群馬県で初となるぐんまレインボープライドパレード」が前橋市で開催され、140名もの方たちが参加しました。VENさんのレポートをお届けします

こちらのニュースでもお伝えしたように、2024年10月6日(日)、群馬県前橋市で「ぐんまレインボープライドパレード」が初開催されました。その模様を(全国で最もたくさんパレードに参加している方である)VENさんがレポートしてくれました。

 
 2024年10月6日(日)、群馬県で初めてとなる「ぐんまレインボープライドパレード」が前橋市で開催されました。ぐんまレインボープライドパレードは「駅家(うまや)の木馬まつり」というお祭りと共同開催というかたちで行なわれました。
 
 実は昨年の金沢プライドパレードのときに間々田久渚(ままだひさな)さん=通称パパ田さんから「群馬でもパレードをしたいのですが、何月がよいですかね?」と相談されていて、「これだけ全国でパレードが開催されていると、日程がかぶるのは仕方ないと思いますよ」とお答えした記憶があります。それから約1年後、こうして群馬で初のプライドパレードが開催され、140名もの方たちが参加し、大成功を収めたので、本当によかったです。
 
 前日に準備しているときは本降りの雨だったそうで(大変だったと思います。お疲れさまです)、パレードの当日も、雨がパラパラと降る時間もありました。しかし、パレードが始まる頃には青空が広がりました。見事に「レインボーイベントには雨が降らない」というジンクス通りになりました(何の根拠もないのですが、私も、青空の下のパパ田さんの笑顔しか思い浮かびませんでした)
 
 オープンの1時間くらい前、会場の前橋中央イベント広場に行ってみました。みなさんブースなどの準備をしていました。ボランティアの方々が打ち合わせしていて、その中には前日のふくしまレインボーマーチにも参加していたアライのあきおさんもいて、私に手を振ってくれました。
 まだ時間があったので、パレードのコースの下見をしたり、パレードを主催する一般社団法人ハレルワが他団体と共同運営しているコミュニティスペース「まちのほけんしつ」を見に行ったりしました。
 10時にはステージイベントもブース出展もスタートしました。
 まずは、ブースをご紹介します。























 
 写真がなくて申し訳ありませんが、ほかにも、めぐのぼ写真屋や、kiritsuaiko+白秀堂などのブースも出展されていました。

 
 ステージイベントをレポートします。
 総合司会はフリーアナウンサーの横山まいさん。横山さんは、前橋シティFMでパーソナリティを務める方で、番組にパパ田さんも出演しています。実行委員長のパパ田さんの開会のあいさつでステージイベントがスタートしました。パパ田さんは「すでに泣きそうですが、涙は最後にとっておきます」と感慨深げに語っていました。


 最初はライブステージです。1組目はAlice工務店バンドのみなさん。ご存じ岩崎良美さんの「タッチ」などを歌って、オープニングを盛り上げてくれました。


 2組目はGROOBEATハチ猫のみなさん。横浜銀蝿や『ルパン3世』の主題歌などをカバーしていて、私の世代にドンピシャだったので、ステージ後に「選曲が良かったです」とお伝えしました。


 続いて、あかたちかこさんの公開恋愛相談会。事前に寄せられた相談内容に、パパ田さんとのトークを交えて回答していました。中年の私にも参考になりました。


 それから、前橋のイベント「けん玉・コマ回しフェスティバル」から3名の方が登場。なおてぃさんは素晴らしいコマ回しを会場を巻き込んで披露してくれました。casekさんは玉回しと皿回しを披露してくれました。もう1名の方は撮影NGでしたので、画像はありません。



 続いて、高崎観音ガールズのみなさん。パレード出発前に、パワフルなステージを見せてくれました。群馬県出身の井森美幸さんや中山秀征さんの名前も出てくるコントから始まり、オリジナル曲を披露、そしてパレードで歌う「みんながみんな英雄」という歌を、練習を兼ねて、会場の方もパレードで整列している方もみんなで合唱しました。パレードでの「LOVE レインボー」「LOVE プライド」「群馬プライド」というコールの練習もしました。いろいろな思いが込められたコールだな、と思いました。


