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レポート:レインボーフェスタ和歌山2023(1日目)
2023年12月2日に開催されたレインボーフェスタ和歌山(1日目)のフェスタとパレードの模様を、VENさんがレポートしてくれました
レインボーフェスタ和歌山は2017年から開催されているイベントです。昨年、初めてパレードも開催されました(レポートはこちら)
今年も2days開催で、12月2日(土)は和歌山城砂の丸広場でフェスタ&パレードが、3日(日)は和歌浦芸術区で屋内でのフェスタが開催されました。
1日目のフェスタ&パレードを、VENさんがレポートしてくれました。
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12月2日、イベント開始の1時間ほど前に会場に着いたので、パレードコースを歩きながら下見しました。昨年はソメイヨシノが見頃だった3月でしたが、今年は紅葉がきれいでした。
歩き終えて砂の丸広場へ行くと、出展ブースの準備が着々と進んでいました。フードコーナーにはたくさんのキッチンカーやブースも並んでいました。私はおでんと大玉たこ焼きをいただきました。体が温まりました。
10時30分、司会の東郷潤さんと東郷結香さんがステージに現れ、ステージがスタートしました。お二人はNHKの「超多様性トークショー!なれそめ」にも出演したカップルです(個人的に、「OUT IN JAPAN」の撮影の際、緊張している私を和ませてくれた恩人でもあります)。明るいお二人のトークのおかげか、青空が広がっていきました。
代表の安西美樹さんが登場し、開会の挨拶をしたあと、3人で繰り広げたトークも面白かったです。
お祝いメッセージもたくさん紹介されました。
続いて「性善寺」の柴谷宗叔さんがスピーチ。仏教の世界でのLGBTQ+のお話や、LGBTQ+の運動の歴史などを詳しくお話してくださいました。
次は、有志で集まったメンバーによるよさこい。迫力ある演舞は、フェスタにパワーを送ってくれました。
休憩やリハを挟んで、トンカラポンガのみなさんのチンドンショーがパレード前のステージのラストを飾りました。手作りの楽器を使ったパフォーマンス、素晴らしかったです。
パレードに向けて整列が始まりました。
その間、パレード参加者に込めた応援メッセージのような感じで、大阪のレインボーフェスタ!のゆいにゃん・サルヴァドーレ・忍者さんと、仁さんがスピーチし、和歌山県の岸本周平知事も応援スピーチをしてくれました(プライドイベントに駆けつけた県知事は、ピンクドット沖縄での玉城デニー知事以来2人目ではないかと思われます)
出発時間となり、いよいよパレードが出発! 空も見事に晴れていました。
コースは、和歌山城砂の丸広場→県庁前→三年坂通→屋形通→けやき大通→和歌山城砂の丸広場でした。和歌山城の周りを一周するかたちです。
出発してすぐは、人も車も多いエリアです。早速、マイクアピールが始まります。レインボーカラーに装飾されたフロートが先導し、その後ろを、株式会社アワーズ(アドベンチャーワールド)の方々、大阪のレインボーフェスタ!の方々、チェリオのみなさん、TrancegenderJapan、徳島レインボーフェスタのみなさん、一般参加の方や、各地のパレードに参加している三井住友トラスト・グループのみなさんなどが続きました。
沿道からレインボーフラッグを振ってくれる方や、車やお店の中から手を振ってくれる方もいて、うれしかったです。声援が心に響きました。紅葉を見に来ていた方々も「ハッピープライド!」と声をかけると笑顔を返してくれました。
ゆいにゃん・サルヴァドーレ・忍者さんはメガホンを持って「私たちは、ここにいます。あなたのそばにいます」と声を張り上げ、一生懸命アピールしていて、その姿に感動しました。
パレード隊は、けやき大通に出ました。人通りも多く、左手には和歌山城が見えて、アピールするにもロケーション的にも最高のポイントでした。参加者のみなさんは、レインボーフラッグを振ったり、プラカードを高く掲げてアピールしていました。
そして砂の丸広場にゴール。約100名のみなさんが歩き終えました。
エンディングイベントでは、お仕事終わりでパレードの最中に自転車で駆け付けたQちゃんと、柴谷宗叔さんが司会をつとめました。
最後にみんなで記念撮影をして、2日目のアナウンスをして、終了となりました。
私は2日目は参加できなかったのですが、和歌浦芸術区という、名勝・和歌浦を望む素敵な場所で、Qちゃんが司会し、チーム紀伊水道のみなさんのトークショーや、和歌山KIDSギタークラブのステージ、KOTFEさんのライブ、ゴスペルクワイアのステージ、2023年関西アライモ参加者のトークショー、映画『Veiles』の上映が行なわれ、盛況だったそうです(なお、2024年関西アライモは4月29日に大阪中之島美術館で開催予定だそうです)
最後に、今回の和歌山が今年参加するパレードのラストとなりますので、個人的な思いをお伝えしたいと思います。
私は今年、「トランス差別は ノンバイナリー差別は いのちの問題です」というプラカードを持ってパレードを歩きました。だんだんひどくなるトランスヘイト、ノンバイナリーヘイト。ヘイトは他のマイノリティにも広がりつつあります。私一人の力では大したことはできず、甚だ微力ではあるのですが、それでも声を上げることの大切さを知りました。
このレポートを書いているとき、KADOKAWAが1月に発売予定だったトランスヘイト本の出版が中止となりました。よかったと思います。多くの声が届いたのだと思います。ただ、出版しようとしていたことは事実であり、その前に気がついてもらいたかったというのが本音です。
今年私は、友人を亡くしました。数々のSNS等でのヘイト発言や、LGBTQ+の行く末を悲観して、自ら旅立ったのです。いつか一緒にパレードを歩こうという約束は叶いませんでした。その友人のためにも、今後も、私にできることをやっていきたいと改めて思いました。
(取材・文:VEN)
VEN
岐阜県在住のゲイ(50代)で、1994年の日本初のプライドパレードから現在に至るまで、全国で開催されるプライドパレードのほとんどに参加し、自身のPRIDEを示しながら地方のパレードも応援してきた方で、その参加回数は100を超えています(おそらく日本一)。2006年の第10回レインボーマーチ札幌のステージでは、全10回に参加したとして「皆勤賞」を授与されています。「愛知・岐阜にパートナーシップ制度を求める会」や「性別や性的指向・性自認に基づく差別を根絶する愛知アクション」にも参加しています。2023年6月21日の朝日新聞「ひと」にも登場しました。
- INDEX
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