FEATURES
レポート:九州レインボープライド2023(2日目)
11月4日・5日、福岡市で九州レインボープライド2023が初の2daysで開催されました。11月とは思えない暑さとなった2日目のフェスタ&パレードの様子をVENさんがレポートしてくれました
2015年に始まり今年で9回目を数える九州レインボープライド。今年初めて、11月4日・5日の2日間にわたって開催され、来場者は2日間で約2万4000人と、過去最多となりました。
こちらの報道にもあるように、1日目の4日(土)には同性結婚式が行なわれました。みえさん&かよさんは9年連れ添うカップルです。お二人は来場者に見守られ、誓いの言葉を述べるとともに、同性婚の実現を願ったそうです。私は参列できませんでしたが、みえさん&かよさんからお写真をいただきました。末永くお幸せに、とお祈りしています。そして私も、一日も早い同性婚実現を強く願います。1日目にはまた、ステージで下地正晃さん、天童清貴さんと大濠高等学校チアリーディング部「COOKIES」のコラボステージなども行なわれました。
ここからはQRPの2日目、11月5日(日)のフェスタとパレードをレポートさせていただきます。
実は週間天気予報では3日前くらいまで雨マークがついていたのですが、山形と同様、雨が降る気がしませんでした。QRP代表のあなたののぶゑさんの姿を思い浮かべると、後ろに快晴の青空が広がっているのが見えたのです。
そして当日、私がイメージした通り、冷泉公園には快晴の青空が広がっていました。のぶゑさんに「のぶゑ晴れですね」と言うと、素敵な笑顔を見せてくれました。
広場にはたくさんのブースが並んでいました。今年もGOOD CHOICE MARKETといういくつかの企業・団体が合同で出展するエリアもありましたし、お子さんのためのキッズエリアなども設けられていたのがQRPらしさを感じさせました。最初に、そんな色とりどりのブースの様子を紹介します(全てのブースを紹介できず、申し訳ありません)
10時からステージイベントがスタートしました。
開会宣言の後、全国の有志によるQRP限定の吹奏楽団「WANQ」の演奏が行なわれました。快晴の空の下、朝から冷泉公園にブラスの音が響き渡る時間は、なんとも言えず爽やかで、格別なものがありました。
その後、来賓のメッセージが代読されました。
そして、昨年も登場したEN325&ドットカラーのコラボパフォーマンスが行なわれました。偏見や差別のない世界を目指し、「ご縁」「円満」「演舞」という3つの「えん」をコンセプトにしたステージでした。
QRPで毎年素晴らしいパフォーマンスを見せてくれる「JOTO★BLESS(城東高等学校ダンス部)」のみなさん。思わず見入ってしまうようなドラマ仕立ての感動的なステージでした。
JAPAN PRIDE NETWORKに加盟する札幌、東京、金沢、那智勝浦、京都、大阪のパレードやレインボーフェスタを主催するみなさんがステージに上がりました。
もうずいぶん前から全国のレインボーイベントを盛り上げてくれている虹組ファイツのみなさんのステージ。九州中心の選抜メンバーが出演し、OBの方々も応援に駆けつけていました。オリジナル曲からレジェンド・博多あややさんの「虹色片想い」のカバーまで幅広く披露してくれました。
QRPには欠かせない、フェアリーさんのステージ。今年も歌やトーク、フェアリー感全開のステージで楽しませてくれました。
パレード出発直前、新宿エイサー「新虹」のみなさんが勇壮な演舞を披露してくれました。パレードへの士気を高めてくれるかのようで、素敵でした。
14時過ぎ、いよいよパレードの出発です。
パレードは、冷泉公園を出発し、中洲、天神を周り、川端商店街を歩き、冷泉公園に戻ってくるというコースでした。
私は昨年同様、博多大橋で待機し、パレード隊を待ちました。
博多大橋の近くの「一蘭」本店が店舗ビルいっぱいに「WELCOME KYUSYU RAINBOW PRIDE」と書いた横断幕とレインボーフラッグとトランスフラッグを掲げてくれていて、感動しました。窓からはたくさんの方がフラッグを振ってくれていました。最近涙もろい私は、泣きながら撮影していました。
先頭の「いちごフロート」は、代表ののぶゑさんや実行委員の方々が横断幕を持ち、その後ろにJAPAN PRIDE NETWORKのみなさんが続きます。一蘭さんのビルからフラッグを振ってくれているみなさんに手を振り返したり、沿道のみなさんにも「HAPPY PRIDE!」と声をかけたりしていました。その後ろを、吹奏楽の方々が演奏をしながら歩き、フロートを音楽で盛り上げていました。「にじいろかぞく」のみなさん、北九州のフリー・バー「ottusan」のみなさん、「ジュエリーズポップコーン」のみなさん、「LGBTの家族と友人をつなぐ会」のみなさん、Youtuberのかずえちゃん、今年は全国でお会いした三井住友トラストグループのみなさんなども歩いていました。
