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レポート:名古屋レインボープライド2024

2024年6月15日(土)、名古屋レインボープライド2024が開催され、パレード参加者が約1,200人、オアシス21来場者は約55,000人に上り(主催者発表)、大盛況となりました。VENさんによるレポートをお届けします

 2024年6月15日(土)、栄のオアシス21銀河の広場で名古屋レインボープライド2024が開催されました。2日前まで雨予報で、実行委員会からSNSで雨対策のアナウンスが流れていたのですが、前日には予報が晴れ時々曇に変わり、見事に雨が降りませんでした(NLGR+のときに、NRP実行委員の(晴れさせる力をお持ちと評判の)松岡成子さんに今年もNRPの日は晴れますようにとお願いしていました)
 
 プライド前日には(こちらのニュースでお伝えしたように)会場のオアシス21とNHKの特設会場とを繋いで特集番組「Uta-Tube FES ~あなたでいてくれてありがとう~」が生放送されました。MCに鉄平さん、はるな愛さん、藤井彩子さん(NHK名古屋放送局アナウンサー)、ゲストにAisho Nakajimaさん、大黒摩季さん、クリス・ハートさん、THE SUPER FRUITさん、天道清貴さん、MORISAKI WINさん、Little Glee Monsterさんが出演し、2会場から素敵な歌を聴かせてくれました。はるな愛さんも「キミトワタシ」を歌ってくれました。また、東海出身のAisho Nakajimaさんは、悩んだ学生時代のことを語り、当時一緒に過ごしたお友達との再会のVTRも流れ、お姉様からのお手紙も披露され、感動的でした(私事ですが、OUT IN JAPANの撮影に参加した際、私の前の撮影がAishoさんでした)。大トリにはTRPの2日目のステージを盛り上げてくれた大黒摩季さんが登場し、「ら・ら・ら」でオアシス21のステージを盛り上げてくれました。共同代表のライラさん率いるドラァグクイーンのみなさんもステージに華を添えました。NHK名古屋放送局がこのようなイベントでプライドを祝ってくれたこと、本当に素晴らしいです。感謝です。
 

 そうして6月15日(土)、名古屋レインボープライドの当日を迎えました。
 今回もたくさんのブースが広場に並びました。以下にご紹介します。





























 
 
 11時にはステージイベントもスタートしました。
 今年もレインボープラスのみなさんの演奏とカラーガード(フラッグ)パフォーマンスからスタート。年々、パワフルになっていってるように感じられました。


 続いて共同代表の方たちによるオープニングセレモニー。いよいよ、今年の名古屋レインボープライドの幕開けです。ステージのMCは、DXハンターの奈緒さんが担当していました。



 続いて、今年も名古屋レインボープライド2024のために結成されたCOLORSのみなさんが登場。個々に活動するパフォーマーたちが、元気いっぱいのステージを観せてくれました。


 続いては、ハロプロダンスカバーグループとして結成から18年のH-Pag!のみなさん。今年は名古屋で6つのイベントに出演し、各ステージでレインボーカラーの1色ずつを衣装に取り入れたということで、名古屋レインボープライドでは紫の衣装で登場しました。モーニング娘。から他のグループの最新曲までカバーした、パワフルなステージでした。
 

 続いて、名古屋を拠点に活動するDXハンターが登場。ハロプロカバーコピーグループとして、パワフルでダイナミックでキュートなステージを見せてくれました。名古屋のレインボーイベントには欠かせないグループです。サプライズでH-pag!のみなさんとのコラボステージも見せてくれました。



 JAPAN PRIDE NETWORKのみなさんと「結婚の自由をすべての人に」愛知訴訟の皆さんがスピーチ。各団体とも、パレードやイベントの告知や報告をしていました。愛知訴訟、次回は6月27日(木)が期日で、傍聴ツアーも実施するそうです。


 続いて、全国のプライドイベントを盛り上げてくれている虹組ファイツのみなさんが登場。選抜メンバーで、かわいいステージを見せてくれました。「なんちゃって大奥」も歌ってくれました。現在、新メンバーも募集しているそうです。


 昨年に引き続き、KOTFEさんもステージに立ってくれました。前向きな、励まされるような歌詞に、元気をチャージしてもらえました。


 前日にNHK「Uta-Tube FES」でMCを務めたはるな愛さんが登場! 会場はさらに盛り上がりました。おなじみ「えぇねんで」と「キミトワタシ」の2曲を披露。「あなたはあなたのままでいい、自分らしく生きましょう」とエールを送ってくれました。


