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レポート:第1回岸和田レインボーパレード
3月5日(日)、大阪府岸和田市で初となる「第1回岸和田レインボーパレード」が開催され、2023年のパレードシーズンが幕を開けました。
2023年3月5日(日)、大阪府岸和田市で「第1回岸和田レインボーパレード」が初開催されました。大阪府内では大阪市で「関西レインボーパレード」が開催されてきましたが、大阪市以外ではこの岸和田が初となります。また、特集:レインボーイベント2023(上半期)でもお伝えしていたように、今年のプライドパレードはこの岸和田レインボーパレードが最初で、2023年のパレードシーズンの幕開けを告げることとなりました。VENさんによるレポートをお届けします。
VEN
岐阜県在住のゲイ(50代)で、1994年の日本初のプライドパレードから現在に至るまで、全国で開催されるプライドパレードのほとんどに参加し、自身のPRIDEを示しながら地方のパレードも応援してきた方で、その参加回数は100を超えています(おそらく日本一)。2006年の第10回レインボーマーチ札幌のステージでは、全10回に参加したとして「皆勤賞」を授与されています。「愛知・岐阜にパートナーシップ制度を求める会」や「性別や性的指向・性自認に基づく差別を根絶する愛知アクション」にも参加しています。
大阪・岸和田の助産師さんや医療従事者のアライの方たちの団体「レインボーカフェin岸和田」は、「LGBTQ、性的マイノリティの事を一緒に考え、誰もが多様性に生きる事ができる人権を未来に引き継いでいきたいと考え」、医療につながりにくいなどの悩みを抱えるLGBTQの方たちの相談に乗ったり、当事者の居場所づくりの役割も果たすような集まりを月に2回開催してきたほか、ラヂオ岸和田「あなたのそばにいつも助産師がいます」で発信したり、研修を行なったり、大阪のレインボーフェスタ!やレインボーフェスタ和歌山などにブースも出展したり、性の多様性についてのコンテンツも盛り込んだ「サンバ(産婆)フェスタ」というイベントを開催したり、さまざまなかたちでLGBTQ支援の活動を展開してきました。みなさん、とにかく明るく元気で、パワーをもらえます。そんな「レインボーカフェin岸和田」が利用している施設を管轄する社会福祉協議会から「パレードしませんか」と打診があったことが、パレード開催のきっかけだったそうです。珍しいパターンだと思います。地元の当事者やその家族・友人の方々にとっては、「レインボーカフェin岸和田」のような団体がレインボーパレードを主催してくれるのは心強い限りだと思います。
パレードの代表で助産師の津田育久子さんは、ラヂオ岸和田の番組「あなたのそばにいつも助産師がいます」(毎週日曜13時〜13時30分)のパーソナリティもつとめていますが、当日も生放送があり、パレード直前の告知を中心に、日本のレインボーパレードのことなどをお話していました(前日の夜には急遽、私がゲスト出演することになり、パレードについてお話させていただきました)
3月5日(日)13時30分、集合場所の岸和田市社会福祉センターに参加者の方たちが集まってきました。ラジオ局から会場へ行くと、参議院議員の石川大我さんがいらしていました。翌日は参議院予算委員会で岸田首相に質問をすることになっており、そんな忙しいなか駆けつけてくれたことに頭が下がる思いでした。そのほか、TransgenderJapanの畑野とまとさんをはじめとするメンバーの方々や、フリーター全般労働組合キャバクラユニオンのよねざわさん、京都レインボープライドから代表のLOYさんとメンバーの方、レインボーフェスタ和歌山代表の安西さん、チーム紀伊水道代表の麻理奈さん、島根レインボーパレードの方、地元岸和田で有名な「苔おじさん」こと苔緑化インフルエンサーでアライの泉原さん、岸和田及び近郊の助産師のみなさんなど、地元の方から全国各地の方まで幅広く参加されていました。
注意事項の説明の後、整列が始まりました。青空が広がるなか、14時に、いよいよ岸和田城に向けてパレードがスタートしました。出発地点で待ち構えていた地元のテレビ岸和田のクルーやカメラマンの秋山さんが写真を撮っていました。
音楽もなく、マイクもありませんでしたが、先頭でフラッグを持った代表の津田さんが声を張り上げ、「HAPPY PRIDE」「差別はしないでください」「同性婚できるようにしてください」「LGBTQ当事者はあなたのそばにいます」といったメッセージを伝えていました。隊列の後ろまで聞こえる大きな声でした。沿道や、通りかかった車の中から応援してくださる方もいらっしゃいました。
フロートや派手な演出もない、かけ声とプラカードとフラッグというシンプルながら、パレードの基本である「歩く」ことにこだわったパレードでした。子どもさんと一緒に参加する方も目立ち、助産師さんが中心のグループならではの光景でした。幼いうちからこういったパレードに参加していると、偏見や差別もなくなるのではないかな、と思いました。元気にレインボーフラッグを降り、「HAPPY PRIDE」と言いながら歩く子どもたち、かわいかったです。参加してくれてありがとうという気持ちです。
駅前からしばらく歩くと、岸和田城が見えてきました。岸和田城に観光で来ている方々も手を振ってくれました。岸和田城を一周するかたちでパレードは進んでいきました。青空に映える岸和田城と、レインボーフラッグをはじめ様々なフラッグが共演し、とてもきれいでした。
約1時間パレードを歩き、ゴールの岸和田市社会福祉センターに到着しました。センター内の調理室で、助産師さんたちが朝から準備してくださっていたおにぎりをいただきました。レインボーグッズの販売や、美味しい燻製などもありました。参加者のみなさんが思い思いに交流を深めていました。
津田さんは「岸和田で、HAPPY PRIDEと叫びたかったんです」とうれしそうに話していました。来年以降もパレードを3月第1日曜日に開催していきたいとのことでした。
パレード後、すぐ反省会が行なわれていて、すでに来年に向け動き出している様子がうかがえました。ちなみに毎年11月3日の「お産の日」には「サンバ(産婆)フェスタ」も開催、LGBTQコーナーも設けられます。
夜には京都レインボープライドのLOYさんがパーソナリティを務めるFMひめの「ロイネイロ」(毎週日曜20時〜21時)で岸和田レインボーパレードの感想などが話されていました。
岸和田レインボーパレード、シンプルだけどインパクトは強い、素敵なパレードでした。パレードの基本を思い出すことができました。関係者のみなさん、お疲れ様でした。ありがとうございました。
(取材・文:VEN)
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