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SUUMOが同性カップルの家探しの実状に迫る調査結果を公表、家探しに苦労したという回答が4割に上りました

 昨年、大手住宅情報サイト「SUUMO」で同性カップル入居OKな物件が検索できるようになったというニュースをお伝えしました。
 これに関して、特にゲイとかレズビアンとか言うことなく、友達どうしのルームシェアとして入居しているカップルが多いのではないかとも推測されるが実態はどうなのか、同性どうしだからという理由で断られるケースがどの程度あるのか、といったことは、データとしては明らかにはなっていませんでした。
 そこで、SUUMOジャーナル編集部は、今年3月、同性パートナーがいる(またはかつていたことがある)18歳~59歳の全国の男女364名に対してアンケート調査を実施し、先日その結果を公表しました。


 はじめに、同居経験について聞いたところ、「現在同居している」(22.8%)、「現在同居していないが、過去に同居したことがある」(38.2%)を合わせると約6割(61.0%)となりました。 

 同居経験のある人に、同居してよかったことを聞いたところ、いちばん多かった回答は「気持ちが安らぐ場所ができた」(52.7%)で、続いて「互いの価値観を知ることができた」(49.1%)、「一緒に過ごせる時間が増えた」(46.4%)、「相手の新たな一面が見えた」(43.2%)となりました。
よかったことに関するコメントとして、
・生活を共にしている充実感がある。家事を分担できる。お互い病気のときに心強い(53歳・ゲイ)
・自分がマイノリティであることを忘れられる(31歳・ゲイ)
・家事と家賃がすごく楽になった(44歳・バイセクシュアル男性)
・心が安らぐ性的関係をもてた(38歳・レズビアン)
・同性だからこその悩みや愚痴を打ち明けることができた。また、周囲から何も思われず同棲することができる。恋人としても友達としても大切であることを再認識できた(25歳・バイセクシュアル女性)
・幸せな気分を味わえた(37歳・バイセクシュアル女性)
などがありました。

 同居してみてストレスに感じることのトップは「一人で過ごす時間が減った」(23.4%)、そして「友人との付き合い方について」(23.0%)、「金銭感覚が合わない」(17.6%)となりました。「ストレスを感じたことがない」人も22.1%いました。
ストレスに関するコメントとしては、
・トイレのドアを閉めずに用を足す(31歳・ゲイ)
・味の好き嫌いで、つくった料理に対して喧嘩がしばしば起こるのは残念(25歳・ゲイ)
・光熱費の無駄遣いなどが多いとストレスになる。あと思いやりのない言動など(44歳・バイセクシュアル男性)
・洗い物の仕方が違う。相手がおおざっぱ(54歳・バイセクシュアル女性)
・相手が掃除しなくてもあまり気にしない性格だから、掃除するのが気まずい。自分がやりたいだけ掃除できないとストレスがたまります(28歳・バイセクシュアル女性)
などがありました。

 一方、今まで同居したことがない人(39.0%)の中で「同居しようと思ったことがない」人が64.1%、「同居しようと思ったができなかった」人が35.9%に上ることが明らかになりました。
 それぞれの理由は、以下の通りです。
【同居しようと思ったことがない】
・世間の目があるから(29歳・ゲイ)
・今年から社会人として生活を始めるため、お互いに資金がない(22歳・ゲイ)
・交際はしたいけど生活はしたくない(52歳・バイセクシュアル男性)
・自分自身に同居している子どもが居るので(56歳・レズビアン)
【同居しようと思ったができなかった】
・賃貸契約の書類上の問題(32歳・ゲイ)
・世間から変な目で見られるのが嫌だから(31歳・バイセクシュアル女性)
・当時はまだお互いに学生で金銭的にも不安があり、互いの家族にもカミングアウトできなかった(26歳・バイセクシュアル女性)
・経済的に厳しかった(41歳・バイセクシュアル女性)
「交際はしたいが一緒に生活はしたくない」という人は男性に多かったそうです。

 次に、家探しの契約段階などでカミングアウトをしたのか、LGBTならではの苦労はあったのか、などといった実体験についてです。

 つきあいはじめ、そろそろ同居を始めようとなったとき、新たに家探しをした人は54.9%で、半数を超えました(うち賃貸が42.3%、購入が12.6%)。家探しはせず、どちらかが住んでいた家で同居を始めた人は45.0%でした。

 家探しや賃貸、購入、ローン契約などにあたり、自身のセクシュアリティやパートナーとの関係性を不動産会社などにカミングアウトしたかどうかについては、「カミングアウトする必要がなかったのでしなかった」(45.9%)がトップで、「自分から積極的にカミングアウトした」という方が25.4%という結果になりました。
【カミングアウトする必要がなかったのでしなかった】 
・女性2人でのシェアハウスですがいいですかと聞いたらOKだったので、特に話す必要がなかった(44歳・バイセクシュアル女性)
・同性パートナーだというと物件を探してもらえなくなると思った(53歳・ゲイ)
・カミングアウトすることが怖かった(52歳・ゲイ)
【自分から積極的にカミングアウトした】 
・自分から打ち明けることで、その後のやり取りにおいて信頼をもってもらうため(25歳・ゲイ)
・カミングアウトしたほうが、あとから露呈してトラブルになるより得策だと感じた(50歳・バイセクシュアル男性)

 家探しの苦労については、「やや苦労した」「非常に苦労した」を合わせると全体の44.3%に上り、男性カップルのほうが「非常に苦労した」の比率が14.2ポイントも高くなっていました(男性カップル22.2%、女性カップル8%)
【やや苦労した】
・「ええっ」って顔をされた(58歳・ゲイ)
・女性同士の入居に不信がられてしまった(33歳・バイセクシュアル女性)
【非常に苦労した】
・断られた(29歳・ゲイ)
・同性同士の同居に対して、不動産会社の人たちから偏見の目で見られた(53歳・ゲイ)

 昨年のニュースで、とある住宅情報サイトの運営会社が物件のオーナーを対象に意識調査を行った結果、同性カップルに「入居してほしくない」「入居許可をためらう」といった否定的な回答がゲイカップルで47%、レズビアンカップルで38%にも上ったというデータをご紹介し、大家さんの間で偏見が根強い様子が浮き彫りになりましたが、今回のアンケートでは、大家さんだけでなく、不動産会社の人たちの間でも、まだまだ偏見が根強い様が窺えました。不動産業もサービス業である以上(しかも相当な金額が動く商売である以上)、同性カップルを奇異の目で見たり入居を断ったりするのではなく、異性カップルと同等に接することができるようになるための社内教育を進めることが求められるのではないでしょうか。

 翻って、まだまだ同性カップルが部屋を借りづらい状況に鑑みると、いきなり街の不動産屋に行って不快な思いをしたくない、という気持ちでSUUMOを利用する方も多いのだろうな…と想像できます。
 

 
参考記事:
同性カップル調査[1] 同居してよかったこと、同居のストレスは?(SUUMOジャーナル)
同性カップル調査[2] 家探しをする際、不動産会社にカミングアウトをする人は約3割(SUUMOジャーナル)

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