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来春からの小学校教科書に初めて性の多様性のことが記載されることになりました

 来年4月から小学校で使われる保健体育の教科書に性的マイノリティの記述が盛り込まれることが明らかになりました。小学校の教科書でLGBTのことが取り上げられるのは、初めてです。

 光文書院の3年と4年の教科書では『「性」についてのなやみ』という見出しで、「みなさんのなかには、自分の「体の性と心の性がちがう気がする」と感じる人や、「異性に関心がもてない」と感じる人がいるかもしれません。自分の性のことで、ほかの人とちがうと感じたり、不安なことや心配なことがあったりしたら、あなたが信頼している大人に相談してみましょう。だれに相談したらよいかわからないときや、周りに相談できる人がいないときには、性のことでなやんでいる人のための電話相談窓口で相談することもできます」と書かれています。

 また、文教社の5年と6年の教科書では、友人への相談の仕方や相談の受け方を考えるコーナーで、「寄り添うことの大切さ」という見出しで、「自分の生まれた性別と、心の性別が一致しないことで、不安やなやみをもっている人がいます」として、そういう友達がいる場合、一人ひとりの個性を尊重し、認め合うこと、寄り添うことが大切であると記されているそうです。
 
 LGBTイシューに詳しい早稲田大学の棚村政行教授は「日本にとっては非常に画期的なことだが、すでに取り組んでいる欧米の国々をみると、あくまで第一歩だと思う。LGBTについて教育現場で深く学んでいくためには、もっともっと伝え方を工夫する必要がある」と語っています。
 
 教科書×LGBTについては、すでに高校の家庭科と倫理の教科書で性的マイノリティや多様な家族について記述されているほか、今年4月から中学の道徳の教科書に性的マイノリティのことが記載されます。
 2016年の学習指導要領改訂の際は、「思春期になると、だれもが、遅かれ早かれ異性に惹かれる」という誤った(同性愛を無いものとした)記述を変えよう、義務教育の教科書でも性の多様性について教えてもいいのではないかという声が上がり、署名やパブリックコメントが届けられました。が、その声は聞き入れられませんでした(文部科学省は「現段階で性的少数者を扱うのは、保護者や国民の理解、教員の適切な指導などを考慮すると難しい」とコメント)
 今回、一部ではありますが、小学校の教科書で初めて取り上げられ、歴史的な一歩を刻むことになりました。


参考記事:
LGBTを初めて記述 来春から使用の小学校教科書(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190327/k10011862061000.html
小学校教科書検定 新要領初 英語 聞く、話す重視(毎日新聞)
https://mainichi.jp/articles/20190327/ddm/010/100/049000c

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