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レポート:足立レインボー映画祭
6月19日、東京芸術センター天空劇場という立派な会場で、足立レインボー映画祭が初開催されました。区民の方たちがLGBTQへの理解を深められるような有意義なイベントでした。
2021年6月19日(土)、東京都足立区で足立レインボー映画祭が初開催されました。
会場は東京芸術センターという結構な高さの建物の21階、北千住の街や隅田川を眼下に望む天空劇場という400名収容の立派なホールでした。
ロビーには「LGBTQとは?」とか、世界の状況を示したパネルなども展示されていました。
レポートをお届けします。
(後藤純一)
上映作品のうち『カランコエの花』と『チョコレートドーナツ』はすでに観たことがあったので、今回は『ラフィキ ふたりの夢』だけ観ました。ケニアという国で同性愛者が置かれている状況…想像を絶する苛烈さです。打ちひしがれます。女性どうしであればなおさらです。それでも、絶望せず、「ふたりの夢」をあきらめず、手を取り合って進んでいこうとする姿に胸を打たれます。名作でした。
終映後には、司会の牧村朝子さんと、LGBTQ難民の支援をしている山本そよかさん(「東京都にパートナーシップを求める会」の代表の方でもあります)のトークショーが行なわれました。本国ではこの映画は上映禁止となったということ、ケニアに限らずですが、イギリス統治時代にもたらされた同性愛を違法とするソドミー法や宗教の影響、ウガンダの映画『Call Me Kuchu』のこと、などが語られました。(ちょうど本日、6月20日は「世界難民デー」です)
『カランコエの花』『チョコレートドーナツ』『ラフィキ ふたりの夢』は、いずれも(その国によって現れ方に違いはありますが)ホモフォビアを描いた映画です。社会のホモフォビアに苦しむ同性カップルの姿を通して、観る人に問いかけるような作品です。そのセレクトもGOODですし、各回に、その映画にふさわしい専門家(例えば学校での出来事を描いた『カランコエの花』では、オープンリー・ゲイのシゲ先生とか)が解説するトークセッションが設けられることで、皆さんきっと、腑に落ちたり、よりよく理解できたことと思います。
100名くらいのお客さんが、ソーシャルディスタンスで席の間隔を空けて座る感じでご覧になっていて、レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)などとは異なり、ほとんどが一般区民の方のように見受けられました。私の前の席は70〜80代の老夫婦で、お孫さんが当事者の方で、少しでもLGBTQのことを理解しようという気持ちで来られたのかなぁ…とか想像すると、なんだか泣けてきました。
おそらく足立区で最も立派な会場で、このような区民向けイベントが無料で開催されたこと、とても感慨深く感じました。素晴らしいです。
足立区は皆さんご存じの通り、区議会でひどい差別発言があったことが全国的に報道されて問題視され、近藤やよい区長が当事者の方のお話を聞く場を何度も設け、速やかにパートナーシップ&ファミリーシップ制度を実現しました。
足立区のニュースリリースによると、パートナーシップ宣誓第1号カップルとなった長村さん&茂田さんが実行委員会をつくって実施したイベントだそうで、冒頭にはお二人や近藤区長からの挨拶もあったそうです。
(行ったことがないので推測になりますが)おそらく10年以上前から行なわれていた青森や香川のレインボー映画祭なども、このような感じのイベントになっているのではないかと思います。日本各地でこのような映画祭が開催されることで、それこそおじいちゃんおばあちゃんから若い方まで、町の人たちにLGBTQへの理解・共感が広がるきっかけになるはず。そういう意味で、このような地域密着型の映画祭も(レインボー・リール東京などとともに)普及していくといいなと思いました。
実行委員会やスタッフの皆さんに、おつかれさまでした、ありがとうございました、と申し上げたいです。
なお、足立レインボー映画祭は10月末または11月3日に第2回が予定されているそうです。また詳しいことがわかりましたらお知らせいたします。そして次回はぜひ、皆さん足をお運びください。
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