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ドイツのサッカー選手800名以上が連名でアライ宣言、同性愛者の選手への支援を誓いました
ドイツのサッカー選手800名以上が連名で、同性愛者の選手がカミングアウトしても「支援し、励まし、必要ならば守ることを誓う」と宣言しました。
2月17日、ドイツのサッカー界選手800名以上がドイツのサッカー雑誌『11フロインデ』において連名で「私たちは支援し、励まし、必要ならば守ることを誓う。貴方たちは正しいことをしており、私たちは貴方たちの味方だ」として、同性愛者であるとカミングアウトする選手への支援を誓った。もちろん、カミングアウトは強いられるものではなく「あくまで個人の自由な意思」であることを強調したうえで、のことです。
「2021年になっても、ドイツの男子プロサッカーリーグでは誰もカムアウトしていない」
「カミングアウトによりキャリアを危うくするという不安は、いまだ大きなものであるということだろう」
この宣言に参加している主な選手は、ニクラス・シュターク、バカリー・ジャッタ、アルムート・シュルト、アレクサンドラ・ポップ、またケルンのように「どこの出身であっても、どの宗教であっても、生き方、愛し方も関係なく、このドイツで最も美しい街は、真心をもってお迎えします」と、クラブ全体が支持を表明しているところもあります。マックス・クルーゼは、「カミングアウトした仲間がいれば、俺は外にいる馬鹿な連中から守る」と力強いメッセージを送りました。
2014年、元ドイツ代表のトーマス・ヒツルスペルガーがカムアウトしたのは、現役引退後のことでした。元バイエルン・ミュンヘンのサイドバックだった(ドイツ代表チームでトーマス・ヒツルスペルガーとも一緒だった)フィリップ・ラームが「同性愛者はすべての相手や出場する試合で、同じような声援を期待することはできないだろう。相手チームからの攻撃の対象にされる可能性もある。精神的にもタフでなくてはならない」として、カミングアウトは引退後にすべきだと推奨するくらい、ドイツのサッカー界はまだゲイの選手にとって厳しい環境であると言えそうです。
そんななかでのこの800名の選手によるアライ宣言は、本当に力強く、勇気を与えるメッセージになったはずです。
ちなみにドイツでは今月、LGBTQ俳優185人が一斉カミングアウトしています。独力では実現が難しい課題も、大勢で一緒に動くことで力に変えていこうとするスタンスは、今回の800名のアライ宣言とも共通するものがあります。日本もそうですが、なかなか当事者一人ひとりがカミングアウトして矢面に立つのは厳しいという状況にあるところでは、このような方法が有効なのかもしれないですね。
参考記事:
800人以上のドイツサッカー選手が、同性愛者への支援を表明(kicker)
https://kicker.town/bundesliga/2021/02/154416.html
ラーム「同性愛のカミングアウト」は引退後を推奨「攻撃の対象にされる」(Sportsbull)
https://sportsbull.jp/p/953282/