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レポート:京都レインボープライドパレードフェス2022
2022年4月10日(日)、第2回目となる京都のレインボーパレードが開催されました。昨年は初開催でありながら、雨の中のパレードとなってしまい、残念でしたが、今年は見事に晴天となり、500人を超える参加者のみなさんが市役所前から河原町通〜七条〜梅小路公園までを晴れやかに行進しました。梅小路公園では野外フェスも開催されました。レポートをお届けします。
昨年4月、京都で「京都レインボープライドパレード」が初開催されました。せっかくの初開催、せっかくの桜の季節なのに、パレード直前に雨が降ってきてしまい(花時雨)…それでも、約200名の方々が市役所前〜河原町通り〜四条大橋〜南座〜祇園・円山公園という市内随一の目抜き通りを行進しました。
主催者のそらにじ京都のみなさんは、おそらく雪辱に燃えていたと思うのですが、早くから2022年の開催日程を発表するとともに、今年は「京都レインボープライドパレードフェス」として、パレード後に梅小路公園でフェスもやりますと、よりパワーアップしたかたちでの開催を発表していました。
そして2022年4月10日(日)、みなさんの「パレードに雨を降らせないで」との思いが結実したかのような見事に晴れ渡った空の下、「京都レインボープライドパレードフェス」が開催されました。
10時半、(昨年は工事中だったのですが、今年はきれいに広々とした広場になっていた)市役所前広場に大勢のパレード参加者が集まってきました。程なくして、パレード前集会が始まり、市長さんがご挨拶。「パートナーシップ宣誓制度」をはじめとする京都市のLGBTQへの取組みについてお話したあと、三洋化成などパレードに参画する企業が増えていることを評価し、市も連携していきたいと、性の多様性を理解し、「LGBTQの生きづらさを一つ一つ丁寧に取り除いていく取組みを進めてまいりたい」と語りました(また、京都市の姉妹都市であるキーウのことに触れ、市役所前に亡くなった方を追悼する祭壇を設けているということ、ロシア軍の即時撤退を求めるとも語っていました。この日のお着物は青と黄色でした)。続いて、在大阪・神戸アメリカ総領事館のリチャード・メイ・ジュニアさんがご挨拶しました(在大阪・神戸アメリカ総領事館からは4名の方々が来られていました。TwitterでもPRIDEを持ってパレードに参加したことを報告していました)
それからパレードに向けて整列が始まり、総勢500名の参加者のみなさんが(事前登録だけで300名弱に達していて、当日は500名になったそうです)、11時に市役所前広場を出発しました。
青空の下、パレードの一行は、御池通から市内随一の繁華街・河原町通を下り、七条から西に向かい、大宮通から南へ下って京都水族館がある梅小路公園へと向かいました。気温がグングン上がっており、たぶん25度を超える夏日だったと思いますが、トゥクトゥク(なんと、実行委員のやよいさんの私物だそうです。クラブ系の音楽を流したり、マイクでLGBTQのことを話したりしてました)とLGBT-Allyプロジェクト+三洋化成が協賛したフロート(トラック)に先導され、元気に約4.1kmのコースを歩ききりました。
途中、マンションから、お店から、車から手を振ってくださる方もいました。カンテレのニュースでは、沿道でパレードに出会った方が「しっかり行動であらわせるのは、僕より若い子もいっぱいいたのですごいなと思いました」とコメントしていました。
大阪、和歌山、奈良、岡山のプライドの方たちをはじめ、「結婚の自由をすべての人に」関西訴訟の原告の坂田麻智さん&テレサ・スティーガーさん、Niji Usagi(インターナショナルなグループ)などLGBTQの方たちももちろん参加してましたし、お子さんやワンちゃんも歩いてましたし、三洋化成(40名もの方々が参加。ゲイのYouTuberかずえちゃんの姿もありました)、京セラ、パナソニック、チェリオ、W大阪などの企業のみなさんや、福祉関係の団体の方など、本当にいろんな方たちが歩いていました。
主催のそらにじ京都さんがTwitterで「みんなで歩けば京都の道もレインボーロードに」と書いていたように、伝統を重んじる保守的なイメージだった京都の街が、この日、たしかにレインボーカラーに染められたと感じました(たぶん京都に住んでいる、住んだことがある方は、みなさん感慨を覚えたことと思います)
パレードの一行が到着した梅小路公園の芝生広場は、あちこちで家族連れがピクニックしていて、桜もまだ咲いていて、時折蒸気機関車の汽笛の音も聞こえてくる、素敵な広場でした。目の前に市電を使った休憩所やカフェ、トイレや喫煙所もあって、とても過ごしやすい場所でした。
ステージの奥側のスペースに、いくつかのブースが軒を連ねていました。まずは出展ブースをご紹介します。
13時過ぎには、大きなステージを使ってフェスがスタートしました。
ステージでは音楽ライブやお笑いなど、総勢10組によるパフォーマンスが繰り広げられました。パレードのステージではドラァグクイーンのショーや音楽ライブが行なわれるのが定番ですが、お笑い芸人の方たちの演目が見られたのが関西らしくて面白かったです。主催者のみなさんのつながりで快く出演してくださった方たちだそうですが、みなさん全力でステージを盛り上げてくださって、素晴らしかったです。全部をご紹介できなくて恐縮なのですが、特に印象的だった方たちをピックアップさせていただきます。
最後に、主催団体・そらにじ京都のみなさんがご挨拶し、みんなで「ハッピープライド!」と声を合わせて、閉幕となりました。
とても暑い(熱い)一日でしたが、よく晴れた絶好のイベント日和のなか、大勢の方々が参加してパレードとフェスが成功したこと、本当によかったと思います。
考えてみれば、コロナ禍以降、全国のパレードが中止・延期・オンライン開催を余儀なくされるなか、フロートが出て数百名が公道を歩くような本格的なプライドパレードとして2年連続でリアル開催を実現したのは京都が初です。スゴいことじゃないでしょうか。
また来年も開催します!とのことでしたので、関西方面のみなさん、ぜひご参加ください。主催者やボランティアスタッフのみなさん、出演者のみなさん、協賛企業のみなさん、本当におつかれさまでした。ありがとうございました!
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