 続いて、pipitのみなさんのステージ。岐阜を中心に活動しているキッズダンスチーム。幅広い年齢層のキッズが、可愛いダンスやカッコいいダンスを披露してくれました。

 そして天童清貴さんが登場。前日のステージ同様、迫力があり、優しさも感じる歌を聴かせてくれました。バックコーラスのクワイヤーのみなさんとの息もぴったり合っていました。そして今回、初めてマッスルアップに励む方たちと共演し、メンバーのお一人のマサトさん(ストリートワークアウトのアジアチャンピオンにもなった方)が清貴さんの歌に合わせ、素晴らしい筋肉パフォーマンスを見せてくれました。


 いよいよパレード出発の時間となりました。今年は大村秀章知事が駆けつけ、知事のかけ声とともに参加者のみなさんが整列を開始しました。愛知県では4月から「ファミリーシップ制度」が導入されました。同性カップルに限らず、異性カップルも対象となるそうです。 



 14時30分、パレードが出発!
 今年も昨年と同じく、オアシス21銀河の広場→錦通→大津通を左折(三越、松坂屋、PARCO前)→100道路左折→久屋大通左折(光の広場、愛の広場前)→錦通右折→オアシス21というコースでした。
 第1フロート「プライドフロート」の先頭は、ライラさんと樹梨杏さんが横断幕を持って歩きます。その後をレインボーブラスのみなさんが演奏しながら歩き、さまざまなフラッグを持った参加者が続きます。車椅子で参加の方々、バギーを押して親子で参加した方、NTT西日本のみなさん、豊田市のみなさん、「故郷を帰れる街にしたい」のノボリを持った富山から参加の方、Hiltonの方々。ライラさんはレインボーカラーとトランスカラーを組み合わせたドレスで登場。街ゆく人の反応にライラスマイルが輝きます。スマイルだけでなく、スピーチもしっかりとしていました。
 第2フロート「MFAJ+JPNフロート」。同性婚実現を! 私たちにも平等の権利を! などと書かれたプラカードを掲げたり、声を上げたりしてアピールします。Marriage For All Japanのみなさん、JAPAN PRIDE NETWORKのみなさん、デロイトトマーツのみなさん、ケニアのLGBT難民問題に取り組むゆーすけさん、accentureのみなさん、ファイザーのみなさん、司法書士会のみなさん、高浜市の柴口征寛議員とパートナーのリュウさん、一般社団法人あすにはのみなさん、ALLYESのみなさんなども歩いていました。ゆいにゃんS忍者さんはいつものメガホンで訴えながら歩いていました。いつも、心に沁みるメッセージです。選択制夫婦別姓実現に向けて活動している方々の参加も嬉しいことでした。共闘してどちらも実現したいことです。パレードもできないケニアの難民の問題についてお話を聞いて胸が痛くなりました。
 第3フロート「トランスジェンダーフロート」は、先頭で共同代表の王子(後藤彩仁)さんがマイクアピール。フロートから流れる曲は王子さんの選曲のアニメソング。今、深刻なトランスヘイトについてもやめてほしいとアピールしていました。その後ろに畑野とまとさんらTransgender Japanの方々がフラッグや「誰も殺さないで」と書いたプラカード持って続きます。資生堂の方々、つなにじのみなさん、TEARのみなさん、ハピネスお茶会のみなさん、僕らの移住生活のみなさん、ISFNETのみなさんなども歩いていました。
 沿道からもレインボーフラッグを持った方々が、応援してくれます。
 第4フロート「ユースと手話のフロート」。先頭のトラックには名古屋あおぞら部の大きな寄せ書きが貼られていました。その後を、名古屋あおぞら部の方々、DXハンターの方々(オラさんが目立っていました!)、かずえちゃん、会長さんをはじめ三洋化成のみなさん、LGBT-Allyプロジェクトのみなさん、LGBTフレンドリー不動産の盒田さん、愛知県立大学のみなさんなども歩いていました。
 今年も松坂屋は、レインボーの長い垂れ幕を掲げ、従業員の方たちもノボリを持って沿道から応援してくれました。ZARAは、ウィンドウにプログレスプライドフラッグカラーで「LOVE」と書いてくれていました。
 第5フロート「ダイバーシティフロート」は、虹組ファイツの名古屋メンバーの今井さんが先頭でマイクアピールし、その後をJohnson&Johnsonの方々、中京大学の風間教授と生徒のみなさん(ノボリが目立っていました)、U=UのTシャツを着たカップル、チェリオのみなさん、今年のNRPのリーフのイラストを手がけた作家の伊藤正巨さん、日本LGBTサポート協会のみなさん(ご縁結びのノボリが目立っていました)、犬山市職員と犬山のコミュニティ木もれ日のみなさんなども歩いていました。大学の教授と生徒が、市の職員と市民が一緒に歩くというのは素敵ですね。
 第6フロート「インターナショナルフロート」は最終フロートということで「フィナーレを飾ろう」と題して、みなさんテンションが上がっていました。日本に住む各国の方々などがノリノリでパレードしていました。豪華なドラァグクイーンの方々、三井住友トラストグループの方々、大橋運輸の方々、パレスチナ解放を訴える方々なども参加していました。このフロートがいちばん人数が多かった気がします。
 約1時間かけて、パレードは栄の繁華街を一周してゴールしました。






























