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レポート:ひとりぼっちプライドパレード(長岡市)
2023年7月17日(海の日)、新潟県長岡市で「ひとりぼっちプライドパレード」が緊急開催されました。VENさんがレポートしてくれました
7月13日夜、新潟プライドパレード代表のあずささんが長岡市で「ひとりぼっちプライドパレード」を行なうことを表明しました。以下、Twitterに投稿された声明文です。
「今回の運動は、これまでずっと続いている、そして訃報をきっかけに更に悪化している差別への抵抗と、孤立しやすい地方でしんどい思いを抱えているLGBTQ+の仲間たちへの「あなたを思う私がここにいる」を発信するための緊急行動です。スピーチ等はありません。ただ旗を持ち歩くだけです。差別が続く現状への「それでもクィアである私はここにいる」という抵抗を、報道で取り上げられ続ける存在や報道として取り上げられることもなければ弔われてこなかった存在たちへの思いを、あなたを思うわたしがここにいるのだと、歩きます」
私はこの投稿を読んで、ぜひ一緒に歩きたいと思い、長岡へ行くことを決めました。
「ひとりぼっちプライドパレード」は当初、7月17日の14時に集合して行なうとされていましたが、天気予報で最高気温がかなり上がる見込みだとのことで、予定より1時間遅らせ、15時集合となりました。それでも強い日差しが照りつけていました。
集合場所の長岡駅大手口前広場打揚筒モニュメント前には、3人の参加者の方が思い思いのフラッグなどを持って集まりました。出発時間の15時10分、私を含め4人でパレードがスタートしました(初めての青森レインボーパレードもたった3人だったというエピソードを思い出していました)
大手通りの歩道を4人で真っ直ぐ進んでいると、「一緒に歩いてよいですか?」と声をかけてくれた人がいました。うれしかったです。その方も加わり、5人でパレードしました。国道351号線に出て、道の右側の歩道に移動し、対向車から見えるような感じで歩いて行きます。路線バスに乗っている人のなかには、こちらを見てくれる人もいましたし、いろいろな反応がありました。
大手大橋にさしかかりました。8月2日・3日には長岡まつり大花火大会があって、すでにその準備が始まっていました。橋の中間くらいを歩いている時に、前から来た車の、運転していた人が笑顔で軽くクラクションを鳴らしました。たぶん応援の意味だったと思います。参加者のみなさんもテンションが上がりました。すれ違う自転車に乗った学生さんが「こんにちは」と挨拶してくれたりもしました。
長い長い大手大橋を渡りきり、交差点を右折して、人出の多いショッピングモールの方へ進んで行きました。祝日ということもあり、買い物に来ている人たちがたくさんいました。目立つフラッグを見て、連れの人と話をしたり、手を振ってくれる人もいたり。さまざまな反応がありました。
ショッピングモールを過ぎ、右折して、信濃川近くの公園でゴールとなりました。
SNSでの心ない言葉にみなさんが傷つき、悲しみがあふれていたこと、今回、このパレードが開催され、参加できてよかったと、そんな話をしました。
記念撮影をして、みなさんとショッピングモールでお茶を飲み、喉を潤しました。
今年の7月は、全国どの街でもパレードが行なわれない予定になっていました。しかし、SNSでのバッシングや訃報が重なり、今回、このパレードが緊急開催されることになりました。企画してくれた代表のあずささんと、それに共感して駆けつけた参加者の方々には、感謝の気持ちでいっぱいです。参加したくてもできなかった人の思いも携えながら、5人で一緒に歩きました。
いま、嬉しいことより、悲しいこと、つらいことのほうが多いかもしれませんが、みなさん負けないように生きていきましょう。
何度でも言います。「私たちはここにいます」
新潟県では、9月から11月にかけて、3つのパレードが開催されそうです。
9月17日に三条市で初開催され、10~11月には、昨年に続き、新潟市と長岡市で開催される予定です。同じ年に県内の3ヵ所でパレードが開催されるのは、おそらく新潟県が初めてだと思います。
(取材・文:VEN)
VEN
岐阜県在住のゲイ(50代)で、1994年の日本初のプライドパレードから現在に至るまで、全国で開催されるプライドパレードのほとんどに参加し、自身のPRIDEを示しながら地方のパレードも応援してきた方で、その参加回数は100を超えています(おそらく日本一)。2006年の第10回レインボーマーチ札幌のステージでは、全10回に参加したとして「皆勤賞」を授与されています。「愛知・岐阜にパートナーシップ制度を求める会」や「性別や性的指向・性自認に基づく差別を根絶する愛知アクション」などにも参加しています。
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