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中野区で同性パートナーシップ証明制度がスタートし、証明書の交付式が行われました
中野区で8月から同性パートナーシップ証明制度がスタートというニュースでもお伝えした通り、東京都中野区で「中野区パートナーシップ宣誓」制度が施行され、宣誓書の提出の予約受付けが8月20日から始まり、そして9月6日、第1号となるカップルへの証明書(宣誓書の受領証)の交付が中野区役所で行われました。
9月6日、中野区長から証明書(宣誓書の写し)を授与された第1号カップルとなったのは、レズビアンとバイセクシュアル女性のためのセンター『LOUD』の代表、パートナー法ネットの共同代表を務める大江千束さんと、パートナーの小川葉子さん。お二人は、約25年前にレズビアンの集まりで出会っておつきあいをスタートし、20年以上も共に暮らしてきたそうです。
約25年前(1990年代前半)といえば、まだインターネットがなく、ゲイ向けにはゲイ雑誌がありましたが、レズビアンの方にはメディアがなく、情報を得ることも出会うことも難しかった、そして世間の偏見・差別も厳しかった時代ですから(小川さんが「死を考えていた」とおっしゃっていましたが)お二人が出会い、共に生きていくことを決めて、ずっと一緒にやってきた、その年月にはどれだけの困難があったことか…と想像されます。
お二人は9時過ぎに中野区役所の一室で宣誓書の受領証の交付(授与)を受けました。酒井区長だけでなく区議会の議長や各会派の代表の方々、石坂わたる区議、そしてこの制度の実現を求めて活動してきた「中野にじねっと」のみなさんが見守るなか、お二人が宣誓を行い、それから、酒井区長が宣誓書の受領証をお一人ずつに手渡しました(大きな拍手が起きました)
酒井区長は「本日はおめでとうございます。新しい制度をさっそく申込んでいただき、ありがとうございます。中野区としても取り組みを、いま宣誓していただいたように、多様性、一人一人が本当に受け入れられる地域社会を目指して、制度を進めてまいります。ここをこうしたほうがいいという改善点も出てくると思いますので、より多くの人に利用していただけるよう、ご協力をお願いします。本日はおめでとうございます。ありがとうございました」と祝辞を述べました。
続いて、大江さんが「みなさんありがとうございます。感慨深い、それだけに尽きます。私たちは25、26年、パートナーシップを営んできました。本当に楚々と、市井の者として生きてきて。このようなことは、生きている間には起こらないと思っていた。ひっそりと、支え合って生きてきた。そういうなかで、私たちが活動し、住まう中野区で、今日を迎えられたのは、感慨深い。私たちの後ろにたくさんの当事者がいる、そういう人たちの思いを背負って、今日を迎えられたんだと思います。これをいいスタートとして、多くの当事者が住んでいるという実感がありますので、そんな中野区で、多様性のある、誰もが住みたいと思う区になるよう、私たちも及ばずながら、協力していきたいと思います。ありがとうございます」と語りました。
小川さんは、「貴重なお時間をいただき、心より感謝しております。私たちがここまでくる道のりというのは、様々な試練がありました。お互いの両親を看取るということもそうでしたし、当事者としての生きづらも、生活上もたくさんの困難がありました。私たちと一緒に活動してきた仲間や、会社の同僚や、家族の力があってこそ、です。若い頃は、こんな自分が生きていていいのかといつも思っていた、死を考えていました。ここまで生きてこれたのは、パートナーもいて、家族の支えもあり、仲間もいたから。中野区に居を移したことも何かのご縁。この中野区で、できる限り、小さな団体ですが、活動を続けていければと思っています。いろんな方が生きやすい世の中になってくれれば。そんな中野区であってほしいと心から思います」と語りました。
短い時間ながら、ひしひしと思いが伝わってくるような、感動的な交付式になりました。