アウト・ジャパン通信Vol.4

OUT JAPANからの案内

◎はじめに

アウト・ジャパン通信 Vol.4

みなさん、こんにちは!お待たせいたしました!
『アウト・ジャパン通信』第4号です。


『アウト・ジャパン通信』では、アウト・ジャパンのメンバーが行っている日々の活動を
Youtubeの動画で発信すると共に、毎回さまざまなゲストにコラムを寄稿いただいて、多様な視点からLGBTにまつわる情報を発信しております。

ゲストコラム

カミングアウトするきっかけ~Allyの存在~

初めまして、タケと申します!
僕はLGBTQ+のうちのひとつ、Gにあたるゲイ(同性愛者)です。普段は会社員として働いています。

今回は僕自身のカミングアウト前までのセクシャリティの葛藤、初めてのカミングアウト、昨年初めて参加した東京レインボープライドについてお話させていただきます。

 ■カミングアウトするまでのセクシャリティの葛藤

僕は愛知県名古屋市出身、1986年生まれの37歳です。自分がゲイなのかもと意識し始めたのは明確には覚えていませんが、中学生の頃くらいだったと思います。

 一つ上の姉にくっつき女の子と遊ぶ事が多く、友達も女の子が断然多かったです。
その為、学生時代から男友達が少なく、クラスメイトには女の子とよく話をしたり遊んでいるのを見て『こいつこっち系じゃない?』など悪口を言われていたのを今でも鮮明にお覚えています。

 また、今から約20年前のテレビの中などでも同性愛者やトランスジェンダーのことを面白おかしく扱われたりすることも多く、口が裂けても自分がゲイであることを誰かに言ってはいけない事で、カミングアウトをしたら周りの友人から避けられてしまうと思い、一生隠し続けようと決めていました。

 それと同時に自分が頑張れば、女性と付き合って結婚をして子供を授かる未来もあると思い、高校性から20代半ばまでは女性とも付き合うこともありました。

ただ、どこかずっと違和感がありながら女性とお付き合いをしていたので、長く続くわけもなく、すぐにお別れすることが多く、改めて男性が好きでゲイだと確信した時期でもありました。

そんな生活にも疲れてしまい、20代後半に入った時には女性ともお付き合いしなくなり、とにかくゲイであることをバレないように、友人にもいろんな嘘を付き合いながらしばらく過ごしていました。

 そして、僕にとって大きな転機になったのが34歳のことでした。

 ■カミングアウトするきっかけ~Allyの存在~
34歳までは一生ゲイであることを隠し続けると決めていましたが、とあるAllyの方との出会いがきっかけで、友人などにカミングアウトする決意が出来ました。

 その方との出会いは仕事がきっかけでした。

その方はシスジェンダーの女性で、ご自身のご経験からLGBTQ+の問題と真摯に向き合い、解決に向けていろいろと取り組んでいる方でした。
その時にはもちろん僕自身は誰にもカミングアウトもしていなかったですし、する気もなかったのです。

しかし、初めて目の前にこの人はAllyだと思える方が現れて、当事者以上に真剣に向き合っていると感じられる言葉や考え方に触れて、この人だったらカミングアウトしてもいいかもと初めて思えました。

その後、その方とは食事へ行きカミングアウトすることが出来ました。

それがきっかけで今では親や兄弟には言えていないものの、友人のほとんどにカミングアウトすることが出来、ほとんどの友人が受け止めてくれ、それまでと何も関係は変わらず、一人の人間として接してくれています。

今では僕にとって友人は心強いAllyであり、これがきっかけで他の誰かのAllyであってくれたら嬉しいなとも思います。

 ■東京レインボープライド

カミングアウトしてからは自分自身も当事者でありますが、LGBTQ+のことで何かできることはないかと思い、いろいろと模索中です。
そこで昨年、毎年東京で開催されているレインボープライドに初めて行きました。
行くまではどんなことが行われているかなどとくには調べずに向かいましたが

会場には当事者だけでなく、Allyの方など想像以上の人が集まっており、まさにお祭り。

来場している人数もそうですが、参加している企業様の多さにも衝撃でした。

こんなにも様々な企業様、たくさんの方がLGBTQ+に対してアクションをしていることに感動しましたし、自分は一人ではないのだと勇気をもらったのを今でも覚えています。

 こういったイベントなどを通じて、世の中のLGBTQ+への理解は深まっていき、僕が学生だった頃に比べて、一当事者としてかなり生きやすくなってきていると感じています。

実際にそのおかげもあり、僕自身もカミングアウトをするきっかけの一つでもあります。
ただ、悲しいですがまだまだ誤解や差別なども多く残るのが現実です。

誤解や差別を減らす為にはまずは知ることから始まると思っています。
知らないまま過ごせば、気付かぬ内に誰かを傷つけてしまうこともあります。

だからこそ、様々なところから正しい知識を学び、今よりもっとたくさんの人が過ごしやすい世の中になることを祈っています。

今後も一緒に考えていけたら嬉しいです。

最近の小泉の活動

大阪のホテルへの講演・研修を行っています

最近の小泉について

・大阪のホテルへの講演・研修を行っています。

アウトジャパンの問い合わせフォームへのお問合せも多くなっていますが、大阪観光局からのご紹介も含めて、講演・研修の機会が増えています。実は、大阪観光局のLGBTQアドバイザーとしても活動を行っています。

 大阪観光局としては、今年10月23日~26日に開催するIGLTA総会に向けて、LGBTQフレンドリーな施設を増やしていきたいという施策もあり、再開発エリアの新しいホテルはもちろん、昔ながらの老舗のホテルからもこの総会を機会に新しいことを取り入れていきたいと動いている状況です。

 ご興味ございますホテル関係者様はぜひ小泉までお声がけください。

 小泉へ質問

 【質問】IGLTA総会に向けた動きは今どんなステージ?

