事例紹介
vol.24 住友林業(LGBT-Allyプロジェクトより)
記事日付:2024/12/07
LGBT-Ally プロジェクトとは、「We are Here!! We are Ally!!」をテーマに
ひとりでも多くのアライを増やすことを めざす、アウト・ジャパンとアライ企業との共同プロジェクトです。
今回は、【LGBT-Allyプロジェクト2024オープニングイベント】から
住友林業グループさんの取り組みを、ご紹介させていただきます。
※住友林業グループさんの取り組み紹介動画は、こちら からご覧いただくことができます。
住友林業グループの取り組み
住友林業 株式会社、人事部、働きかた支援室の原田と申します。
今日は、よろしくお願いいたします。
LGBTQの取り組みについてお話しさせていただく前に、まずは、弊社の会社概要から説明させてください。
■住友林業グループについて
住友林業 株式会社は、1691年に創業しました。
グループ会社は、国内で 37社、海外では 311社ありまして、グループ全体の従業員数は 21,948名となっています。
創業から 330年あまりが経つ中で、働く人、働く場所は、大きく範囲を広げて変化をしてきました。
先程の数字の変遷を、これまでの事業展開を基にお話しさせていただきます。
私たち住友林業グループは、木や森林に関するビジネスを、国内外で、川上・川中・川下で展開しております。
創業した1691年には、まず森林の経営から始まりました。そして、1960年には木材の商社として事業を行い、1970年には木材の製造事業も開始しました。
さらに、1975年には、自社で製造した木材を使った注文住宅の事業を始め、2003年には日本だけでなく米国にも事業進出。現在では、オーストラリアやインドネシア、ベトナムでも事業に取り組んでいます。
また、実は建築以外の分野にも事業展開しておりまして、バイオマス発電などへも進出。家だけではなく中大規模の木造建築を作ったり商業施設事業も始めておりますし、木を主軸とした さまざまな事業を通じて、社会課題の解決に取り組ませていただいております。
このように、現在では日本全国、さらに世界へも事業を展開し、多様な能力や価値観を持つ人材と共に働く環境へと変わってきています。
今後も さらなる挑戦や成長をめざすと共に、多様な人材一人ひとりが自分らしく働ける環境を作っていかなければならないと思っております。
そこで私たちは、4月に宣言を出しました。
上記画像の通り、住友林業グループDEI宣言を発出。住友林業グループの行動指針の一つにある「多様性を尊重し、自由闊達(かったつ)な企業風土を作ります」に基づき、住友林業グループのDEI宣言を社長の名前でグループ全体に発信しました。
新しい価値の創出やイノベーションをめざし、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョンを推進する。
この推進の一つに、LGBTQの理解浸透があります。
次に、住友林業のLGBTQ施策のご紹介を、ロードマップを用いてお話しさせていただきます。
誰もが働きやすく活躍できる職場環境をめざし、これまで、さまざまな取り組みを行ってきました。
その取り組みを検討する中で軸としたのが、ロードマップ下部に記載させていただいております、「制度の整備」「社員(一人ひとり)の意識醸成」そして「理解から行動へ(移すこと)」。
この3つを軸に、2021年からアウト・ジャパンさまとご一緒に進めてまいりました。
まず「制度の整備」ですが、2022年 1月にパートナーシップ制度、2022年の 9月に通称使用の制度を作りました。
これによって、同性事実婚パートナーの方も配偶者と同様に、弊社の社内制度・福利厚生をご利用いただけるようになりました。
また、通称使用というところでは、戸籍上の氏名利用に限定せずに、より働きやすい環境へとつがるような制度作りをしました。
次に、弊社内への浸透に関する取り組みのご紹介をさせてください。
LGBTQのeラーニング実施をさせていただいたり、LGBTQの研修やハンドブックを社内へ周知することで、浸透を図りました。
この社内浸透においてですが、弊社は注文住宅の事業も展開しておりますので、社員だけでなく お客さまに対する観点(LGBTQのお客さまに対する基礎知識を含めた観点)が より大切になります。
そのため、その点に関しても研修を実施してきました。
ここで、一点 現場で実際にあった話をご紹介します。
同性パートナーと お付き合いをされている方に、ご契約していただいたという事例がございました。
お家を引き渡した際、お客さまから「特別な対応をされるということでもなく、特別な反応をされるということでもなく、ごく普通に対応してもらえたことが凄く うれしかった」というお言葉をいただくことができました。
社員一人ひとりのLGBTQへの理解は、会社だけでなく、弊社と関わる全ての方に対して非常に大切なことなのだと改めて実感した出来事でした。
こちらに掲載していることは開始年度を記載していますが、今後も継続して、さらなる理解の浸透、そして理解から行動へと移せるようにしていきたいと思います。
そして、「理解から行動へ」の観点から、Ally表明としてステッカーの配布。
また、社内・社外の相談窓口を設けて、一人ひとりの行動をサポートできるようにしております。
ステッカーを配布した社員、例えば、人材育成の部署にいる新入社員、若手社員の講師を務めるといった立場の社員たちから、こんな意見がありました。
「相手がLGBTQなのか? また、カミングアウトは強制したくないけど、職場で もしそのことで悩んでいるのなら、ちゃんとサポートさせていただきたい。そのため、そのことに悩んでいたんですけど、このようにAllyステッカーがあることで、(相手も自分も)安心してコミュニケーションを取れることにつながって助かっています」
引き続き、ステッカーは配布する予定です。
そして、これまでの取り組みを行う中で、プライド指標ではゴールド認定を 2022年、2023年と 2年連続取得することもできました。
引き続き止まることなく、さまざまな取り組みを行っていきたいと思います。
【※】
以上が弊社の取り組み紹介となりますが、今回、東京レインボープライドへの参加は 10名弱。初めて複数名で参加をさせていただきます。
みんなで おそろいのTシャツも作りました。
行動人数を増やして、一人でも多くのAllyが増えていくよう、皆さまと、そしてアウトジャパンさまとも一緒に、誰もが働きやすく活躍できる職場環境作りを推進していきたいと思っております。
これからも、どうぞ よろしくお願いいたします。
ご清聴いただき、ありがとうございました。
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