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自動車メーカー各社がLGBTQへの取組みを進めています
日刊自動車新聞の記事によると、自動車メーカーでの社内LGBTQ施策が進んでいます。LGBTQへの理解を深める従来の社内教育に加え、今年7月までにトヨタ自動車、日産自動車、ホンダが、パートナーが同性である従業員にも結婚に関する福利厚生を拡充したそうです。
日産自動車は、LGBTQセミナーやeラーニングを通じて社内啓発を行ってきたほか、2016年には社内のLGBTおよびアライによる従業員ネットワークを立ち上げました。また2017年から3年連続で東京レインボープライドに協賛(ブース出展)しています。昨年7月には、パートナーが同性である従業員にも結婚祝金支給や休暇制度などを適用しました。こうした取組みが評価され、2017年から3年連続でPRIDE指標の「ゴールド」を受賞しています。
三菱自動車は2018年、国内の主要4拠点で外部講師によるLGBT理解促進セミナーを実施したほか、オリジナルの「ALLYステッカー」を配布し、社内におけるアライの見える化を推進しました。また、東京レインボープライドに協賛し、ブース出展しました(昨年も出展しています)。こうした取組みが評価され、2018年から2年連続でPRIDE指標の「ゴールド」を受賞しています。
ホンダは今年4月から、結婚休暇や結婚祝い金、転勤時の単身赴任手当などをパートナーが同性である従業員にも支給するようになりました。養子や事実上の養子がいる場合も、育児休職や家族社宅の利用対象とするそうです。また、2018年から実施してきたLGBTQ研修に加え、管理職向けのeラーニングを今秋開始します。日経新聞によると、本社ビルや工場に、ジェンダーアイデンティティを問わない多目的トイレを設け、トイレのサインに「ALL GENDER」の文字を加えました(製造現場でもこうした配慮を行うことは大切ですね)
トヨタでは、今年4月に全従業員対象のeラーニングを実施しました。社内のアライは現時点で1万9000人に増加し、今後も増える見通しだそうです。また、今年7月には、パートナーが同性である従業員にも、結婚に関する福利厚生を拡充したそうです。
一方、販売会社など自動車関係の企業全体に視野を広げると、社内LGBTQ施策が十分に実施されている企業は決して多くないそうです。自動車販売会社では近年、女性従業員も働きやすい職場環境の整備を進めてきたものの、LGBTQに関しては対応が進んでいない企業がほとんどだと見られています。パワハラ防止法で中小企業も2022年4月までにSOGIハラおよびアウティングを防止する対策の実施が義務付けられるため、こうした企業も今から施策を進めることが求められます。
こうした現状に鑑み、ホンダでは、販売会社に向けて自社の取組みを横展開していく方針です。今年1月には販売会社の社内向け冊子を活用し、LGBTQを含めた多様な人材の活躍推進に向けた情報を発信しました。今後は、ホンダの社内教育ツールなども販売会社向けに展開していくことも検討しているそうです。
参考記事:
LGBT対応、製造業に広がる ホンダは同性婚に休暇(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58328690R20C20A4TJ1000/
自動車メーカー各社、LGBT働きやすく 社内教育や制度見直し(日刊自動車新聞)
https://www.netdenjd.com/articles/-/235070