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グーグルやマイクロソフトなど50社が連邦裁判所に意見書を提出、同性愛者擁護を訴え
グーグルやマイクロソフト、CBSやバイアコムなど50社からなる企業グループが6月26日、米連邦高等裁判所に対し、職場での性差別を禁止する連邦法により同性愛者の従業員が保護されるとの判断を示すよう求めました。これほど大規模な企業グループがLGBT擁護の姿勢を明確にして連邦裁判所に意見書を提出したのは初めてだそうです。
彼らは、さまざまな調査で同性愛者の40%以上が職場でいやがらせなどの差別を受けたと報告されていることに言及し、性的指向を理由にした職場での差別を明確に禁じた連邦法がないため、そうした法律を採択していない州における人材採用が妨げられていると訴えています。
そして、連邦高裁判事らが今年4月に棄却した「ドナルド・ザルダ裁判」の審議やり直しを求めています。ドナルド・ザルダ氏はスカイダイビングのインストラクターとして働いていましたが、顧客にゲイであることを話した結果、解雇されたとして訴えていたものです(なお、ザルダ氏は提訴後に、スカイダイビングの事故で死亡しています)。棄却理由は、2000年に示された司法判断の中で、同性愛者に対する差別は1964年の公民権法第7編で言うところの性差別には当たらないとされたことです。
米国では現在、同性愛を理由に職場から追い出された人たちをめぐる複数の裁判が起こっています。ジョージア州アトランタでは、レズビアンであることを理由に勤め先の病院から解雇された女性の裁判が審議中です。先ごろ、シカゴの高裁が初めて、公民権法第7編により同性愛者は保護されるとの判断を示しています。
ザルダ氏を雇っていたAltitude Expressは、「国会は公民権法第7編が同性愛者に適用されるとは考えておらず、また司法はこの法律の意味を変える権限はない」と述べています。
性的指向による職場での差別の禁止を国レベルで実現しようとする動きは、LGBT団体とオバマ前大統領が何年も取り組んできた課題ですが、道半ばとなっていました。
なお、グーグルは今月中旬、ニューヨークのLGBTコミュニティセンターに100万ドルを寄付することを発表しました。米国立公園基金との協力で、LGBTにとって特別な意味を持つ1969年の「ストーンウォールの反乱」を発端に、ゲイ解放運動に関わってきた人々の声を記録するプロジェクトを立ち上げるためです。バー「ストーンウォール」の一帯は昨年、国定史跡に指定されています。
参考記事:
グーグルなど50社、連邦法による同性愛従業員の保護求める(ロイター)