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レポート:島根レインボーパレード
2023年11月25日、島根レインボーパレードが松江市で初開催され、県内外から集まった約250人の方たちが松江駅前から松江城までパレードしました。VENさんのレポートをお届けします。
島根レインボーパレード(しまパレ)の代表のドリーさんと初めてお会いしたのは、昨年の「まんで!さぬきレインボーパレード」のときでした。オープニングイベントで「2024年、出雲大社の神在月の11月に島根でパレードを開催します」と宣言していました。それが1年前倒しとなり、今年の神在月の開催となりました。
それ以来、ドリーさんは各地のパレードに足を運び、実行委員の人たちと繋がり、毎日インスタライブを行ない、パレードのPRに勤しんできました。そのひたむきな姿に頭が下がります。
パレードには参加できないという方も他のかたちで参加できるようにと、パレード集合場所(松江テレサホール)とゴール場所近く(県民会館)の2ヵ所でマルシェ(ブース出展イベント)も開催することになりました。
そうして迎えた11月25日(土)、11時に集合場所の松江テレサホールでマルシェがスタートしました。続々と参加者が集まってきます。
マルシェには、ヘアセット、グッズ販売、プロによる写真撮影、狐面ワークショップ、フェイスペイント、キッズコーナーが出展されていました。
パレード前にヘアセット、パレードはしまパレグッズを身につけて、プロに撮影してもらってモデル気分を味わい、狐面に好きな色をつけたり、可愛いフェイスペイントを描いてもらったりして、テンションが上がった方も多かったようです。
受付ではレインボーフラッグだけでなく、寒さ対策にカイロも配布するという心配りもありました。
パレード前に、ドリーさんの挨拶と注意事項の説明、全国の参加団体や個人の挨拶、公務のなか駆け付けてくださった松江市の上定昭仁市長の挨拶が行なわれました。
東京、富山、長野、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、愛媛、山口、熊本など、全国からの参加がありました。長野の「HAPPY PRIDE 信州LGBTQ+」の方々は、「来年度、長野でもパレードを開催したい」とおっしゃっていました(昨年、香川でドリーさんが宣言したように)。来年は、愛媛でもパレードが初開催されます。今年以上に全国各地に虹がかかることでしょう。
14時過ぎ、いよいよパレードが出発します。
午前中降っていた雨もあがり、綺麗な青空がひろがりました。
コースは松江テレサ→くにびき大橋→総合体育館→松江城でした。
松江テレサを出て、地下に入り、一畑百貨店近くで地上に上がり、歩道を歩いていきます。
パレードで地下道を歩いたのは、島根が初めてでしょうか。珍しいパターンでした。
歩道橋で構える私に気づいたみなさんは、大きく手を振ってくれました。
パレードのみなさんは、左折して歩道をくにびき大橋へ向かいます。途中「Rainbow Pride」と書いた横断幕を持って、連合島根の方々も応援してくれました。
くにびき大橋をいろいろなフラッグをなびかせて歩くみなさんの姿は、とても素敵でした。
総合体育館から左折して、松江城へ向かいます。ここからは車道へ出てパレードしました。車や沿道から応援してくださる方もいらっしゃって、嬉しい限りでした。
ここでドリーさんが持っていたスピーカーから(追悼の気持ちも込めて)「愛は勝つ」が流れました。「♪最後に愛は勝つ」の部分をみんなで歌いました。KANさんから元気をもらえた気がしました。
松江城が見えてきて、ドリーさんが「あと少しでゴールです。頑張りましょう」と言い、参加者を励ましていました。
いよいよゴール。パレードのみなさんは松江城へ登って行きます。途中の広場で1回目の記念撮影をしました。体力のある方はさらに坂を登って、松江城の前まで行って2回目の記念撮影をしました。
こうしてパレードは無事終了しました。
ゴール近くの県民会館でもマルシェが開催されていました。こちらは飲食ブースがメインとなっていました。
島根県立大学の学生さんはシロップジュースを、「檸檬屋」さんではレモネードや檸檬いなり寿司を、「TSUZURU」さんの「日本茶スタンド」では抹茶ラテやほうじ茶ラテを、「あとりえんね」さんは美味しそうなケーキを、「あいくる」さんはアイシングクッキーを販売。その他、お米やラーメン焼き菓子、アクセサリーのワークショップ、数秘コミュニケーションなどのブースが出展されていました。
パレード参加者だけでなく、他の方々もいらして賑わっていました。
夜には打ち上げが行なわれ、参加者のみなさんで盛り上がったようです。
最後にドリーさんを胴上げしたそうです。
ドリーさんをはじめ、実行委員のみなさん、お疲れ様でした。素敵なパレードとマルシェ、ありがとうございました。
島根レインボーパレードを無事に終えたドリーさんが、そのお気持ちをメールで送ってくれました。ここで紹介させていただきます。
「県内の当事者に対して「一人じゃないよ」と伝え、当事者以外の人に「島根にもLGBTはいるよ」と伝えたいと思い、開催を決めました。全国各地から沢山の人が参加してくださり、それが伝わる大きなきっかけになったと思います。沢山の方の応援のおかげで無事にイベント開催となりました。ただただ感謝です」
孤独の内にいる当事者に、周りにLGBTQがいないと思っていた人に、きっとドリーさんの思いが伝わったと思います。
(取材・文:VEN)
VEN
岐阜県在住のゲイ(50代)で、1994年の日本初のプライドパレードから現在に至るまで、全国で開催されるプライドパレードのほとんどに参加し、自身のPRIDEを示しながら地方のパレードも応援してきた方で、その参加回数は100を超えています(おそらく日本一)。2006年の第10回レインボーマーチ札幌のステージでは、全10回に参加したとして「皆勤賞」を授与されています。「愛知・岐阜にパートナーシップ制度を求める会」や「性別や性的指向・性自認に基づく差別を根絶する愛知アクション」にも参加しています。2023年6月21日の朝日新聞「ひと」にも登場しました。
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