続いては、手話通訳がある「びわフロート」です。
それから、ライブ配信も同時に行なっていた「マンゴーフロート」です。フロートにドラァグクイーンが乗って、DJの方とともに盛り上げました。沿道へのアピールもしっかりしていました。Googleのみなさん、レインボービュー宮崎のみなさん、JALのみなさん、LGBT-Allyプロジェクトのみなさん、accentureのみなさん、GAPのみなさん、社民党から次期衆議院選挙に立候補予定の村田しゅんいちさん、三好不動産のみなさん、ステージを終えたばかりの「新虹」のみなさんなども歩いていました。配信は昨年に引き続き、かんだーにゃさんとフェアリーシスターズが担当しました。アーカイブも公開予定だそうです。沿道からフラッグを一生懸命振ってくれる方、撮影していて嬉しかったです。
続いて「ぶどうフロート」です。オープントップバスに乗ってのパレードで、日本では九州レインボープライドが唯一ではないでしょうか。長時間歩くのが苦手な方、付き添いが必要な方などに配慮されたフロートでした。フラッグを振って、オープントップバスの上からアピールしていました。
続いて「すいかフロート」です。「結婚の自由をすべての人に」九州訴訟の原告のまさひろさん&こうすけさん、前日に結婚式を挙げたみえさん&かよさんがフロートに乗り、その後を弁護団や支援者の方々などが歩きました。「日本でもふうふに」「結婚するかしないかは自分で選びたい!」「法律上も家族に」などのプラカードを持った方がたくさんいらっしゃいました。参議院議員の石川大我さんも、前日の福島に続き、参加していました。
最後は「かぼすフロート」で、こちらのフロートは撮影禁止ですので、画像はありませんが、みなさん沿道に向けて一生懸命アピールしていました。
気温が30度近くまで上がったなか、みなさんパレードを歩ききりました。冷泉公園では「お疲れ様でした」とお出迎えもあり、ハイタッチし合う光景もありました。
みなさんがパレードを歩き終えた後、ステージイベントが再開されました。
劇団あんみつ姫のみなさんは、華やかで豪華なステージを見せてくれました。
続いて、QRPではおなじみの響子さんがライブを披露。今年はピアノサポートで重野智美さんが参加し、素敵なライブを見せてくれました。響子さんの歌唱力にはいつも惚れ惚れさせられます。
その後、最後に踊るテーマソングの振付の練習をしました。
大トリは、テーマソングを歌うtheSoulのみなさんのライブ。オリジナル曲をたくさん披露してくれました。ラストに元気をもらえました。
そして、エンディング。配信でMCを務めたかんだーにゃさん、アシスタントを務めたフェアリーシスターズのみなさんを紹介し、コメントをいただき、代表ののぶゑさんの挨拶と続き、恒例となったテーマソングに合わせて、みんなでダンスをしました。
みなさんの笑顔がとても素敵で、輝いていました。
福岡では2007年と2008年、博多どんたくに参加するかたちの「クィア・レインボーパレード福岡」が開催されました。2014年には福岡市で「福岡レインボーパレード」が、2016年には北九州市で「小倉でレインボーパレードするっちゃ!」というプライドイベントが開催されました。そして2015年からは現在の九州レインボープライドが開催されています(冷泉公園でのイベントだけでなく、博多どんたくに参加した年もありました)。来年は九州レインボープライドとして10周年!というメモリアルな年になります。きっと、これまで以上の盛り上がりを見せるに違いありません。
今年参加した方も、参加できなかった方も、来年ぜひ、あたたかな福岡のプライドを楽しみましょう。
(取材・文:VEN)
VEN
岐阜県在住のゲイ(50代)で、1994年の日本初のプライドパレードから現在に至るまで、全国で開催されるプライドパレードのほとんどに参加し、自身のPRIDEを示しながら地方のパレードも応援してきた方で、その参加回数は100を超えています(おそらく日本一)。2006年の第10回レインボーマーチ札幌のステージでは、全10回に参加したとして「皆勤賞」を授与されています。「愛知・岐阜にパートナーシップ制度を求める会」や「性別や性的指向・性自認に基づく差別を根絶する愛知アクション」などにも参加しています。
- INDEX