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レポート:KANE&KOTFE Wedding and Special LIVE@『私たちだって“いいふうふ”になりたい展㏌東京2022』
元警察官&元消防士のカップルで婚姻の平等(同性婚)の実現を目指す活動などもしているKANE&KOTFEのお二人が『私たちだって“いいふうふ”になりたい展㏌東京2022』に合わせて「Wedding and Special LIVE」を開催しました。
元警察官&元消防士のカップルで、婚姻の平等(同性婚)の実現などLGBTQの権利擁護についての活動もしているKANE&KOTFEのお二人が11月23日(祝)、『私たちだって“いいふうふ”になりたい展㏌東京2022』の企画の一環として「Wedding and Special LIVE」のイベントを開催しました。レポートをお届けします。
11月23日はあいにくの雨模様でしたが、南青山の「ジャスマック青山」には大勢の方が詰めかけ、テレビカメラなども入っていて(NHKと関テレが来ていました)、にぎやかでした。
玄関を入ってすぐ右手に素敵なフォトブースが設けられていました。
1階は『私たちだって“いいふうふ”になりたい展㏌東京2022』の展示会場です。「同性婚について知ってほしい!」「より安心して生きたい!」という同性婚(婚姻の平等)や同性パートナーシップ証明制度について解説・紹介するパネル、企業での取組みのパネル、当事者の声のポップアップ、同性婚実現のために何をするかの意思表示アンケート(同性婚に賛成?反対?というアンケートもあったのですが、反対はありませんでした)、自由にメッセージを書けるボード、それから、公正証書の実物なども展示されていました。恋愛占いや、グッズの販売コーナーもありました。
展示はこれで終わりではなく、地下1階に降りると、moriuoさんが同性カップルを描いた素敵なイラストがたくさん展示されていましたし、カップルの素敵な写真も展示されていました。また、「あなたと”いいふうふ”になりたい!」という13組の同性カップルが結婚への思いを手書きで綴ったパネルも展示されていたのですが、これが本当に…それぞれのカップルにドラマがあり、一人ひとりがパートナーへの愛を語っていて…泣けてきてしかたありませんでした。どうしてこんなに愛し合ってるのに結婚が認められないんだろう?って誰もが思うと思います。
素敵な展覧会でした。ぜひご覧ください。『私たちだって“いいふうふ”になりたい展㏌東京2022』は26日(土)18時まで開催されています。
そしてこの日は、『私たちだって“いいふうふ”になりたい展㏌東京2022』の企画の一環として、KANE&KOTFE Wedding and Special LIVEが開催されました。「模擬」挙式と謳われていましたが、それは同性婚が認められたときに正式に結婚式を挙げたいという気持ちから、「模擬」としたんだそうです。
島田愛さんという方が司会をつとめ、まずはKANE&KOTFEさんのお二人が螺旋階段を降りて(素敵!)、大きな拍手を浴びながら入場しました。揃いの美しい青いタキシードを着たお二人は、「僕たち二人は自分らしく、自分の気持ちに素直に正直に歩み続ける家族でいることを誓います」との誓いを読み上げ、共にサインしました。
KOTFEさんは「近い将来本当の結婚式ができるように」と挨拶しました。
それから、花*花のお二人が登場し、スペシャルライブを披露しました。こじまいづみさんは前日に#ALLYのハッシュタグをつけて「明日は大事な友達カップルの挙式。心を込めて、唄います。どうしよ、絶対泣くやん。」とツイートしていらっしゃいましたが、本当に、大切な友達の結婚式のために、という心からの気持ちが伝わってくるような、素晴らしいライブでした。「イロイロ」「True Colors」「さよなら 大好きな人」「あ〜よかった」と4曲も歌ってくれて、間にはおのまきこさんが泣きじゃくるKOTFEさんにハンカチを渡す場面もあり(ちなみにまきこさん、この日がお誕生日だったそうです)、笑いもこぼれ、あったかくて幸せな気持ちになれる、本当に素敵な時間でした。花*花のお二人がLGBTQイベントで歌うのは初めてだそうです。
感謝の言葉を述べたあと、KANE&KOTFEさんはお色直しに入り、お二人が上京のために引越しをする様子や世田谷区でパートナーシップ宣誓する様子などのYouTube映像がスクリーンで上映されました。
着替えを終えたお二人が再度登場。KOTFEさんは黒のタキシードでしたが、KANEさんが着ていたのは、消防士の方が結婚式で着る儀礼服でした。警察官や消防士は結婚式でこういう儀礼服を着ることが多いそうで、KOTFEさんは「うらやましい」と、「僕たちの人生ではないと思っていた」と語り、いつかこれを着て結婚式を挙げたいと、「僕たちあきらめなくていいんだよと言える、そんな日が来ればいいな」と思っていたと語りました。KANEさんが着ていた儀礼服は、大阪消防振興協会が、今回の式の趣旨を聞いて、快く貸してくださったんだそう。素晴らしいですね。
KANEさんも「人前でしゃべるのは苦手なんですが」と言いながら、開催の実現に協力してくださったみなさんへの感謝の言葉を述べ、こういうお話をしてくれました。曰く、以前は結婚式を挙げるということを全く考えていなかった、同性なんだからできなくて当たり前だと思い、疑問にも思わなかった、自分は「あきらめさせられていた」と。オランダでは20年も前に同性婚ができるようになったということを知って衝撃を受け、日本でできないのはおかしいよなと思い始めた、それで全国のパレードやデモに参加し、二人で発信するようになった、今日、こんなにたくさんの方が応援してくれて、本当にうれしい、僕らは堂々と式を挙げることが大事だと思う。素晴らしいお話でした。PRIDEってこういうことだと思います。
花*花のお二人がアンコールでもう1曲歌ってくれました。いづみさんは、「友達が大好きな人と一緒になりたいと言ってる。全力で応援します!」と語りました。
最後に、参加者のみなさんの集合写真を撮り、お開きとなりました。
KANE&KOTFEさんはたくさんのお友達に囲まれて幸せそうでしたし、参加したみなさんも、幸せをお裾分けしてもらえたような心からの笑顔でお二人の結婚式を祝福していました。まさに「同性婚が実現しても誰も困らない、ただ幸せな人が増えるだけ」ということを絵に描いたような素敵な空間でした。
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