前回までは、大枠がふわっとした形でしたが、どんどん細かく決めていく段階になっています。

 例えば、日本人のお客様も来るかもしれないので、同時通訳の機械を入れてほしい、という要望や、複数のパーティー会場があるので、食事内容が被らないかなどの調整を行ったりもしています。というように、毎日、各所からの質問が多く来ています(笑)

 すべてに色々と想いがあるので、みんなで良いものを提供したいという想いと、予算面との折り合いが難しい所ではあります。また、時間にも限りがあるので、すぐに決めて前に進めていく必要があるというのが今の現状です。

 

最近の屋成の活動

LGBT-Allyプロジェクト2024は51社でスタートしました。

最近の屋成について

・LGBT-Allyプロジェクトに参加いただいた企業が51社となり、過去最多企業数となりました。
ご参加いただいた企業のみなさま、誠にありがとうございます。

 ・LGBT-Allyプロジェクト2024オープニングイベントを開催しました。
このプロジェクト自体は「Allyを増やそう」という大きな目的のもとに始まり、「Ally企業の存在」や「Ally企業の取り組み」を知ってもらうことをメインに活動を行ってきました。

 プライドイベントなどでのパネル展示もありますが、やはりWEBなどで広く知っていただく方がより広がりをみせると考え、当初はコロナ禍であったこともあり、Zoomを利用してYouTube配信を行う形で行っていました。

 大枠の考え方は変わっていませんが、対面での良さもあると思っていて、昨年末の対面交流会も非常に喜んでいただいたり、企業同士の交流をより深める場も作りたいなと思い、今回「オープニングイベント」として、せっかくなので対面で集まりましょうと声をかけたところ、思っていた以上に企業のみなさまが集まっていただきました。

 イベントの様子は、アーカイブ動画もございますので、ぜひご覧ください!50名以上が集まれる素敵な会場をご提供いただきました、味の素株式会社様、誠にありがとうございました。

 

屋成に質問

 【質問1】LGBT-Allyプロジェクトの参加企業は単純に企業数が増えているのか、入れ替わりなどがあるのか?

参加される企業数はもちろん増えています。
プロジェクトスタート当時からずっと参加いただいている会社も、もちろんありますが、ご卒業されていく企業もありました。企業としてもいきなりプライドイベントに参加することへのハードルが少し高い場合もあるので、一度、LGBT-Allyプロジェクトに参加していただき、ブース出展の雰囲気などを掴んで、来年からは自社でブース出展をします!という形で、プロジェクトを通して発展をしていく場合もあったので、とても良かったなと感じています。

【質問2】一度、プロジェクト卒業をしたら戻ってこれないの?

もちろんそんなことはなく、いつでも戻ってくることは可能です!
一度ブース出展をしてみたときに、ご予算の関係であったり、ブース出展をする時の労力など工面するのが大変で、LGBT-Allyプロジェクトの参加に戻りたいという企業であっても、それはウェルカムです。

 【質問3】そもそもの話だけど、LGBT-Allyプロジェクトってどうやって参加するの?

まず、プロジェクトの参加のお申込みをいただき、基本料金10万円をお支払いいただきます。基本プランとしては、アウト・ジャパンのホームページにある特設ページに参加企業のLGBTQに対する取り組みを掲載することができます。
また、オープニングイベントやパレード沿道での応援をするなど様々な交流の機会を作っていますので、こちらは参加自由としています。

 オプションとして、各所のプライドイベント(東京・大阪・名古屋・福岡)にブース出展を行い、パネル展示を行っていますが、企業側で4か所すべて展示したり、こことここ、というように場所を選んで展示するということも可能です。

 

 

その他

東京レインボープライド

東京レインボープライドについて

 東京レインボープライドに関する動画を3本、YouTubeに投稿しています。
・東京レインボープライド全体をダイジェストで振り返る動画
・パレードを沿道で応援している様子をまとめた動画
・自分たちのブースやいろんな企業のブースを突撃レポートしている動画

 レポートしている動画については、初めての試みです。
ぜひ、そちらも併せてご覧ください。

 【小泉が担当していたLGBTQツーリズムブースについて】
(小泉)今回は、大型ブースを半分に分けて、スペインと大阪の観光PRを行いました。

なぜ、大阪とスペインなのかというと、IGLTAのグローバルコンベンションが行われるのが2024年に大阪、2026年にスペインのセビージャという所で行うので、そこを国際的に繋げているというイメージでブースを作り上げました。

