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東京都豊島区でも同性パートナーシップ証明制度導入へ 渋谷区に続き、条例制定を目指す意向
9月19日、東京都豊島区の区議会定例会の招集挨拶で、高野之夫区長が、来年2月の区議会で同性パートナーシップ証明制度についての条例案を提出する意向であることを語りました。
豊島区では、定例区議会が始まる最初の時に、区長が、世間の出来事(今回で言うと、北海道の地震など)へのコメントから始まり、昨年度の決算報告、今回の定例議会で話し合う様々なトピックの要点などについて1時間くらい話をするのが通例です(「招集挨拶」と言います)
この日の招集挨拶のなかで高野区長は、ゲイであることを公にして活動を続けてきた石川大我区議の顔を時々見ながら、どこか語りかけるような感じで、同性パートナーシップ証明制度の導入について語りました。
「次に、パートナーシップ制度について申し上げます。
本区では、平成23年12月に策定しました第三次男女共同参画推進行動計画に「性的少数者の人々への理解の促進」を掲げ、区民への啓発事業を実施してまいりました。また、平成30年2月には、当事者の方に安心してご来庁いただけるよう、職員向けの対応指針を作り、全職員を対象に研修を行っているところです。
先の第2回区議会定例会におきまして、パートナーシップ宣誓制度の創設に関する請願が採択されたところで、現在、制度設計の具体化に向けて、検討に入ったところです。
多様な性自認・性的指向の方々は、日常の様々な場面で困難を抱えておりまして、官民問わず、支援の動きが広がりつつあります。こうしたパートナーシップの宣誓制度などは、婚姻に相当するような法的拘束力はありませんが、区議会での請願採択を重く受けとめまして、豊島区として、今できることを実現する段階に来たと考えています。
年内に制度設計を取りまとめ、豊島区高田男女共同参画推進会議からのご意見もお聞きした上で、来年の第1回区議会定例会に条例案を提出したいと考えております。
制度の創設によりまして、多様な性自認・性的指向の方々の日常生活の支援とともに、全ての区民の方々の理解につながるように取り組んでまいります」
同性パートナーシップ証明制度を実施している自治体は全国に9つありますが、渋谷区以外はすべて、首長の判断で導入可能な要綱に基づくものです。議会の承認も必須となる条例を制定する意向を示したのは豊島区が2例目であり、また、区民からの請願を受けて条例を制定することにしたのは、豊島区が最初となります。
請願を出したのはNPO法人レインボーとしまの会という団体で、豊島区男女平等推進センターの活動を手伝ったり、巣鴨地蔵通り商店街で地元の方々とふれあうイベントを開催するなど、地域密着型の地道な活動を続けてきたそうです。
実は5年前に(渋谷区に先駆けて)同性カップルに対して区独自のパートナーシップ証明書を発行してはどうか?と区議会で提案していた豊島区議の石川大我さんは、ようやく制度が導入されることになった(しかも条例を制定することになった)ことを受けて、こう語りました。
「2013年に議会でパートナーシップ制度の創設を提案してから5年、豊島区がようやく実現に向けて大きな一歩を踏み出しました。当事者議員の一人として、区長が当事者たちの思いに応えてくれたことをうれしく思います。条例に基づくパートナーシップ制度を創設することによって、より安定性が高まるため、意義深いのではないでしょうか。パートナーシップ制度は日々進化しています。豊島区らしい独自性のある制度ができるよう、議会でも提案していきたいと思います」