 
 16時に後半のステージが始まりました。
 スタートはDJ SHIGEKIさんのDJタイム。曲に合わせて客席で踊る人もいて、ラストはステージに上がり、テンションあげあげで踊っていました。選曲が私好みでした。


 続いて、アクラブ・カビーラのみなさんのダンスパフォーマンス。ベリーダンスを基軸として様々なダンスを融合させた新しいダンスだそうです。


 続いてMAHANAORAのみなさんのタヒチアンダンス。フラダンスともまた一味違うダンスショーで楽しませてくれました。


 今年、同性同士で結婚式を挙げたカップルがスピーチしました。「結婚式を挙げても、会社では独身のまま」「同性パートナーを異性に置き換えて話さなければいけない」などなど。結婚式を挙げてハッピーなはずなのに、現実は違う、早くパートナーだと紹介できるようになってほしいと強く思いました(※こちらは撮影不可でしたので、画像はありません)

 続いて、K-POPダンスユニット「IZ★MAN」のみなさんのダンスショー。キレッキレのダンスが炸裂。そのなかに可愛さもあり、見ていて楽しくなりました。


 続いて、共同代表の後藤彩仁さんがスピーチしました(パレード後に具合が悪くなったそうですが、不調を押して登壇しました)。「自分に素直に生きることは、とても大変なことです」「更衣室などは別の部屋で、などと希望を言うのはわがままなのではないか、と思うこともある」など、日頃の不自由さが伝わってくるお話でした。もうこんな思いをしなくてもいい時代が来るように、パレードなどで訴えていくことが大事だと感じました。


 続いて、accenture、大橋運輸、チェリオなどスポンサー企業のスピーチがありました。協賛、ありがたいですね。
 そして、「シンバシコイ物語」の劇中歌を歌っているコースケさんが登場し、「アイノアメ」「二度目の初恋」を披露しました。今回がプライドイベント初出演とのことで、かなり緊張しているようでした。お友達やファンの方々も駆けつけていて、私の隣に偶然お友達がいらっしゃって、コースケさんが何度もそのお友達のほうを見て緊張をほぐしていたように見えました。素敵なステージでした。


 ステージもいよいよ大詰めです。トリをつとめたのはNagoya Sing For Lifeのみなさんによるゴスペル。カバーもオリジナル曲も歌ってくれました。社会貢献を目的としたグループだそうです。みなさんの歌に励まされたり、癒されたりした方々がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。


 そして毎年恒例となったエンディングです。ライラさん、樹梨杏さんをはじめ演者の方々がステージにあがり、テーマソング「心に君の花を」をSARIさんと一緒に歌いました。
 陽が落ちてきて、ステージの後方のビルがレインボーカラーに染まってきました。
 最後はみんなで「Happy Pride!」のかけ声で締めくくりました。



 今年、日本のプライドパレードが始まってから30年になりました。30年前と今とでは、LGBTQ+の置かれている状況も良い方向へ変わってきました。でも、まだまだ変わらなければいけません。間に合わなかった人もいます。もっとスピードを増して、良い方向へ変わるように、強く願います。

(取材・文:VEN)


VEN
岐阜県在住のゲイ(50代)で、1994年の日本初のプライドパレードから現在に至るまで、全国で開催されるプライドパレードのほとんどに参加し、自身のPRIDEを示しながら地方のパレードも応援してきた方で、その参加回数は100を超えています(おそらく日本一)。2006年の第10回レインボーマーチ札幌のステージでは、全10回に参加したとして「皆勤賞」を授与されています。「愛知・岐阜にパートナーシップ制度を求める会」や「性別や性的指向・性自認に基づく差別を根絶する愛知アクション」にも参加しています。2023年6月21日の朝日新聞「ひと」にも登場しました。

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