 (屋成)看板も、飛行機で大阪からスペインに飛んでいるようなデザインになっていておしゃれだなと思いました。

 (小泉)ほんとに?(笑) ありがとうございます(笑)

 もちろんドラァグクイーンの方々はどの地域にもいらっしゃると思うのですが、
今回のTRPのために、わざわざ大阪から、英語が話せる外国人のドラァグクイーンの方を2名お呼びしました。

大阪のグリコの看板の前で写真が撮れるようなパネルも置きました。
テーブルクロスにもこだわり、黄色とヒョウ柄を選びました。大阪といえば「ヒョウ柄」ですよね。(笑)

スペイン側は「情熱の赤」というイメージで、おしゃれな雰囲気を作りました。

 
【屋成が担当していたLGBTQ-Allyプロジェクトブースについて】
(屋成)今回、ブースだけではなく、プロジェクト参加企業のロゴ入りうちわを作成しました。

 昨年までは、ロゴ入りパネルを作成していましたが、せっかくなのでみんなに持っていただきたいと思い、うちわにしました。また、壁一面に企業ロゴ入りのスクリーンを張り出しました。

 (小泉)映画のスクリーンみたいに大きかったよね!!圧倒されちゃった!

 (屋成)そうそう、結構みなさん「おぉ!」と驚かれていました。パレード開催日には議員の方もいらっしゃっていましたが、多くのみなさんに見ていただけたなと感じています。

 このプロジェクトの大きな目的として「Ally企業がこんなにも多くあるんだ」ということ、「実際にどんな取り組みをしているのか」を広く知ってもらうことが大切だと考えています。

また「Allyの可視化」が非常に重要だと考えているので、TRPのような場でみなさんが知っているような企業のロゴをずらっと並べて、こんなにもAlly企業があるんだということを知ってもらう機会を提供できたのはとても嬉しかったです。

 (小泉)じーっとパネルを読み込んでいる人や企業ロゴを見て「自分の会社あるかな?」と探している人などもいて、しっかりと見てもらえたんだなと思いました。

 (屋成)例年と比べて、今年は写真を撮っている人が、多かったように思いました。
そして、参加企業の方は自分の企業のロゴを指さしながら、写真を撮るということもされていました。

 【TRP全体はどうだった?】

(小泉)やっぱり、本当に賑わっていたし、皆様の素晴らしい笑顔を見て、自分たちまで力をもらえるような本当に楽しいイベントでした。
今回はパレードが非常に良かったです。すごくオーガナイズされていて、混乱もなく皆さんが歩けていたと思いました。

 (屋成)前回までは、待機の場所が混乱しがちだったところが、体育館に入って、待機して、移動するというすごくスムーズになっていて驚きました。

 (小泉)すごく良かった!!

 (屋成)ああいう風にできたのは、裏でご尽力されていた方がいたからだと思います。本当にありがとうございます。

 あとは、1日目の突風で、詳しくはわかりませんがお怪我された方もいたという話を伺いました。
お怪我された方には、お大事になさっていただければと思います。

 しかし、本当に驚きましたね、風には。

 (小泉)まさか、風でテントが崩れてしまったりするとは思ってませんでしたし、私たちのブースも風でバタバタと大きな音がして、自分の身の危険を感じてしまうほどだったので、実行委員の皆さんが参加者に対してすぐに避難を促していたのは賢明な判断だったと思います。

 残念ではありましたが、何かあってからでは遅いので、個人的には1日目の中止の判断は良かったと思っています。

 (屋成)それもあったからかもしれないけど、2日目の「開催できて良かったね!」という雰囲気が代々木公園の中に満ちていたなと感じました。

 (小泉)パレードの時も、ちゃんと天気も良かったですよね。ぎりぎりお天気がもちましたね。

 (屋成)怒涛の数か月を過ごしてきましたが、日本におけるLGBTQイベントの中で東京レインボープライドというのは一つの大きな節目だと思いますが、そのためにご尽力されてきた皆様のおかげで、私たちも参加させてもらえて本当に良かったと思っています。



【今後の動きについて】
(屋成)これから僕の方では6月のプライドマンツでありがたいことに、今年もたくさんのご依頼をいただいています。

6月に何かイベントをご希望の方はお早めにご連絡いただければ、まだ調整できる日もございますので、お声がけ頂ければと思います。

 そして、6月に名古屋レインボープライドがあり、札幌、大阪、福岡と全国各地のプライドイベントが続いていきます。小泉さんはIGLTA総会ですね?

 (小泉)IGLTA総会も10月なのでどんどん迫っている感じがしますが、私の方も頑張っていきたいと思います。
そして、何かございましたら、お声がけいただければ、みんなで力を合わせていきたいなと思っています。 


 

アウト・ジャパン通信 第4号はいかがでしたでしょうか?
TRPではたくさんの方にお会いできてとても嬉しかったです!
また次回は名古屋レインボープライドでお会いできれば嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします。

皆様、お元気にお過ごしください!ありがとうございました。

 次回もお楽しみに!

 

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