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5月4日、ドラマ『弟の夫』全3話が地上波で放送!
3月にNHK BSで放送されたドラマ『弟の夫』が5月4日、NHK総合テレビで3話一挙に放送されることが明らかになりました。
弥一の「弟の夫」であるカナダ人のマイクが、弥一やカナちゃんの家族として受容され、絆を深めていく様を感動的に描きながら、世の中で「普通」とされている根拠のない規範(異性愛規範とか)がどれだけ人々を苦しめているかということをも浮き彫りにしていくような、本当に素晴らしい作品でした。
NHKドラマblogでのインタビュー記事「「わかった」って、簡単に言わなくたっていい。『弟の夫』原作・田亀源五郎さんに聞く」で、田亀さんが「自分と違う価値観や考え方の人間を、簡単に『わかった』とは言わなくてもいいんです。ただ『自分と違う人間がいる』ことを認識してもらえたらいいな、とは思います。セクシャルマイノリティの違いも、個性であり、個人差だと」と語っているように、最初は偏見を持っていて、態度にも表していた弥一が、次第に自身のホモフォビアに気づき(決して同性愛自体を「わかった」のではなく)、違うセクシュアリティの人の存在や権利を認め、尊重するようになった、そのだんだん変わっていく姿に、世間の人たちも当事者も共感できたと思います。
把瑠都さんの存在感や演技も本当に素晴らしかったですし、カナちゃん役の根本真陽さんにも本当に泣かされました。
『弟の夫』は、日本のゲイの歴史はもちろん、日本のドラマ史にも残る記念碑的な作品、金字塔と言えるのではないでしょうか。
残念ながらBSでしか放送されず、まだ観ることができていない方もいらっしゃると思いますが、おそらく要望が多かったのでしょう、このたび、NHK総合テレビ(地上波)での放送が決まりました。5月4日に全3話が一挙放送されます(東京レインボープライドの時期に合わせてくれたのでしょうか。だとしたら、素敵ですね)
未見の方はこの機会にぜひ、ご覧ください!
ちなみに原作のコミック『弟の夫』は2014年9月から『月刊アクション』で連載がスタートし、翌年5月に単行本が発売され、2017年7月に完結巻である第4巻が発売されました(この名作の意義について、いろんな方が熱く語っていらっしゃいます。例えばこちら)
第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞し、また、第44回アングレーム国際漫画祭(漫画界のカンヌとも言われる欧州最大のコミックアワード)で最優秀漫画賞にノミネートされ、『リベラシオン』紙は「フランス全土の学校図書館に置きたい良書」と絶賛するなど、国内でも海外でも高く評価されています。
ドラマを観て感銘を受けた方はぜひ、原作も読んでみてください。
ドラマ『弟の夫』
放送情報
NHK総合テレビ
2018年5月4日(金祝)
第1回13:05~、第2回14:00~、最終回15:05~
スタッフ
原作:田亀源五郎
脚本:戸田幸宏
音楽:阿南亮子
キャスト
折口弥一:佐藤隆太
マイク・フラナガン:把瑠都
平田夏樹:中村ゆり
夏菜:根本真陽
横山先生:大倉孝二
カトやん:野間口徹
参考記事:
佐藤隆太&把瑠都で贈るLGBTドラマ「弟の夫」5月4日に全3話を地上波放送(コミックナタリー)
NHKドラマ、LGBTテーマ作品で理解の広まりに期待(シネマトゥデイ)