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東京都がLGBT差別解消を目指す条例の骨子案を発表、来年春施行へ

 東京都は、性的指向などによる差別を禁じた五輪憲章の理念を実現するため、LGBT差別解消やヘイトスピーチの根絶を目指す条例の骨子案を公表しました。LGBTに特化した条例が作られるのは、都道府県では初めてになります。
 小池都知事は記者会見で「東京大会成功のためにも、ダイバーシティを実現することが必要」「ホストシティにふさわしい品格ある国際都市、さらにあらゆる人が輝く都市、すなわちダイバーシティを実現する」と述べています。
 
「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念実現のための条例(仮称)」骨子案(※PDFです)によると、東京2020大会後も見据え、首都東京が条例で宣言することで、ホストシティにふさわしいダイバーシティを実現することを制定意義として謳い、大きく①性的マイノリティ(LGBT等)を理由とする差別のない東京の実現、②ヘイトスピーチ(本邦外出身者への不当な差別的言動)のない東京の実現の2つを柱としています。差別解消の推進とともに啓発及び教育の推進がセットで条例に規定されるところがポイントで、基本計画の策定と、区市町村との協力体制についても盛り込まれるそうです。

 LGBTの方からの相談に対応する総合窓口を設置するほか、ヘイトスピーチについては、予想される集会などへの都の施設の利用の制限を加えたり、ヘイトスピーチを行なった個人や団体を公表することも盛り込まれました。表現の自由に配慮するため、有識者による第三者機関で公正な判断を行うとしています。
 罰則規定について、小池知事は「国際都市として差別は許さない姿勢を示すのが第一」と述べるにとどめ、パブリックコメントで広く意見を募集することとしました。

 東京都は、条例案を9月の都議会へ提出し、可決されれば、条例の一部を先行して施行、2019年4月から全面施行したい考えです。

 五輪憲章は人種や性的指向、宗教、出身国などを理由とした差別は許されないと謳っています。2014年ソチ冬季五輪が開催されたロシアでは、前年に同性愛について公表することを禁じた法律が制定されたため、国際社会の非難を浴び、欧米各国首脳が開会式をボイコットする騒ぎとなりました。

 なお、小池都知事は、昨年末にはすでにLGBT差別禁止を謳う条例を制定する考えを明らかにしていました(詳しくはこちら
 今年の東京レインボープライドにも、コメントを寄せています。


 



参考記事:
LGBTへの差別解消など目指す、都が条例の骨子案公表(TBS)
小池氏、オリンピック憲章実現に向け条例案提出へ(テレビ朝日)
LGBT条例制定へ 19年全面施行目指す(毎日新聞)
都、五輪憲章の理念条例化 ヘイト禁止、枠組み決まる(産経新聞)
東京都がLGBT差別とヘイトスピーチ防止へ「人権条例」制定へ(BLOGOS)

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