 13時半、みんなで記念撮影をした後、パレードがスタートしました。
 コースは前橋中央イベント広場→中央通→馬場川通り→千代田通り→銀座通り→オリオン通り(まちのほけんしつ前)→立川町通り→弁天通り→大蓮寺です。
 パパ田さん、群馬大学情報学部准教授で『トランスジェンダー入門』などの著者である高井ゆと里さん、KANE&KOTFEのお二人が先頭で横断幕を持ち、その後ろに高崎観音ガールズのみなさんが続きます。
 レザーに身を包んだみなさん、資生堂のみなさん、富山から参加したなかがわさん、Allyesのみなさん、Transgender Japanのみなさん、ふくしまレインボーマーチの方、司法書士会のみなさん、GROOBEATハチ猫のみなさん、レインボーさいたまの会のみなさん、鈴木信平さんなどが続きます。先頭からカメラを構えると、後ろにかなり長い列が伸びていました。
 要所要所で隊列の人数を変えながら、行進していきます。ほぼ商店街を通るコースで、お店にはパレードのポスターが貼られ、レインボーフラッグを振ってくれる人も多かったです。
 天気はすっかり晴れて、まさにパレード日和となってきました。
 パレードはオリオン通り商店街にさしかかります。「まちのほけんしつ」は普段から商店街の方々とも交流があるのか、お店の方々も温かくパレードを見守ってくれている感じがしました。
 そしてパレードは駅の木馬まつりの隊列と合流し、ゴールの大蓮寺へ進みます。このようなコラボ、とても素敵だなと思いました。
 ゴールの大蓮寺の前で、パレード参加者と木馬まつりのみなさんとで一緒に記念撮影をしました。
 商店街のみなさんとパレードを歩くみなさんとの距離が近く感じるパレードでした。

















 
 前橋中央イベント広場へ戻り、後半のステージが始まりました。
 初めは小川あきら前橋市長、高井ゆと里さん、KANE&KOTFEさん、パパ田さんが登壇したパネルトーク「群馬はすでに虹色である」。小川市長は選挙の時に感じたこと、例えば「ある公約に対して、当事者じゃないのに何がわかるんだ」と言われたこと、「多様性という言葉がたくさん使われるようになったのは良いことだと思うが、今一度、多様性とは何かを考えることが大事ではないか?」といったことを話しました。高井さんは「同性婚に賛成の人は統計を取るとかなり多いが、選挙の時に果たして「同性婚賛成」の候補者に投票しているのか?」といったお話をしていました。熱いトークが繰り広げられた、あっという間の1時間でした。


 続いて、玉城ちはるさんのライブです。玉城さんはシンガーソングライター、ラジオパーソナリティ、アカンパニメントサポーターなどとして幅広く活躍しています。手話をしながらオリジナル曲を歌ってくれました。優しい歌詞、メロディ、歌声が心に沁みました。


 最後にパパ田さんがご挨拶。一緒に頑張ってくれたスタッフへのお礼の言葉も忘れていませんでした。ここで総合司会の横山まいさんから、サプライズがあり、パパ田さんのパートナーの方からパパ田さんへの一言と、打ち合わせにない振りがあり、パートナーの方がステージに上がって「スタッフのみなさんに助けられてパレードができたことを忘れないでください」と語りました。素晴らしいと思いました。


 初開催でステージもブースもパレードもここまで充実していたのは、地元に根付いたハレルワの活動の成果ではないかと感じました。

 
 前橋プラザ元気21 1Fにぎわいホールで同時開催されていた「新聞・写真で振り返る群馬のLGBTQムーブメントパネル展」with「前橋市男女共同パネル参画展」「私たちだって"いいふうふ"になりたい展」も充実した内容でした。新聞記事は、パパ田さんのことがたくさん紹介されていて、その功績がよくわかる素晴らしいものでした。ハレルワとカラフルブランケットのイメージキャラクターが共演したシールも作成されていました。プレミアがつきそうなレアなシールでした。


 関係者のみなさん、参加者のみなさん、お疲れ様でした。素晴らしいイベントに参加し、取材できて幸せです。ありがとうございました。また、来年もお会いしましょう。

(取材・文:VEN)

VEN
岐阜県在住のゲイ(50代)で、1994年の日本初のプライドパレードから現在に至るまで、全国で開催されるプライドパレードのほとんどに参加し、自身のPRIDEを示しながら地方のパレードも応援してきた方で、その参加回数は100を超えています(おそらく日本一)。2006年の第10回レインボーマーチ札幌のステージでは、全10回に参加したとして「皆勤賞」を授与されています。「愛知・岐阜にパートナーシップ制度を求める会」や「性別や性的指向・性自認に基づく差別を根絶する愛知アクション」にも参加しています。2023年6月21日の朝日新聞「ひと」にも登場しました。

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