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レポート:やまがたカラフルパレード2023
10月29日、山形市で第2回「やまがたカラフルパレード」が開催され、約120名の参加者が七日町大通りを行進しました。VENさんによるレポートをお届けします
昨年のレポートでもお伝えしたように、「やまがたカラフルパレード」は、山形のLGBTQコミュニティで活躍していた方が昨年の春に亡くなり、悲しみのなか、その方の思いを引き継いでパレードの開催を決意した山形市の松井愛市議(現在は県議)と、山形大学で学生・教職員有志が「多様な性」について知る・話す・聞く交流会「カラフルcafé」を主宰する池田弘乃山形大准教授のお二人が立ち上げました。東北では山形県以外の各県でパレードが開催されていて、山形で開催されたことで東北六県全県での開催が達成されることになりました(全国的に見てもその地方の全県で開催されたというのは東北地方が初めてでした)。そんな「やまがたカラフルパレード」が今年も開催されました。VENさんによるレポートをお届けします。
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2023年10月29日(日)、山形市で2回目となる「やまがたカラフルパレード」が開催されました。
天気予報は曇時々雨となっていましたが、なぜか私は雨が降ると感じませんでした。共同代表の松井さんと池田さんの笑顔の後ろには青空が浮かんでいました。実際はオープニングとエンディングの時は小雨がパラついていましたが、オープニング途中からパレードまでは青空が広がり、陽射しも出ていました。残念ながら虹は出ませんでしたが、みなさんの持つフラッグが青空に映えてきれいでした。
少し早めに集合場所の第二公園に着くと、松井さんが大きく手を振ってくれました。温かいお出迎えがとても嬉しかったです。パレードでよくお会いする方々がランチに誘ってくださり、第二公園近くの「山長」さんでラーメンをいただきました。あっさりしていて美味しかったです。ラーメン、蕎麦が美味しくて有名なお店だそうです。
第二公園に戻ると、たくさんの参加者が集まっていました。
13:45にオープニングイベントが始まり、松井さん、池田さん、実行委員のみなさん、ろうLGBT東北の方々、みやぎにじいろパレードの方々、虹をかける会の方の挨拶やスピーチが行なわれました。青森レインボーパレードと同じく、集会でも撮影禁止ゾーンが設けられていて、参加者の方々も安心できたと思います。
整列後、14:00にパレードが出発! 第二公園→十日町門→文翔館という約1kmほどのコースです。
レインボーカラーに装飾されたフロートの後を、横断幕を持った実行委員のみなさん、その後を参加者のみなさんが歩きます。メッセージを書いたプラカードを掲げたり、フラッグを持ったり羽織った方々、この日のために用意した素敵な衣装の方々などもいて、みなさん元気に歩いていました。松井さんがマイクアピールした後、松井さんが指名した方が次々にマイクで自身の思いをスピーチしていきました。事前打ち合わせなしでマイクが回ってくるかたちでしたが、みなさんしっかりスピーチしていました。
街のあちこちに、パレードのポスターが貼ってあるお店がありました。実行委員会の方々が一軒一軒回って掲示をお願いしたのでしょう。お店から出てきて手を振ってくれる方や、フラッグを元気に振ってくれるお子さんなどもいて、うれしかったです。
パレードは、ゴールの文翔館に着きました。文翔館前を一周してパレードが終了しました。
予定のある方もいるかもしれないとの気遣いで、先に記念撮影が行なわれ、そのあとエンディングイベントに入りました。
実行委員会のみなさん、男女共同参画センター「ファーラ」のみなさん、LUSHのみなさん、参加した議員のみなさん、ドクターのお二人、TransgenderJapanの方、個人参加の方などのスピーチが続きました。会うのは2回目なのにコンビネーションバッチリのトークを聞かせてくれた山形の聡子ドクターと大阪の藤田ドクターは(最高裁判決も踏まえて)「性別は自身で決めるもの」とピシッと言ってくれました。この最強コンビで差別発言する議員たちを諌めていただきたいと思いました。市議会議員の方は、山形市でもパートナーシップ制度導入に向けた動きが出ていると話していました。LUSHの方は、参加できる人が東北や新潟で開催されるパレードに参加していくと、心強いスピーチをしてくれました。一般参加の方は、「初めて参加して、こんなにたくさんの方々と歩けてよかった、パートナーシップ制度導入を」とスピーチしていました。
最後に共同代表のお二人が挨拶し、「今、共同代表は2人ですが、実は3人で開催したいという話をしていました。今日、ここにはいないけど、もう一人の仲間が晴れにしてくれたと思います」。今回も、松井さんは昨年亡くなったその方のスカートを着ていました。
私事ですが、松井さんと初めてお会いしたのは、昨年のいわてレインボーマーチで松井さんの隣を歩いたときでした。「今年、山形でパレードがしたいんです」と私に話してくれました。その後、一緒に活動していてパレードを開催したいと思っていたご友人が亡くなったことをお聞きしました。私はその場で「必ず参加します」と伝え、昨年パレードに参加しました。そして、今年も参加することができました。きっとその方も天国から見守ってくれていたと思います。
パレードの後、公民館のような場所でアフタートークという交流会も行なわれました。昨年に引き続き、山形の老舗和菓子屋「乃し梅本舗 佐藤屋」に特注した「虹ノムコウ」というお菓子のプレゼントや販売もあったそうです。
昨今のトランスジェンダーへのヘイトの激しさなど、まだまだマイノリティには厳しいと思わされる日本ですが、こういったパレードが開催されることで、よい方向へと変わることを願うばかりです。山形は松井さんたちのおかげで着実に変わりつつあります。
11月以降も各地でパレードが開催されます(こちらにスケジュールが掲載されています)。もしお近くで開催される際は、歩かなくても、沿道で見るだけでもいいと思いますので、おすすめします。
(取材・文:VEN)
VEN
岐阜県在住のゲイ(50代)で、1994年の日本初のプライドパレードから現在に至るまで、全国で開催されるプライドパレードのほとんどに参加し、自身のPRIDEを示しながら地方のパレードも応援してきた方で、その参加回数は100を超えています(おそらく日本一)。2006年の第10回レインボーマーチ札幌のステージでは、全10回に参加したとして「皆勤賞」を授与されています。「愛知・岐阜にパートナーシップ制度を求める会」や「性別や性的指向・性自認に基づく差別を根絶する愛知アクション」などにも参加しています。
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